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[104]江蘇省における一帯一路戦略の日本での実情

江蘇省の中国秘密警察について調べていましたが、残念ながら新たな場所に関する情報は見つかりませんでした。
代わりにきな臭い物を見つけてしまいましたので、今日はそのことの紹介です。

記事の紹介

http://www.ycswtzb.gov.cn/html/1317/2019-08-22/content-1543.html

(2019年)8月20日午後、(江蘇省塩城)市委員会常務委員兼統一戦線工作部長の王荣は、日本江蘇総会会長・全日本中国人博士協会名誉会長・法政大学理工学部長の李磊(Li Lei)教授、米国大華府塩城同郷会会長・塩中海外同窓会会長の徐敏博士と会談した。

塩城市委員会統一戦線工作部HPより

え?統一戦線工作部の公式HPにそんなのが出ちゃってるの!?
法政大学の理工学部長が中国の諜報機関の人間と会うの!?
あまりに堂々としていて逆に凄いです。
もう少し記事から機械語訳を抜粋します。

彼(統一戦線工作部長の王荣)は、発展にはすべての当事者の力が必要であると指摘し、江蘇省日本総会と米国大ワシントンの塩城同郷会が、海外の塩城の人々と中国と海外の華僑を団結させるために尽力することを望んでいる.塩城を発展させ、華僑と華僑の力を結集し、塩城をもっと重視し、塩城をもっと宣伝し、華僑の心を集め、華僑の知恵を集め、華僑の力を発揮して質の高い経済発展を促進するそして塩城の社会発展。市党委員会の統一戦線工作部と市の華僑事務局は、華僑が塩城に投資し、協力して発展するための良いサービスを提供し、良い環境を作ります。

Li Lei(李磊)教授とXu Min(徐敏)博士は、今回塩城に戻ったとき、故郷の大きな変化を目の当たりにし、心から嬉しく誇りに思ったと語った。塩城の海外の子供たちとして、私たちは常に故郷を気遣い、故郷の発展に貢献するために私たち自身の利点を積極的に活用していきます

塩城市委員会統一戦線工作部HPより

法政大学の理工学部長(当時?現在は違う方のようです)でありながら、どこの為に動いているか良く分かりますね。

俯瞰して見る

さて、この動きをもう少し俯瞰して見てみます。関連する記事を見つけました。

何れも、日本江蘇総商会設立に関する記事です。先の李教授が訪中したのが2019年8月ですが、その半年近く前の2019年2月末に日本江蘇総商会が設立されています。
機械語訳の抜粋です。

2019年2月末、在日中国江蘇省や江蘇省を気にかけているビジネスパーソン100人以上が集まり、東京に一般社団法人日本江蘇総商会が盛大に設立されたことを喜びました。在日中国大使館総領事の詹孔朝氏、在日中国大使館商務部参事官の景春海氏、日本中華総商会会長の严浩氏、全日華人華僑聯合会会長の刘洪友氏、中国連盟と日本江蘇総会会長の李磊が出席して祝辞を述べた。

日本新華僑報より

日本江蘇総商会の邱富庚会長は、第1回協議会を代表して皆様を歓迎しました。彼は、新たに設立された日本江蘇総商会が日本の江蘇省のビジネス関係者を緊密に結びつけ、江蘇省と日本の間のビジネス、経済、文化、技術交流と協力に新たな貢献をし、発展に新たな活力を注入することを楽しみにしていると述べた。日本では、江蘇省のビジネスパーソンは、ビジネス交流と協力、ウィンウィンの協力を促進するための新しいプラットフォームを提供すると同時に、資金と資金の最適なマッチングのためのプラットフォームを形成します。技術的な才能、誰もがより広い貢献をすることができるように、そしてアイデアと強さを持つ友人は彼らの開発を加速させることができます.

中国侨网(中国華僑ネットワーク)より

つまり、この江蘇総商会の設立と日本江蘇総会会長でもある李磊が江蘇省に訪れた動きはセットだと考えた方が良いでしょう。

繋がる点と点

これらの背景になるのは、先日の記事[96]に書いた2019/1/19に中国共産党江蘇省委員会で発表された論文です。この論文に沿った形で実行されているのです。

要約を再掲します。

・海外華僑は一帯一路を推進するための重要なプレイヤーだと認識している
一帯一路のために、閣僚、知事、市長、大使、評議員、弁護士、技術者、医師、会計士、大学教師、科学者、起業家、芸術家、作家、思想家などあらゆるレベルで活躍する華僑ネットワークを活用する
・コンサルタント、アドバイスと友情を同列に考えて、手段としている
「海外治安プロジェクト」として警察と華僑を連携させる
・文化交流などを通して特に日本や韓国との協力関係を強化する

記事[96]より

となれば、同時に日本においても江蘇省の中国秘密警察が複数設置されていることでしょう。その一つが江蘇省南通市に関係する日本南通同郷会に設置された福岡県糸島市の中国秘密警察なのです。これについては、記事[81][86]にて触れています。

時系列で並べてみます。
2019年1月 中国共産党江蘇省委員会による一帯一路の為の海外華僑活用に関する論文発表(=方針発表)
2019年2月 日本江蘇総商会を東京に設立
2019年8月 日本江蘇総会会長の李磊が訪中し、江蘇省の統一戦線工作部の幹部と面会(海外華僑が協力することを約束)
江蘇省南通市の海外警察もこの頃に南通同郷会のある糸島市の会社”F2”にできた可能性があります。ただし、海外南通警察は2017年から世界中に設置を開始しているようですので、既に設置していた可能性もあります。南通市以外の江蘇省の同郷会でも設置されていると見るべきでしょう。

どうでしょうか?それぞれの点が線に繋がってきましたね。行きつく先は、日本の中国同化です。日本をチベット、南モンゴル、ウイグルにしてはいけません。

日本江蘇総会と日本江蘇総商会の場所

日本江蘇総会の場所は分かりませんでした。
日本浙江総商会 〒103-0014 東京都中央区日本橋蛎殻町2-14-12
でした。

日本浙江総商会の位置

この周辺については、記事[69]にて触れています。

皇居東側の中国人コミュニティーベルト(勝手に命名)に位置しています。

それにしても、見事なまでに戦略的に動いていますね。ちゃんと方針通りに愚直に実行しています。敵ながら感心します。
思いつきみたいに突然「防衛増税」「異次元の少子化対策」などと言いだす我が国は何と情けないことか・・・溜息出ます。

長くなったので、李磊については次回にします。
(つづく)

↓関連記事のまとめです。

#民間情報防衛網 #華僑総会 #日本華僑華人聯合総会 #中国秘密警察 #中国警察日本派出所

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