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【メモ】4-3-3と4-2-3-1の違い

ツイートしても良かったんだけど、長くなりそうなのでnote。ブログでも良かったけど、ブログはちゃんとかっちり書きたいのでnote。

最近、バルセロナ周辺で上がっているのがシステムの話題。クーマンになってから従来の4-3-3(そして4-4-2への可変)から4-2-3-1に基本フォーメーションが変更になり、それに対して4-3-3に戻せや!的な意見が活発な昨今。

まあ、僕自身も今の状況を鑑みるに、4-3-3、厳密に言うと4-1-2-3に戻した方がいいのかなって気がしてる。それが打開策ってよりは、よりベターな選択なのかなって。

じゃあそもそも4-1-2-3と4-2-3-1って何が違うの?って聞かれたら、意外と形的にはそんなに変わらんくね?って思わないでもない。4-1-2-3は中盤が逆三角形で、4-2-3-1は中盤が正三角形ってくらいの違いしかカタチ上はない。むしろ、後ろ中盤2枚の4-2-3-1の方が守備堅そうに見えなくもない。

だけどそれは陣形的なミスリードで、大きく違うのは使われる人。真ん中の中盤3枚(1-2と2-1)の人選と動きが変わってくる。4-1-2-3だと、多くの場合中盤3人は「中盤色の強い選手」が使われる。底の選手は勿論、その前の2の選手も基本役割は中盤。代表選手シャビとかイニエスタとかチアゴとか。

一方、4-2-3-1は2の2人は当然中盤。でも3の真ん中の選手は所謂トップ下の選手が起用されるのがクーマンバルサの4-2-3-1。つまり「アタッカー色の強い」選手が使われるわけであると。コウチーニョとかグリーズマンとか。

ということは、実はクーマンバルサになって陣形が変わったってよりも人選が変わった。これまでは基本、ディフェンス4人、中盤3人、フォワード3人だったバルサが、クーマンになってからはディフェンス4人、中盤2人、アタッカー4人になっている。そりゃバランス崩れるわって。バルベルデが後半どうしても点が欲しい時に4-2-4やってたけど、それを90分間やってる感じだもん。

いや、ちょっ待てよ!バイエルンは4-2-3-1じゃねえか!あいつらアタッカー4人使ってんじゃねえか!と思った方、いますよね。彼らは前4枚がバカみたいに走れる+CB及びノイアー神の守備範囲が鬼なのであのサッカーが実現できるのです。ズルい。2度と対戦したくないです。UEFA、頼んだ。

バイエルンじゃなくても4-2-3-1を使っているチームはちゃんとバランスを保つために工夫している。みんな走るのが当たり前で、そもそも「守備ができない」ってそろそろ死語になりそうな気がする。

一方、バルサにはリオネル・メッシ御大がいて、基本守備貢献がとてつもなく低い。だから、メッシ+アタッカー3人はかなりバランスが悪いのは当然。ブスケツやフレンキーからすると、今まで3人でやってギリ定時に終わってた仕事を、「今日から2人でやってね」って言われたようなもん。クーマン、ブラック企業の上司っぽいし。

クーマンも別に無策ではなく、シーズン序盤はグリーズマンを右に置いて上手くチームのバランスを取ろうとしてたのは確認できたけど、グリーズマンがサイドハーフでダメダメだったから、断念した。っていうのはクーマンの名誉のために一応書いておく。ちなみにそれ以降、クーマンの采配はおかしくなっていった。

じゃあ、そもそも何でクーマンは4-2-3-1を使うのか?って話になるんだけど、これは多分理由が2つあって。

1 オランダ代表で使ってたから
2 2列目の選手が多いから

1に関しては、愛弟子フレンキーを代表と同じく得意なポジションで使いたいってのもあるんだろうし。バルベルデ時代だったかな?フレンキーの起用法に物申してた記憶ある。ぶっちゃけ、フレンキーが活きてるかといえばノーだけど。

そして2がデカい。これはクーマンは全く悪くない。クーマンよりよっぽどブラックな前会長のせい。名前出したくないので前会長って僕は呼ぶことにしてます。おすすめです。

特に厄介なのがグリーズマンとコウチーニョ。彼らは基本的に4-1-2-3に適性ポジションがない。コウチーニョのインテリはバルベルデ時代に失敗してるし、2人ともサイドで良さは出ない。トップ下専用機。そんな彼らだけど1億ユーロ以上をそれぞれ投資しているので、使わなきゃいけない。これは普通に気の毒。

だからまあ仕方ない部分もあるんだけど、でも正直4-2-3-1は危ない。ダブルボランチじゃ守れん!ってシーンがあまりに多すぎる。そんなに守備に長けた選手はバルサにいないし。ラキティッチかビダルどっちかが残ってればまだ可能性はあったかもしれないけどね。

で、ここまで読んでくれた人は何となく気づいているだろうけど、ここまで僕は守備のことを念頭に置いて書いて来て、攻撃のことは一切書いてない。ので攻撃のことも少しだけ。

普通に考えたら、アタッカー4枚の方が攻撃面では強そう。だって攻める人が多いから。って必ずしもならないのがサッカーの面白いところで、特にバルサでは前線に人を多く配置して失敗する場面は結構ある。

メッシは特にスペースが必要な選手で、バルベルデ時代はインテリオールがあんまり上がってこない戦術だったので、ハーフスペース・ライン間使い放題で得点とアシストを量産した。今はメッシが使いたいスペースは結構味方が埋めちゃってて、メッシはかなりやりづらそう。

もし、4-2-3-1をやるのであれば両サイドはサイドのレーンでプレーしなければならないと思う。そうなればライン間で必要以上に渋滞が起こることもなく、真ん中の選手はより多くのスペースを享受できる。

ただ、アンスとデンベレは負傷中で、トリンコンは適応できてない。ということで使えるサイドアタッカーがいないのが現状。あと、難しいのはジョルディ・アルバの存在で、彼は必ず左のワイドのレーンを埋めてしまうので、左ウイングは内側に入らざるを得ない。そして逆はできない。プレーの幅的に。

ってことで諸々考えて、今とりあえず勝ててないし、守備やばいし、ウイングいないし、で一旦4-1-2-3やるのはありな気がするというのが僕の個人的見解。

ま、多分クーマンは4-2-3-1続けるだろうけど。プライド高い人だし。そろそろロッカールームから不満の声が出てこないか心配ではある。。

おわり。

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