金銭的な対価のためだけではない、プロフェッショナルな仕事(ナイブズアウト)

映画「ナイブズアウト」を観ました。

毎回、映画を観た後に、考えた事、良いなと思った劇中の音楽や俳優陣、今度見て観たい関連作など、何かしらの記録を残している。

「ナイブズアウト」を観て、面白い脚本で、2時間楽しんで、今日は何を書こうかなと作品について色々と調べてみた。

「ナイブズアウト」に出てくるマグカップの秘話、同時期に公開された映画「パラサイト」との比較、タイトル「KnivesOut」の書体についてなど、本作についての情報はインターネット上に溢れていた。

何かに注目してもう少し深く調べてみたいなと思いながら、何気なく公式サイト上インスタグラムへのリンクを開いてみた。

映画の公式インスタグラムアカウントが出てくるかと思っていたが、それは本作配給会社「ロングライド」のアカウントだった。

そこで、この作品が、ロングライド社による配給作品だと知った。

映画業界の事をよく知らないので、ふと、映画の配給会社はどのような仕事をしているのかや、このロングライド社はどのような会社なのかが気になった。

そこで、ロングライド社のWebサイトをじっくりと見てみることにした。

すると、ロングライド社は、「ナイブズアウト」のほかにも、「家族を想うとき」や「わたしはダニエルブレイク」などのケンローチ監督の作品を配給している会社だとわかった。ちょうど去年の今頃「家族を想うとき」を観て、印象的だった。貧困や分断などの社会課題をテーマとし、感情と思考に刺激を与える、映画の描き方に魅かれて、ケンローチ監督の作品はすごく気に入っていた。

映画「家族を想うとき」を知ったきっかけは、たまたま新聞の書評欄かなにかで、最近普及が急拡大しているUberやLyftなどのスマートフォンアプリを使ったサービスを利用する雇用形態の闇、貧困や分断について描かれた映画として紹介されていたことだ。映画館で「家族を想うとき」を観て、ケンローチ監督の他作品もきになったので、「わたしはダニエルブレイク」という作品も続けて鑑賞した。

ロングライド社では、「わたしはダニエルブレイク」も配給しているが、本作の収益の一部を寄付するという取り組みもしていると知った。

では、そんなロングライド社の代表はどのような方なのか。ロングライド社代表の波多野文郎さんについての記事を読んでみた。

波多野さんのインタビュー記事中で、「なにかやりたい事があれば自分でやってみる」という価値観や「法人名が無いとやりづらいから手段として会社を設立する。今でも会社を大きくしようというつもりはない」という考え方に共感した。

映画「ナイブズアウト」で描かれていた看護師マルタは、お金持ちではないけれどラベルを見なくても2つの液体の薬の微妙な違いが分かるほどに優秀なであり、自分を犠牲にしてまでも他者を救おうとする優しい人物であった。

マルタの人格は、親の資産に依存して、エゴまみれで、最終的には資産家のハーラン・スロンビーから一切の財産を受け継げなかったスロンビー一家と対象的である。

主人公マルタや本作配給会社の波多野さんのように、金銭的な対価のためだけではない、プロフェッショナルな仕事をすることで自分の人生をより豊かにしたいと感じた。