「リベラル」と「パターナル」
言葉には、時代やそれを扱う領域によって、その意味づけに揺らぎが生じます。
例えば「リベラル」。これを政治的な意味合いでは「自由な」「自由主義の」「進歩的な」などと訳され、穏健な革新を目指す立場を指す言葉になります。この反対語は「保守」。米国ではこれがぴったりなようですが、昨今の日本に当て嵌めるには、ちょっとしっくりときません。
というのも現在の日本では、「リベラル」の立場を標榜する陣営よりも、「保守」の立場を標榜する陣営の方が、現在の様々な在り方に、ゴリゴリと手を加えようとしているように映るからです。
ところで「リベラル」には、もう少し一般的なところで、「寛容」や「多様性」という意味合いがあります。この場合、反対語となるのは、「権威主義」と訳される「パターナル」なのだそうです。
本来、政治の世界とは重ならないはずのこの対比ですが、このところの日本の政界を窺がっていると、なんだかこれがしっくりとくるような気がしてなりません。個人的な気のせいであればよいのですが…。