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狂犬病ワクチンはどうなの? その1 … 副反応が「絶対出ない」保証はゼロ
前回、ひめりんごが混合ワクチンの注射で副反応に苦しんだエピソードをご紹介しました。一晩中、私たち(人間)も生きた心地がしませんでした… ^_^; リスクは低くても、「100%安全」ってことはないんでしょうね。
新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)用のワクチン接種がやっと始まりましたが、副反応を心配する声は多いですね。ということもあって、この機会にワクチンについてもう少しお勉強してみました。
![画像7](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/46849729/picture_pc_a924a413516207cfce62966c0269bc2b.jpg?width=800)
ワンコと私たち飼い主が避けて通れないのは狂犬病の予防注射。で、見えてきたのは…
断定はできませんが…、
ホントに断定はできないんですけど…、
(↑ダチョウ倶楽部的に ^_^)
獣医療や感染症予防とはちょっと違う力の存在
あくまで個人的な印象ではありますが、そんな感想を抱きました。
36万年に1度?
とかいう話もありましたし…(今回は8回モノの予定ですが、この件は最終回に)
副反応への恐怖…
ワクチンに重要な「リスク・ベネフィット評価」
さて、混合ワクチンの時にご紹介しましたが、ワクチンには常に「リスク・ベネフィット評価」が重要だそうです。
![リスクベネフィット](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/46848876/picture_pc_3953792b28a97a59e96c24da3c598dcd.jpg?width=800)
当然、リスクはできるだけ低く、有害作用は軽いものでなければなりません。新型コロナは世界的な大流行(= パンデミック)となっています。予防のメリットが大きいので、ワクチンの開発から承認までが例外的な速さで進みました。不安があるのは無理ないですよね。私は順番がまわってきたら打とうとは思ってますが…
長~い歴史のある狂犬病ワクチン
それに対して、狂犬病ワクチンには長い歴史があります。「狂犬病予防法(正式名称:狂犬病予防法・昭和二十五年法律第二百四十七号)」は、そこにあるように
昭和25年(!)の公布
です。第二次世界大戦後、復興途中にあった1950年以来、ワンコにはワクチン接種が義務です。(↓昭和25年の新宿区役所)
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/46849503/picture_pc_be32fd2a43e3cbc8391b094424d119ad.jpg?width=800)
なので、日本では「少なくとも」70年を超える歴史があります。新型コロナワクチンとは違い、リスクとベネフィットに関する情報は豊富でしょう。
狂犬病ワクチンは比較的安全な種類
作り方からも比較的安全な種類らしいです。ワクチンには製造方法がいくつかあるそうです。新型コロナ用で話題のmRNA(メッセンジャーRNA) ワクチンなど難しいのもありますが、ワンコに関係することの多い2種類をごく簡単にご紹介します。
生きた病原体が入っている「生ワクチン」
1つは毒性を弱めたウイルスや細菌を入れたモノ。病原体は生きているので「生ワクチン」や「弱毒化ワクチン」と呼ばれます。人間用としては、はしかや風疹、結核の予防に打つのがこの種類だそうです。
![画像6](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/46849684/picture_pc_0194ec1049fb394ddf4bc02ae61d1d43.png?width=800)
メリットは身体を病気から防ぐ「免疫」の反応が速く起こること。それから、効果の持続期間も長い傾向だそうです。ワンコ用では混合ワクチンに含まれるモノの多くが「生」で、前回ご紹介した「コアワクチン」は3種類すべて「これ」です。
病原体は死んでいる不活化ワクチン
もう1つは、病原体を殺して必要な部品だけを使用するもので「不活化ワクチン」と呼ばれます。傾向としては、「生」と比べると副反応のリスクが少ない一方、免疫の持続期間が短い場合があるそうです。日本脳炎やA型・B型肝炎、インフルエンザなどのワクチンがコレです。ワンコの場合、レプトスピラ菌や犬コロナウイルスなどに対応するワクチンがこちらです。
ただし、不活化ワクチンの場合は「アジュバント」と呼ぶ、効果を高めるための添加剤が副反応を引き起こしやすいとも言われます。
狂犬病ワクチンは不活化のみ
狂犬病予防のためにワンコに打つワクチンは、どれも不活化ワクチンです。日本では、
なぜか
日本の製薬会社のワクチンしか
国に認可されていない
ので、全部調べました。間違いありません。
![国産ワクチン](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/46849592/picture_pc_a9dff42c6342b2d078ec4acf242a0fcd.jpg?width=800)
海外はどうでしょう?アメリカ獣医師会の資料には、犬だけでなく猫、フェレット、馬、羊、牛、ラクーンとコヨーテに使用する狂犬病ワクチンが書かれています。ごく一部、猫や馬専用のモノや、野生のアライグマやコヨーテ用と思われる経口ワクチンに「ベクターワクチン」(病原性の低い別のウイルスを利用するモノ)などがあります。
犬用は4社からワクチンが販売されており、すべて「不活化」です。
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/46849574/picture_pc_857c8dbe1aeeab522ad2dcb656680f3f.jpg)
ということで、日本とアメリカでワンコが「ちっくん」される狂犬病ワクチンは、例外なく不活化ワクチンです。あくまで一般的な比較の問題ですが、生ワクチンと比べれば副反応のリスクは低いと…言えなくはなさそうです。
ワクチンには必ずあるリスク
でも、
前回ご紹介した混合ワクチンに限らず、人間用の新型コロナワクチンだけでなく、リスクがゼロでないのは同じです。これも既にご紹介しましたが、「動物医薬品検査所」が副作用データを公開しています。狂犬病ワクチンで検索すると、
毎年20頭前後が
ワクチンとの因果関係が否定できない
状況で死亡
しています。
![副作用データ](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/46849654/picture_pc_6be02ca93d239e7e255c9f470d18559f.jpg?width=800)
電話で確認しましたが、この数は獣医さんまたは製薬会社がワクチンとの因果関係を自主的に判断し、報告したものだけです。また、薬機法(正式名称:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)上、軽症の場合は報告義務もありません。
なので、実際の副反応件数は、
これより、もかなり多い
と考えるのが自然でしょう
日本では年間約400万頭が狂犬病のワクチン接種を受けています。そのうち副反応(と考えられる原因)で死亡したのが「最低で」20頭とすると、確率は0.0005%。限りなく低い数字に見えますが「ゼロ」ではないんです。
で、この中に
「わが子」が当てはまらない保証は間違いなく「ゼロ」
です。
![画像8](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/46850477/picture_pc_bb3ebd00304db1bb7ddeec714f7f12e8.jpeg?width=800)
ひめりんごの件で心の底から感じたのは、「わが子に起こった場合、それは常に100」ということでした。
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そんな怖さを掘り下げる前に、次回は狂犬病予防の大切さをキチンと理解しておきたいと思います。それを踏まえて、現在行われていることに対する疑問をご紹介します。