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9/17 ホストクラブへ

本日9月17日、ホストクラブに体験入店をすることになった。「どうして……?」と思われるだろう。僕もそう思う。これからそこに至るまでの経緯を書く。きっと読み終われば誰しも「どうして……?」が「頑張って……」に変わるはずだ。

 2年間インタビュアー・ライターとして勤務していた会社から契約破棄を申し付けられたあと、僕はいくつかの企業にインターンシップを申し込んだ。その中の一つに、歌舞伎町でホストクラブ、飲食店、介護サービス、アートギャラリー、美容、書店などの事業を展開するグループ企業があり、僕はその「書店」に興味を持ち、ちょっと説明会を聞きに行ってみることにした。これが、先週のことだ。

上の記事を読むと、どうやらホストではない書店員もいるようだったしコンセプトもなんか面白いなと思ったからだ。

というわけでインターン紹介サイトを使って御社に興味がありますとの連絡を行ったところ、「9月8日に説明会を開催することになりました。つきましては、そちらへの参加は可能でしょうか?」的な文言が送られてきた。なら説明を聞きに行こうと決めて承諾した。説明会である。面接ではない。しかし実際のところあれは面接だった。これはいったい、どういうことか。

当日、僕はそもそも遅刻していた

18:00に事務所まで来るように、という連絡を受けていた。なのでまぁ、1時間くらい前に動き出せば良いだろう……という甘い見通しが僕を遅刻させた。事務所についたのは18:20だった。

だいたい1時間くらいの説明会だ、という話を聞いていたし、まぁ30分聞ければ良いかと思い、遅刻のことは置いといて事務所を訪れた。中に案内されて入るとなるほど説明会が行われていた。説明会が行われていた。説明会……?が行われていた。部屋にはきちんと時間通りに来た学生らしき女性が1人座っており、彼女と机を挟んで向かいに社の人間と思しき3人が座っていた。「これは説明会ではなく面接では」と思った。説明会というのは複数名の参加者がいて、長机に座った彼らにホワイトボードの前に立った社員が一人授業よろしく社の紹介などをするものではなかったか。要はこういうものではなかったか。

が、今回は違った。こんな感じだった。これ面接では?

遅れてきたことに関しては、案外何も言われなかった。一番地位が高いであろう男性が「じゃあどうしようかなぁ……あっちでここまでの説明お願いできる?」と右隣に座っていた女性に頼み、僕は別室でそのグループ企業が手がける各事業の説明を聞き、またはじめの部屋まで戻ってきた。

僕が席に座って少し経つと、先の男性が僕と、もう一人の女性参加者に興味のある事業を訪ねた。その問いにひとしきり答えると、彼は「じゃあ、スケジュール今決めちゃおうか」と言った。なんのスケジュールか。インターン参加日のスケジュールだ。え?説明会なのに?説明会といえば、企業側は自分たちの事業やインターンシップの内容を紹介し、学生側はそれを持ち帰って資料などを見ながら検討するものなのでは……?スケジュールを決めるということは、僕はこのインターンに参加することが既に確定しているのか??

どうやら確定していたらしい。「一旦帰って検討したいんですけど……」と言うことも考えたが、遅刻した分際でそれを言うのも憚られたし、なんとなく言いづらくて僕はこの会社でインターン生として勤務することになった。遅刻は良くない。

さて、先ほどこの企業についてホストクラブ、飲食店、介護サービスなどの様々な事業を展開しているグループ企業だという風に書いたが、自分は話の成り行き上、まずその看板事業である「ホストクラブ」で勤務することになった。なんでだ?体験入店という形である。目当てだった書店事業は現在凍結中だった。(残念!)

しかし、自分にホストなどできるのか。派手でも綺麗でも無い地味な外見だし、話すのも得意ではない。政治の話とかならいけるかもしれない。「今年は代々木(日本共産党)の100周年ですよね」とか。あとなんだろう。「日本の国体とはなにか」とか。日本の国体ってなに?僕にもわからない。

事務所から帰ろうとすると、さっきの偉い感じの男性が事務所の全員に「この子17日からインターン生として来るから!よろしくね!」と、僕を盛大に紹介した。ここまで外堀を埋められては後戻りできないぞと観念した。そのうち僕の顔写真が載った看板が出るかもしれない。謎ポエムつきで。「この地にこっそりが悪魔が降臨したことは──世界中に教えたい、内緒の秘密──」とかにしよう。

やっぱり嫌だ。就職しようとは思っていないし、そんなことにはならないだろうけど。

まぁ、とりあえず行ってみる。ひぇー。

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