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温泉で、母の孫か娘か?という議論をされていたこと

ここのところ内風呂ばかりで、お気に入りの入浴剤を入れてのお風呂ばかりだったけれど、北陸らしく、昨夜からのまあまあの大雪で、朝の雪かきを終えてから、母と温泉に行くことにした。

数年前、そうコロナ禍が始まる前は、早朝雪かきをした後は、新湊か氷見まで温泉に浸かりに行ったものだった。
それが何やら気忙しくなり、また、人込みを避ける生活のためか、そういうことはできなくなり、でも母が来てからはちょっと行くようになっていたけれど、この受験期にはまた行けなくなっていた。

行こうと思えば、そう決意してしまえば行けるものである。
その決意になったのは、母が腰が痛いというので、

ああ、冷えているんだな。

と思ったのと、私の右肩がどうも痛いので、これは温泉だな、と思ったというわけである。

早朝風呂ではなかったけれど、結構朝のお風呂になった。
以前ならまだ開いていなかった時間である。
まだまだ人少なで、ちょっと嬉しかった。
改装してから来るのは初めて。
本当はまだ連れて行っていない温泉で、本当に穴場があるのだけれど、そちらは14時からで、とても今日のスケジュールでは行くことができそうになかった。

まずは普通の温泉。露天風呂ではない方。
母と浸かっていると、お揃えの可愛い黄緑色のキャップを被った二人連れの人が入って来られて、何となくの会話になる。
脚の体操などの話になって、私たちが一つの露天風呂からもう一つの新しい露天風呂に行こうとしてそこを通ったときには何やらにぎやかになっていた。いつものメンバーかな?
そう言えば以前毎日来ていたときには、ある夕方、小学校の先生の引退され方々がにぎやかに一緒に来られていて、お風呂場の天井に響くほどの楽しさだった。

横に座っていた私に向かって、

あんた、引退したら風呂が一番の楽しみ。あんたこれ見て、私、天パなが。パーマ代、なんぼ節約できたかわからんが。貯めてたら良かったけど、残っとらんが。

なんて、人懐こくしゃべっておられた、どこか同業者の匂いでもしたのかしらん?どうも、

あんた現役やろ?

と言われている雰囲気だった。その方は再会した時にもあれこれ話しかけてくださった。可愛いおばあちゃんだった。

そういう常連さんで楽しい仲間もおられるのかもしれないな。

外の露天風呂が一番私には合った。桶風呂があり、サッサと私だけザッブーン!と入り、

余は満足じゃ!

というように桶に手を掛けていた。
再び露天風呂に入って母と話していた。

ああ、しあわせ。

などと高齢の可愛いお嬢様はおっしゃっている。

そこに先程の可愛いお帽子のお二人が来られて、尋ねられた。

お孫ちゃん?お母さん?

つまりは、私を母の孫か?娘か?という話を中のお風呂でしていたらしい。

娘さんやって。

そやろ?

お一人は、孫だと言い、もうお一人は娘だという意見だったらしい。

お孫さんやったら、えらい固い(お利巧な?)お孫ちゃんやね、って言ってたんよ。

とのこと。要するに孫がおばあちゃんをお風呂に入れてあげるなんて。

とのことだったらしい。

またまた大笑い。

母においくつ?

と訊かれて、即座に84才です、と答える。

あら、そう?お元気よねえ。温泉来られるんだから・・・。

と褒めてもらっていた。

私は、

私、息子が6歳の時に、息子と姉弟に見られたことがあるんです。

とフォローしておいた。娘の母であることの真偽を疑われたことも、奥さんではなく娘さんであろうと間違えられたこともある。

そうそう夫の働いていた支店で、「ねね(赤ちゃん)抱っこした挙動不審の子どもが来た!」と騒がれていたという前科もある。

母は、

私がとんでもなく年に見られたんかしらん?

と気にしている。気にしているのは私の方である。

若いのではないのくらいわかっている。私は幼いのである。どうも大人になり切っていないようなところがあることくらい知っている。
やっていることはそれなりに大人の世界でのことである。でも周りの対応からどうもわたしを子ども扱いしていることが推察されるのである。

ほんの数年前に、中学生にプロポーズされたという自虐ネタもある。
唖然とした話をすると、それはたいてい歯医者さんの歯科衛生士の方とか、クリニックの看護師さんであるが、

自慢ですか?

と弄られていたが、そうであるわけがない。
歯医者さんに行けば、痛いのが怖くてビクビクして大騒ぎし、子どもたちの授業参観で、あまりに楽しい授業だったので、笑っていたら、後ろを振り向いた中学生に、見つめられて、

うるさい!

と注意されたこともある。小学校の算数の授業を聴いていて、楽しくなってほかの保護者と一緒に解いていたら、突然わかってしまい、

あっ!わかったー!

と叫んでしまったら、担任の先生が飛んでこられて、口の前にチョキにしたを当てて、

静かに解いてくださいね・・・。

と注意され、家に帰って娘に謝ったら、

ママはもうっ!

と怒られた。

これでは子どもである。興味関心をもったことには抗えない。

だから、教えていることは、生徒が取り組んでいることよりは難しいことを教えているのであるが、精神年齢はあまり変わらないと自覚している。

若いのではなくて、要するに子ども、もっと言ったらガキなのである。
おもしろそうなことは捨て置けない。
絶対に手を出してしまう。(笑)

その雰囲気が温泉に行っても出ているのであろう。

だからお医者さんに行っても、薬局に行っても、相当しゃべらないようにしなければ、とんでもなく子ども扱いされてしまう。

大の大人に向かって、先生は、

本当のこと言ってください!信じられないなあ・・・。

と自己申告した症状に疑いを掛けられるし(小学生や幼稚園児ではない。)、歯医者さんでは、

怖いだけやろー?大丈夫大丈夫!

と言って、私の扱いだけどうも雑なような・・・。

薬局では、

もう講義は終わったの?

あーら、講義にしてくださってるわ!と喜んでだのもつかの間、

まーた難しそうな本読んでるねえ。(ここまで大丈夫。)

最後に、

何の本、読んでるんだい?

と決められて、あーら、今日も最後はカッコよくはいかなかったわね!とがっくり来る。

どうもやっていることと内面がつじつまが合わない。
やっていることに合わせて、少しは落ち着いて、内面も大人になるか、内面に合わせて、もう少し無邪気な仕事をするか(この年になって無邪気に仕事している人などいないかもしれない。)、どちらかにすれば?と、人間関係に悩んだ、漱石大先生のように、大いに悩んでしまう。

が、このギャップがおかしいらしい。

そう言えば、娘も息子も、生まれて数か月の、まだハイハイもできなくてお座りするのに、ちょっと移動できるようになっただけの頃に、本当に同様に、おむつ替えの時に、サーッとあっちに行ってしまって、うっしっし・・・、という顔をして、私を見つめてせせら笑っていた。へっへっへ。逃げてやったぜ!という顔つきで、何やねん!?と思わされた。

おしっこの時だから良かったものの、これがウンチだったら、カーペットはどうなっていたことだろうか?と何度考えたことだろう。

とりあえず赤ん坊にまで揶揄われていた。

相手は私という人間をよく見ている。そしてその場に合ったやり方で私を揶揄うのである。

憮然としつつ、納得せざるを得ない私・・・。

というわけで、温泉のおばあさま方の私へのお孫ちゃん疑惑は、大いに経験済みである。

でも、ほんっと久しぶりだった。

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