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データは★4ぐらいの武器でしかない説

日々データというものを分析・解釈して、経営陣に報告や提案をする仕事をしてきてわかったことがあります。

データは★4ぐらいの武器でしかない説

本日はこちらの説を検証していきたいと思います。

ちなみに★4はドラクエウォークで言うなら(最近ハマっている)セラフィムの槍ぐらい。実践では初期しか使えないけど、さみだれづきは有能。でも間違っても★5では無い。

大乱闘スマッシュブラザーズで言うならゲームキューブ以降のネス。意外とPKサンダーに頼らなくてもそこそこ強いんだけど、ガチ勢のサムスとかカービーに秒で殺される。

話がずれそうになったので、時を戻そう。

なぜデータは★4なのか。それは2つの側面から検証できると思っています。

側面1.データの解釈なんて如何様にもできる

データってそれこそが真実で揺るぎないものであると捉えられがちなのですが、全然そんなことないと思っています。見せ方、切り取り方、捉え方で大きく解釈を変えることができます。

以下、私が仕事をしてて良く出会う例です。

a.見せ方の例 ~縦軸歪ませの術~

以下の例は極端ですが、同じデータでも見せ方一つで意思決定が180度変わるケースを実際によく見ます。

左) 緩やかに増加してます(・・・ボソッ) 

右) うなぎのぼりです!!(ドヤァ)

あれれれぇ~?蘭姉ちゃんこのグラフの左側がなんかおかしーよぉー。てことがよくあります。

実際某通信会社さんの決算資料なんてグラフの目盛りを隠して資料化しちゃったりしてますからね。そして多くの人が実際に見間違いをしています。 

b.切り取り方 ~恣意的時期選択の術 (直球)~

よく「ユーザー規模教えて~」とかさらっと言われるケースがめっちゃあります。(アナリストを怒らせる言葉堂々第1位)

いや、WEBで環境用意してっから。お前が席まで歩いてくるその15歩の間に2回クリックすれば見れっから。わざわざ提出させんなや。ていうかいつのなんのデータがみたいの?ねぇ?定義はねぇ?頭から食べちゃうよ?

と思いながらサラリーマンなので数字を出したりするわけですが、たとえばスポーツとかって開幕と閉幕がありますよね。

その時ユーザー数を大きく見せたければ野球のクライマックスシリーズのときのユーザー数が出され、小さく見せたければシーズンオフ中のユーザー数が出てくる。

小学生以来スポーツをしてない私みたいな人は簡単に騙されます。

他にも最近で言えば増税前後や、天気状況、特売日、ポイント還元を始めた日などなど選ぶ時期によって数字は大きく変わります。

そんなん簡単に見抜けるし~と思っていても、前提知識がない人は意外と簡単に騙されてしまいます。

c.捉え方 ~定義変更の術 (ド直球)~

基本的にデータを出すときはそのソースを出典として記載しますが、たまにサラッと目を疑うような記載があることがあります。

「〇〇売上を除く」とか「〇〇は対象外とする」とか、「〇〇のデータから推計」とか、、

いやその推計の仕方教えて?ねぇ?どんな夢を見たの?どんなドリーミーな推計したら元データとこんな違くなるの?ねぇ完全感覚Dreamerなの?

ってことがります。そういう場合に限って資料の下に8ptぐらいのもはや人の目では捉えられないレベルの大きさで出典を書いている傾向があります。

上記がデータの解釈なんて如何様にでもできるを裏付ける要素です。

もう1つの、データは★4ぐらいの武器でしかない説を裏付ける側面が以下です。

側面2.データは過去しか語らない

データがあるということは、それは既に過去のものということです。特に私が普段データを元にした提案をする相手は経営層です。経営層の仕事は意思決定をすることですが、中でも未来の意思決定をすることが仕事です。孫さんレベルにまで行くと300年先を見通して日々意思決定をしていますよね。

データ(過去のもの)から予測できる未来のことなんて、殆どないんじゃないかと思います。

会社のとある看板サービスは10年以上赤字でしたが、今や誰しもが知る稼ぎ頭のサービスになっています。その当時に10年後会社の売上の大部分を占めているサービスになっていると予測できた人は殆どいないでしょう。

私が2年前くらいに作った5年後の事業中期計画を改めて見てみると、は?お前も完全感覚Dreamerか?と自分に言いたくなりますし、ここ1年くらいで競合調査の対象はアメリカ企業ではなく中国企業になりました。来年はサンフランシスコとか出張したいっす~☆(キラッとかほざいてた私は結局上海に出張に行くことになりました。

特にIT分野で将来を予想して意思決定をするのは至難の技です。過去のデータが役に立つケースなんて非常に少ないんじゃないかなと思っています。

以上が、データは★4の武器でしかない説の主な理由になります。

データは捉え方次第だし、未来は予想できない。

・・・じゃあ、データで経営層の意思決定をサポートする仕事って何してんの?死ぬの?って思ってきます。

経営企画とかアナリストとか事業推進とかコンサルティングとかそんな名称がついている部署の人達はどう生きていくべきか。私の答えは以下です。

(データを使って)自分の意思を主張し、経営判断に役立てる。

ということです。

軒並みな回答オブ・ザ・イヤー受賞ですね。

ただ本当にこれに尽きるのかなと思います。
データは★4ぐらいの武器なので大事なのは、何を提案するか。自分はどう思うのか。経験とか勘とか意思とかが大事なんじゃないかと。

データが何も無い意見はただの戯言ですが、データがある場合、意見は切れ味を増す武器になります。

ありましたそんな名言。

理念なき行動は凶器、行動なき理念は無価値

言い換えるなら、

データ無き意見は凶器、意見無きデータは無価値

データは★4ぐらいの武器でしかないですが、自分の意見を組み合わせれば★5の武器になるのでは。と私は思います。

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