見出し画像

2023年1月のHILLOCK ART LAB

◎もうすっかり正月気分はぬけましたがおめでとう
◎いつまで正月?
◎俳句でも一句読むとしませう
◎ってかHAIKUってなによ?
◎松尾芭蕉を憑依させてみる(なってみる学び)
◎合作俳句は巡り合わせの奇跡の妙(霊験)
◎言葉というものから立ち上がり広がる風景
◎自分と他者の豊かな解釈

_________

鎌倉時代中期に始まったとされる歌会を、21世紀の最先端をいくHILLOCKで、詩人の上田假奈代さん考案の「合作俳句*」手法でやってみたよー。

_________

*合作俳句とは5.7.5の俳句を3人合作でよむ手法
次のようにして行いました。

・最初の五文字をひとり目のひとが書く(詠う)

↓全員分を集めてシャッフルして配る

・受け取った一行目に続く次の七文字をふたり目の人が書く(詠う)

↓全員分を集めてシャッフルして配る

・受け取った一行目二行目に続く次の五文字をさんにん目の人が書く(詠う)

↓三行目を書いた人がその俳句を読む

↓即!間髪入れずに読まれた俳句のいいところをみんなで褒める!

↓場に生まれた空気と共に俳句を味わいながら湧いてきた思いを手放す

__________

1月19日のHILLOCK ART LAB

「正月だねぇ。明けましておめでとうございますー」というミロとゆにおに
「もう正月じゃないよー。もう普通だよ」とヒロックキッズ。

えええそうなの?普通ってなんだ?そしてもう正月じゃないの?

「正月じゃないでしょ。正月は3日くらい」
「休み中は正月」
「正月は元旦」というひとも。

ちょっと考えていたK君は
「正月って月って書くから、いち月は正月かも」とエビデンス付きで考えを伝えてくれます。

いつまで正月かね、松の内って聞いたことある?なんて話をしていると

「正月はいいけど今日は何やるの?」とMさん。

お正月は、ミロはどうしても俳句歌会がやりたくなるの。それもね合作俳句って言ってね、何人かでひとつの俳句を作るんだ。それどうかしら?と提案。
ところでね、俳句って聞いたことある?とあらためて聞く。

知ってる人もいれば知らない人も。

知っているというひとに、さらに「何があったら俳句かなぁ?」と俳句の定義を聞いていくと
「なんか、5文字と7文字で組み合わせる」とか
「詩みたいな感じ」とか出た中で
「松尾芭蕉」という人が。

誰それー?知らなーい!という声があちこちから上がると、与平さんがこの人だよーとデバイスで調べて画像を見せてくれました。

その画像を見せると
「知ってるー」というひとが8割ぐらい。

松尾芭蕉と俳句、奥の細道の話を少しして、せっかくなので、芭蕉になりきってみよう!ということで芭蕉が愛用していた宗匠帽をつくってかぶることに。

衣装を身にまとうと、そのものになり切れる「なってみる演劇手法」を取り入れて俳人を自分に引き寄せます。


みんな宗匠帽を頭に乗っけていざ合作俳句。

すぐに言葉が決まるひと。思い巡らせてなかなか言葉が決まらないひと。
前のひとの言葉に続けるひと。ひとひねり入れるひと。
言葉にはしないならない「何か」を受け取って折る作業は自分という存在の
境界の曖昧さを浮かび上がらせて滲ませていきます。
巡り合わせの奇跡の妙。
そして
ひとつの俳句から読み取る生まれる世界は、様々。
大笑いしたり、ほろりとしたり。
それぞれの世界を慮りながら、自分と他者の世界を互いに散歩する鑑賞の時間。




「さくらの木
 おはなみしたいな
 はなをみた」

例えばこの句では、以下のような読み解きがありました。

・さくらの木をみて春になったらお花見したいなーと思っていたら心の中にお花が浮かんできて、実際には桜を見てないけど、心の中に桜をみたんだと思う。

・さくらの木を見て春になるといいなーと思ってお花見のことを想像してる。

・さくらの木に、本当に想像のさくらの花が見えてきたんだと思う。実際にあるみたいに見ているさくらの木(花がないけど)に花が見えてる。

・さくらの木を見て、お花見したいなと思いなながら、そばにあった実際の別の花を見て、その花を見ながら桜のことを思っているんだと思う。

・花は咲いてないけど、さくらの木の中には春になったら見える花が入ってる。

・この紙の色が、さくらみたいなピンクだから、さくらの木をこの紙の色に見ているんだと思う。

などなどなど。

みなさんには、この俳句を通じてどんな風景が見えていますか。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?