五銭の人 第16刻
ゆっくり生きようと思う
辿り着いた場所が何もない野原でも
良いと思う
そこには目に見えない風があり
姿の見えない小鳥の鳴き声がする
そして いつ消えるとも知れない雲が流れ
その彼方向こうには輪郭を見せない
宇宙が広がっている
辿り着いたのか
辿り着いたと思ったのか
何もない野原で一人思う
人生は何を得れば満足するんだろう
両手では数えきれないほどの夢を抱えて
追いきれないほどの足跡を残して
折り返し地点なんてどこか分からない
この人生を思いながら
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