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超弦理論とは何か?


【超弦理論】 

  超弦理論は、相対性理論に続く、時空概念の第二の革命です。しかし、超弦理論は、仮説であって、実験的には検証されていません。超弦理論は、自然界の全ての力「相互作用」を、数学的な表現で統一しようとする試みです。この理論によって「重力」「電磁力」「強い力」「弱い力」の四つの相互作用を統一的に記述することが期待されています。重力は他の力と性質が異なるため、これまで重力を取り込んだ、力の統一理論はありませんでした。重力以外の力は、量子力学として、すでに完成しています。超弦理論は、重力を取り扱うことが出来ると期待される量子論です。 

 【弦】 

  これまで、素粒子は、点だと思われていました。しかし、あらゆる素粒子を1次元の広がりをもつ一つの弦「ひも」に置き換えるのが超弦理論です。超弦理論では、構成要素を素粒子という点ではなく、たった一つの弦で表現します。この弦は、極めて小さく、宇宙の最小基本要素です。自然界の全ての物質は、この弦からなっています。弦は、観測が不可能とされているので、発見はされていません。 

 【振動】

  素粒子は、震える弦のような存在です。同じ弦の振動パターンの違いによって、17種類の素粒子が分化します。超弦理論は、弦の振動の仕方で、全ての素粒子を説明する理論です。弦の振動状態によって、エネルギー「質量」が異なります。質量の本質は、弦の振動エネルギーです。弦の振動状態で、エネルギーが低いものは、すでに認識されている粒子に相当します。また、自然界の四つ力も、超弦の振動の違いで分かれます。

 【相互作用】

  超弦理論の目的は、自然界の4つの相互作用を統一することです。相互作用は、弦がくっついたり、切れたりすることによって起こります。4つの力のうち、重力だけは、他の相互作用とは性質が同じではありません。端のある開いた弦は、光子を含む、量子力学によって記述されますが、端のない閉じた弦は、重力子を含む、重力理論「一般相対性理論」によって記述されます。 

 【次元】 

  自然界の4つの力は、全て10次元空間での弦の振動によって生じます。次元とは、空間の広がりであり、動くことが出来る座標の数です。超弦は、10次元空間にあると想定されています。現実の我々の世界は、4次元空間です。4次元空間は、時空とも呼ばれています。超弦理論では、私たちが認識出来ない6次元を想定し、その6次元は非常に小さな領域にあるとしました。

 【超対称性】

  超弦理論の「超」とは、超対称性のことです。超対称性では、フェルミ粒子「物質粒子」とボソン粒子「力を伝える粒子」を置き換えても、対称性があると予想されています。超対称性は、4つの力を統一するために取り入れられた理論です。超弦とは、超対称性を備えた弦という意味になります。


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