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介護される精神障害者の私の仕事は介護のお仕事

私は精神福祉手帳2級、障害支援区分4を持つ26歳女
私は介護を受けながら生活している
そんな私の仕事は"生活介護"

障害者総合支援法における「生活介護」とは、常時介護を必要とする障がい者が主に昼間において施設などで入浴、排泄、食事の介護や創作活動、生産活動の機会の提供などを受けることを指します。

https://kaigoworker.jp

1.障害者が障害者を介護?

話は7年前に遡る
私は19歳で煙草を1箱飲み、精神科に連れて行かれることになる


私は摂食障害と境界型パーソナリティー障害と双極性障害という診断のもとこの7年間闘病をし、多くの支援者に恵まれ支援され、仕事が出来るくらいまでになった

そんな時選んだのが、"生活介護"のお仕事だった

2.職場との出会い

地元から県をまたいで引越し仕事を探していた時に、求人サイトで募集を見つけた
募集要項には、経歴・資格不問と書いてあり直ぐに履歴書を書いて面接へ行った
土地柄もあって今までの地元では考えられないほど、社長も管理者もほとんどのスタッフが外国の方だった

面接で私は、

「私は今まで支援される側の人間でした。そして多くの支援者に恵まれ仕事が出来るまでになり、次は自分が支援者になりたくて。病気を経験し支援されてきた自分だからこそ出来ること・分かることがあると思っています!!」

と言った

管理者の女性は今会ったばかりの私に涙を流しながら、ここは貴方にはピッタリねと言いその日から採用になった
その日利用者さんはとてもキラキラした笑顔で歌を歌ってくれた
自分が生きてきた地獄のような真っ暗な日々と正反対の、天国のような純粋無垢なキラキラした笑顔だった

3.社長と管理者の対応

私が勤め始めた事業所は精神障害より知的障害や難病の人たちが多かった
私は直ぐに車椅子の方のトイレ介助や歯磨き、食事介助など教えてもらい、一生懸命覚え、みんなの名前も必死で覚えようとした
 「自分だからこそできることが」なんて強気で言っときながら何も出来ない、何も知識がない自分に幻滅した

そんな時社長が、
「あんま頑張らんといて~頑張られたら僕たちが困るわ~僕はしっかりするところだけしっかりしといて後は適当や~僕は教科書は嫌いやねん、その人その人みんな違って同じ人なんていないし、自分で関わって学んでいって」と言った
管理者に、
「利用者の子たちとの関わり方やどういう性格なのか知りたいです」
と聞いたら、
「病気とかのことは知っといて欲しい、どういう子かはここで長く働くスタッフに聞いたり利用者さん達と実際触れ合って知っていってあげて 名前は何度でも利用者さんに聞いたらいいね、みんな優しいから何度でも教えてくれる」
とにかく利用者さんを大切にしてあげるということで、社長も管理者も利用者さんに愛が溢れた関わりをしていて私は素敵な会社だなと感じた

4.もう辞めたい

入社して3ヶ月、利用者さんが私の対応でパニックになった
私はうまくできているのか?私は障害を持っている人たちとちゃんと関われているのか?
毎日仕事へ向かう足取りが重くなる
仕事に向かうのに足を引きずり涙を流し向かう
限界…
私は辞めたいと思った
無理だと思った

そんな時、社長と管理者とスタッフの看護師に泣きながら
「話があります」
と言えた

「明日から来る自信がもうありません」

すると、
「頑張りすぎ 貴方が壊れてしまっては意味の無いこと 壊れるくらいなら絶対辞めた方がいい 来れないなと思ったら休んでくれたらいいし、辞めてもいい でもそれは今考えなくても、明日の朝行けそうなら来てくれたらいいし、駄目なら休んだらいい その時考えて 
貴方は、貴方だからこそ凄く素敵な支援者なると思う
相手を障害者だと思うから難しく考えてしまう
みんな自分たち(健常者)と同じ人間で、人間は誰しも相性が合う人もいれば合わない人もいる それは障害者だからとか関係の無いこと 
貴方が笑っていれば利用者さんも嬉しい

そう言って社長は、
「カフェに行ってきな、ちょうどお金がポケットにたくさんある」
とポケットから1円と5円ばかりの小銭を手に持たせてくれた

4.スタッフの雰囲気

スタッフは外国人が多く、少し高齢に見えるスタッフもいた
ここの事業所のスタッフで共通していることがある

みんな他のスタッフの仕事に口出ししない
プライベートな私語も殆どない

雰囲気はアットホームで利用者さんのことで笑ったり話したりはあるのに、スタッフ同士の個人的な会話が殆どなく、人の仕事にみんな口出ししない
それなのにスタッフの仕事には統一性がしっかりある
スタッフみんな素直で思いやりがある人ばかりで少し衝撃を受けた
ここの建物の中にいる人も空気もとても綺麗で、今まで澱んだ息がしずらい空気にいた私にとって、綺麗すぎた
作業をしながら涙が勝手に出た
仕事の人間関係に嫌なイメージしか無かったから

不思議なところね

5利用者さんのえがお

実際に重度の知的障害の人や難病で身体が麻痺している人と関わるのは初めてだった
どのように声かけしたらいいのか、恐る恐る敬語で必死に喋ってみた
そしたらみんな裏表など全くない笑顔で、私を見つめていた
話せる子話せない子はいるけれどみんな表情豊かで
初めは何を話してくれているのか聞き取れなかったことが多かったけど、今では言葉になっていなくても何を伝えてくれているのかがよく分かる

素直な気持ちを私にぶつけてくれる
私も素直な気持ちでお話できる

自分の自己紹介がいっぱい書かれたお手紙
似顔絵と大好きと書いてくれた紙の端切れ
「好きよ明日も来る?」と毎日聞いてくれる声
「だーーいすき」と車椅子が倒れるんじゃないかと言うほど嬉しくて揺れている姿

どれも私の過去を肯定してくれる宝物
過去の辛さが今に導いてくれた

6.職場の理解

私は現在自分の障害と特性について社長や管理者、上司に話している
でも、話しても表情ひとつ変えないで、
「そんなこと気にしないし、貴方という人間を採用したから病気とか関係ない」
と言ってくれる

私の体調に合わせて自分のペースで出勤させてくれることにとても感謝をしている

どんなに休んでも仕事に行くと入口で私の姿を見た利用者さんが笑顔で走ってくる
「しんぱいしてたよ~!!」
なんて言いながら

自分の生きる場所
私を待っていてくれる必要としてくれる


見つけた🌸

私は介護福祉士になって
この道をこれから歩いていく

この職場とともに…🍀













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