【超ショートショート】(260)~風(ふう)when風(ふう)cry~☆CHAGE&ASKAアルバム『RHAPSODY』より散文詩「風の形」☆
「風ってどこから来ると思う?」
「何で風は鳴くの?」
昼時の公園で、
ひとりランチのおにぎりを食べていた。
広場で遊んでいた男の子の一人が、
物欲しそうな顔をしながら、
私の足元に転がってきたサッカーボールを
拾いながら風の質問をした。
「そうだね!あのさ?」
「何?」
「これ(おにぎり)食べるかい?」
「うん!(笑)」
嬉しそうにコンビニで買ったばかりの
おにぎりから、最後に食べようと取っていた
一番大好きな赤飯のおにぎりを
男の子は迷わず手に入れた。
「僕、おばあちゃんが作るお赤飯が大好きなの」
「そう」
「(おにぎりを一口食べて)これ、まあまあだね」
「あっ・・・そう(苦笑)」
男の子は、
おにぎりを一気に食べると、
サッカーボールを蹴りながら、
広場に戻った。
彼らサッカー少年の様子をテレビ代わりにしながら、
男の子が選ばなかった鮭いくらおにぎりを食べた。
「でも、いつも思うんだよな。
何で男の子の髪型、襟足を伸ばすのだろうか?
特にサッカー少年にたくさんいるな」
彼らが、ボールを追いかける度に、
その長く伸ばした襟足が風の形を
まるで学校の屋上に昇る旗のように、
風の強さも現していた。
男の子が質問した
「風はどこから来るの?」
「何で風は鳴くの?」
この答えは私も知りたいといつも思っている。
春一番、木枯らし1号、台風、
彼らは天気図に大きな渦巻きを作る。
あの渦巻きが風の形なのだろうか?
巨大扇風機が宇宙から強風を送り込み、
渦巻き雲を作り、
それをお天気屋さんの地図に描かせる。
私たちは、
それを眺めながら、
今日の風はご機嫌?不機嫌?を知る。
たいてい不機嫌な風は、
いつも怒鳴り声に強弱をつけながら、
外を歩く人の髪型を崩していく。
もっと不機嫌な風は、
スカートめくりもするようだ!
子供たちがキャッ!キャッ!キャッ!キャッ!と
スカートの裾を押さえながら歩いて行く。
機嫌がいい風に出会いたければ、
夏の朝の草原が良さそうだ。
ひんやりした空に近い草原を、
草原の葉の表面をサラサラと優しい手触りで、
風が走っていく。
「風ってどこから来るんだろう?」
「風って何で鳴くんだろう?」
「風って誰が産むんだろう?」
(制作日 2022.3.5(土))
※この物語はフィクションです。
このお話は、
1988年3月5日発売 アルバム
CHAGE&ASKA『RHAPSODY』
のブックレットにある
ASKAさんの「風の形」という散文詩を
ヒントに書いてみました。
散文詩はこちら👇
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「風の形」 詩 飛鳥涼
ある日僕は 風と別れた
髪を切ってしまったんだ
だから もう
僕の髪で風の形を見ることは
出来なくなってしまった
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(ニックネーム)
ねね&杏寿
(旧ひまわり&洋ちゃん)
(Instagram)
https://www.instagram.com/himawariyangchiyan/
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ヒントにした散文詩が載っているアルバム
CHAGE&ASKA『RHAPSODY』
(1988.3.5発売)
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