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結婚って?ー「虎に翼」を観ていて思うこと
NHKの朝ドラ「虎に翼」を毎日欠かさず観ている。
今日はとうとう弁護士になった主人公寅子が結婚した。
このドラマの中では本当にシンプルに社会的な意味からの結婚である。
愛ありきの結婚ではなくて、弁護士として、言わば仕事が取れるようになるための結婚。
当時、いや今だってそうかもしれないけれど、結婚していた方が何かに社会的信用は着くのかもしれない。
とにかく自分の仕事をするために、言わば自分の仕事人としての夢をかなえるために結婚という手段を選び、難航する寅子に対し、手を挙げたのは、かつての寅子の家に住んでいた書生の優三さん。
正直、先日実質振られた形の花岡より人間的にも数段上の人物である。
寅子の両親もその点をしっかりわかっていて、
自分が寅子さんにとってはずいぶん物足りない人間だということはわかっています。
などと言っているのに比して、
こんな子ですが、親ともどもどうぞよろしくお願いします。
と両親も大喜び。
というか、その前に、寅子の母であるはるさんが、
寅子にとってのうまみはわかりますが、では優三さんにとってのこの結婚のうまみは何ですか?
とまたまた知に勝った質問をする。
すると、優三さんは、
僕には両親はもういません。猪爪家の一員にしていただけるのならそれが僕のうまみです。
と答える。
寅子の両親も、ちゃんと相手のことを考えて、優三さんのしあわせのこともしっかり考えて、納得する。
ずっとずっと優三さんの気持ちはわかっていた。
初対面のとき、花岡とは恋敵とばかりにバチバチに双方火花を散らしていたではなかったか。
早く自分の思いを告げてよ、優三さん!
と思っていたら、なんと初夜の寝室で、それを告白。
僕は寅ちゃんに何も見返りを求めないから・・・。
だなんて、素敵すぎる・・・。切ない言葉。
結婚できただけで、そばにいて見守ることができるだけで、もうしあわせって?
が、優三、頑張れ!誰より私が愛している!
とエールを送りたいが、そんな優三さんに深刻さは感じられず、布団に入るや、グーグーいびきをかいて寝てしまう。
この二人の感じが、
愛のあるのが結婚だと思いますか?いや違ってもいいと思うの・・・。
なあんて言ってる寅子に、
しっかり愛があるでしょう?
と言いたくなる。
ドラマの中での話だけれど、寅子は実際すべてを手に入れている。というか手に入れかけている。
私の考えだけれど、で、この話をすると、友人たちには、大抵、
あなたって、意外に古風なのねえ・・・。
と言われてしまうが、そもそも女の愛って、受け身だと思っている。
というより、私がそういうタイプなのだと思う。
私は、あまり人生の中で自分から人を好きになることがなかった(と後で気付いた。)。大抵相手を気になりだすころには、これは男性の方が圧倒的に射程範囲が広いためで、愛想だけは良い私は、もしかしたら相手にそういう気にさせてしまうところがあるのかもしれないが(だから、結婚してからも、変なことに巻き込まれながら、それでいて必死に抵抗して、おかしな方向に行くことはなかった。(笑))、大抵相手も自分のことを気になっていた、ということになっていることが多かった。
花岡と花岡のお祝いを二人でしていながら、これからの仕事への抱負を語ってしまう寅子。社会的な意味のために結婚しようとする寅子の気持ちが私には良くわかる。だから、言って見れば誰であっても同じというような。
でも、優三さんは違う。
今までだって寅子を見守り、それにお弁当を届けに来てくれた寅子は、優三のおかげで法律と出会うのである。ともに高等試験を受験し、寅子は合格、優三は不合格。でもともに喜んでくれる優三。
大抵の男性は、ここでおさらば。自分より高みに行ってしまった女に用はない、という人多くない?
もちろん、愛する女性を守るために自分がなんとか高みに登ろうとするのはわかるし、それも尊いことだと思う。
でも、一方で、情けない夫という立ち位置になるかもしれないことを承知で(この考え方自体もどうかと思うけど?)、それでも愛する女性を大きく見守ることのできる男性の方を私は男らしいと思う。
一方花岡の気持ちもわかる。
寅子が弁護士になって人を救いたいという思いに対して、花岡は、
人の人生に責任は負えない。
轟が非難しても、そして寅子が落ち込んだとしても、これは正しい判断だと思っている。花岡は何も自分の利益だけを考えたわけではないと思う。
これだって私からしたら本当の愛だと思う。
優三さんと直道さんは、本当に私好みの男性。
ちょっと頼りなく感じる?
いや、こういう人の愛情の向け方、愛し方、女性の守り方が私は大好きである。
気の強いアイツ、一番になりたがるアイツだけど、本当は結構大変なんだ。あれで苦労してんだぜ。アイツを守るのは俺しかいない。アイツの裏の姿を知ってんのはおれだけなんだ。
なんだか直道お兄さんが言いだしそうなセリフだが、花江ちゃんはそういうタイプではない。
いいな、いいな、優三さんみたいな男性。
こういう人に包まれたら、寅子は大きく仕事ができるだろうな。
おそらく、はるさんの立場だとしても、仮に職場に優三さんみたいな人がいたとしても、おそらく、優三さんの存在感に、私は相当に感謝するだろう。
こういう触媒みたいな人。
というと、まるで男女が逆転しただけみたいな話になりそうだけれど、ただ、少々仕事ができるというだけで、横暴で、大きな顔して偉そうにしている男性に比べたら、愛する人を愛し抜こうとする、そしてその人の窮地にはなんとか寄り添おうとする、そして、自分にその資格がないと思えば潔く引こうとする、何にも周りと波風立たせることなく、でも柔らかな自己主張は、つまりはここだけは譲れないというところはちゃんと通すところは、素敵だなあと思う。
ただね、優三さん、一つだけお願い。
結婚前に、ちゃんと、寅子に、
ずっとずっと好きだった。
と言わなくちゃ。
来週どうなるかはわからないけれど、来週、寅子の女心にはどういう変化が起こるのだろうか?楽しみ。
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