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映画「ドリーム」を観ました!

 以前から観たかった映画を、休暇を取った最終日の今日、観ました。

 かつてNASAに勤めた女性黒人数学者たちの奮闘記。

 今だって、なかなかリケジョが男性と肩を並べて働くことが難しいのに、1960年代に、こんな風に、NASAで、しかもアメリカで、活躍した黒人の女性数学者が存在したことに、私は関心をもっていました。

 晩年、研究所に自分の名前が冠され、オバマ大統領時代には栄誉をたたえられて受賞すらしているのです。

 私は最初から最後まで泣いてばかりいました。冒頭から終わりまで、ずっと映画の中で、差別される場面は出てきます。でも、泣いていたのは、差別に対して辛かっただろうということへの共感の涙ではなくて、むしろ、彼女らを受け入れる人が現れたときの、彼女らの嬉しさへの共感の涙でした。

 仲良しの3人。プライベートでも職場でも、いつも助け合っています。あちこちで黒人だから、女性だから、と差別されます。でも、彼女らの誠実な仕事が人を動かしていく・・・。そんな中でも、主人公の抜擢された部署の部長である、ケビン・コスナー演じる上司が素敵です。私が青春時代に憧れたケビン・コスナーが、かつての繊細な演技、というより、むしろ骨太な演技で素敵に演じています。目標の前には、彼には偏見も何もなくなります。でも、最初、宇宙ロケット飛行士が、主人公のキャサリンたちに感謝をしている場面では、まだ、彼女らの人格を認めているとは思えないのに、だんだんとキャサリンの誠実で的確な仕事に対して、彼は、キャサリンに共感を敬意を払うようになります。「君には期待しているんだ!」

 その上司に向かって、NASAでの差別にキャサリンが声を上げたとき、彼は、とうとう彼女の本当の気持ちに共感するのです。

 最初から彼女を認めている、すこぶるイケメンの飛行士の存在も際立っています。「あの切れ者がOKを出したら飛ぶよ!」と。

 未亡人のキャサリンは、性差別も乗り越えて、パートナーの理解も得て、素敵な再婚にも踏み切ります。それもお相手はキャサリンにぞっこんの軍人。

 私は、もう、泣きっぱなしでした。

 なぜか・・・?

 私は、男女雇用機会均等法三期生。一応、男性と一緒に採用されるようになった三年目の新卒生でした。

 均等法以前から、男女が平等のはずの高校教諭になりました。割と女性であることを求められる職場ではありましたが、それに、3年で寿退職してしまった私に、何も語る資格も何もないようなものですが、10年ほど経って、プチ社会復帰したときに、あまりにも時代が変わっていないことに驚きました。

 そんな中で、私は、自分を女性としてみては来なかったような気がします。いつも教師でした。でも、女性でしょ?という問いかけに、むしろその問いかけが、なんの意味を成すのかわからないほど。

 ただ、一つ、経験としての、結婚と出産、子育ては、本当に教師をするのに役立ちました。声高に男女平等を訴えるつもりはありません。ただ、もし、幾分かでも時代を進めることができるとしたならば、やはり、声高に何かを訴えるよりは、誠実な仕事が一番、人に訴えるのだということは実感してきました。それは、結婚生活であろうと、親せきづきあいであろうと、仕事であろうと、同じだと思います。

 策を弄して、何かをしても、信用がなければ動きません。

 私には、対等になりたい人がいました。

 一生、どう転んでも対等にはなれない。

 でも、その人は、私の仕事を認めてくれて、教師という仕事を尊重してくれています。

 とんでもない経営者のくせに?私のような弱小経営者に起こったことについて、「もうそんなこと気にせんでええよ。うちも数年に一回起こるから。」なんて、まるで同等に扱ってくださっている様子。

 おまけに、あれこれ試験にチャレンジしたり、勉強したり、音楽や文学に首を突っ込む私に、「僕は、あなたみたいに、自分から勉強しようとか、自分から試験を受けようとか思えん。」などと言ってくださる始末。

 私から勉強や試験を取って、いったい何の楽しみがあるのかしらん?という面白いお言葉・・・。

 最近は、厳しいことも言ってくださいます。

 「どんなにしんどくても、仕事とプライベートは別や!」

  この言葉に、私は、冷たい、と思ったのではなく、おお、認めてくださったのね!とむしろ嬉しくなりました。

  この方は、ある私の、人生での大きな事件に、背中を押して、「行っといで。」と言ってくださいました。当時の私の状態を考えると、どれほど、そうおっしゃることが辛いことだったか、発言する側の方が辛いことがあることは、私も立場上わかります。針の筵のようなその場に、「行け。」ということが、どれほど辛いことか。実家の両親も止めたほどのことに、「行っといで。何か言われたら、『あとにしましょう。』って、言ったらいい。」と、逃げようとする私に勇気をくださいました。

 2か月ほど前、私は、改めて、その方の存在の大きさを思い知ることになりました。なぜ気付かなかったのかのか、というほどの気付きでいた。

 今、私は楽しく仕事をしています。

 「ドリーム」という映画。

 主人公のように私は優秀ではないけれど、ただただ、仕事には恵まれてきたなあ、と思うのです。というか、人に恵まれてきたなあ、と思うのです。いろんな関係がある中で、いろんな方々に助けていただいて、今、私は自分の思うように仕事をさせていただいています。

 退職するときに、その地で、ここで学んだことを生かしてほしい、と送り出してくださった先輩方の期待に添えているかどうかわかりませんが、とりあえず、何もわからずに一人でやってきた土地で、私はいろいろ助けていただきながら、仕事をさせていただいているありがたさを思い返す映画でした。

 

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