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腸とは何か?

【腸】
 腸には、大腸と小腸があります。その役割は、食べ物を細かくしながら、腸内を移動させることです。食べ物は、腸の「ぜん動運動」によって移動しています。ぜん動運動とは、収縮を繰り返す運動のことです。それが鈍いと便秘になります。便秘とは、便に含まれる水分量が少なくなり、硬くなることです。水を飲むことで、それを改善することが出来ます。ただし、水分が多すぎると下痢になるので、飲み過ぎも良くありません。
 腸は「神経細胞」の数が、およそ1億個と脳に次ぎます。そのため「第二の脳」と呼ばれました。 腸は、脳や神経とも密接な関係があり、感情などにも影響を与えるとされています。生物の進化の中で、腸は、比較的古い器官です。はじめに、まず腸だけの生物が生まれました。その腸の神経の先が変化して、脳が出来たとされています。

【小腸と大腸】
 小腸は、食べ物を消化し、栄養を吸収するところです。栄養を効率よく吸収するために、内部には「柔突起」と呼ばれるヒダ状のものが付いています。ヒダ状なのは、その方が表面積が大きくなり、効率が良くなるからです。小腸は、消化管のうち約80%占めています。消化管の役割は、食物を分解し私たちの体で使えるようにすることです。小腸内の食物は、約8時間掛けて消化が進みます。 それに対し、大腸での滞在時間は、約10時間前後です。栄養を吸収された食物の残り滓は、小腸から大腸に運ばれます。
 大腸の役割は「水分」や「ミネラル」を吸収することです。その動きは、自律神経によって、コントロールされています。自律神経とは、自分の意思とは無関係に働く神経のことです。また大腸には、便を作る働きがあります。便が固形になっているのは、大腸で水分が吸収されているからです。大腸での水分の吸収が不十分だと「軟便」や「下痢」になったりします。ちなみに、大腸が1日に吸収できる水分の量は、最大で約6Lです。

【免疫】
 腸は、つねに異物と接しています。そのため、もっとも外敵にさらされやすい場所です。腸には、外敵から体を守る門番の役割があります。その役目を担うのが「免疫」という機能です。体内の「免疫細胞」のうち約60%以上が腸に配備されています。そのため、腸は、免疫力をコントロールしている人体最大の免疫器官「臓器」です。
 食べるたびに、次々といろいろな細菌が取り込まれてきます。ただし、その細菌が敵であるか味方であるかは分かりません。最近の研究によると、免疫細胞に、それを学習させているとされるのが「腸内細菌」です。腸内細菌は、そうした免疫細胞を育成しています。腸内の免疫細胞が活発に働けるのは、腸内細菌が存在しているからです。

【腸内細菌】
 腸内細菌の生息場所は、小腸から大腸にかけてです。人間の場合、約400種、1000兆個ほどだとされています。もともと人間は、胎児の時には無菌状態でした。ただし、成長していくと、口や鼻から少しずつ細菌が入り込みます。そのうちで腸内に住みついたものが腸内細菌です。人体には、必要な細菌だけを選んで、住み着かせるという仕組みがあります。その腸内細菌たちを養っているものが、日々、私たちが食べているものです。腸内細菌には、善玉菌と悪玉菌があります。健康の維持には、腸内細菌の一定のバランスが必要です。そのバランスが悪いと便秘や下痢、免疫力低下につながります。

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