ゲイがノンケに恋することはタブー?

ノンケへの恋

ゲイの人ならみんな通る道!と思っていた、『ノンケへの恋』。周りのゲイの友達に聞くと、意外と経験してない人も多いみたいですね。そんな人達からは『実るはずもないノンケに恋をするなんてあり得ない~!!』と言われることが大半でした。

僕はこれまで、4人のノンケに恋をして、それぞれ全滅しています、、、笑 これだけ聞くと、彼らの言う通り明らかにタブーですよね笑

でも、この恋をしたノンケ4人は、青春時代を共にした親友達なんですが、本当に、本当に最高な奴らで、最高な出会いでした。。。


そもそもノンケとは何か、、、


いわゆる、異性愛者、同性愛者ではない人のことですね。ストーレート、とも表現したりします。以下参照

この『ノンケ』に対する価値観や感覚は、同性愛者特有のものだと思います。そもそもこの単語自体、使うのは同性愛者がほとんどではないかな。

価値観なんて、どんな事柄でも人それぞれ!が大前提だと思うんですが、少なからず僕にとってノンケの人は、んんんん、萌え・・・?萌えに近い感覚です。決して性的な目で見てるとか下心を抱くとかでは全く無くて、萌えですね。この感覚に共感してくれるゲイの人は少なくないと思います。

あの無邪気で、時にアホっぽく時に熱い男気!みたいなのが、罪だわぁぁぁぁぁ、、、、ってなるんですよ。。。説明するのが難しいなこの感じ。

今回は、そんな萌え!と言い切る僕が、学生時代にノンケの親友に恋をしたことをきっかけに学んだ色々、そんな内容を書きたいと思います。

後半のまとめでも後記しますが、誤解を招きたくないので最初に断っておくと、『ノンケ』だから恋をしたのではなく、彼らだったから!恋したんです。ここ重要。


初めての、本気の恋

僕が初めて本気で人を好きになり、自分がゲイだと気づいたきっかけは、中学3年生の時に出会ったNとの出会いでした。

Nはどちらかというとおとなしめで勉強熱心。誰とつるむでもなく、クールな一匹狼で、どちらかというと地味なタイプでした。ただとても気になったことがあって、当時Nはテニス部に所属していたのですが、テニス部1のイケメン、Tにべったりだったんです。ただあまりにもそれが自然で、周りの人間が誰もツッコまないくらい当たり前の状況になっていたようです。自分がゲイかどうか悩んでる僕にとってその光景は、とても刺激的で、無意識にNに何か期待するものを感じていました。

中学三年の時に、Nと同じクラスになった僕は、自然と彼と仲良くなり(仲良くなる努力をしていたかも笑)、それこそ毎日一緒にいるようになりました。ただ、明らかにNはノンケで(テニス部Tとのべたべたは何だったんだ!)、男の友情として僕を慕ってくれていたんです。それとは裏腹に、僕の気持ちは次第に高まっていき、恋として確信していきました。そんな自分自身にも不快感を感じ出し、かと言って誰にも相談できないし、けど恋心が消えることはないし、でもNがする無邪気な一つ一つの行動が乙女心(笑)をズタズタにしていく、、、自分の『その年の漢字』を表すことができるなら『辛』で即決でしたね。

そんな状態で月日はめぐり、時は高校受験。Nとは別々の高校に行く選択をしていた僕は、安心と寂しさが五分五分、、、嘘!3割安心、7割寂しい、でした。しかしNがそこでも例の無邪気を発揮し、志望校を僕と同じ高校に変更したのです!やっとこのモヤモヤから解放されると思ったのに、、、でも3割不安、7割超絶ハッピー、でした。

高校生活が始まり、最初の頃は彼を意識して辛い日々でしたが、環境も価値観も代わり、それぞれ別の友達ができていきます。僕は当時組んでいたバンド活動が本格化し、そこで色んな感情を爆発させ発散できいきました。Nとは友達関係は続きながらも、自然と僕の恋心は薄れていきました。その後Nは県外の大学、僕は音楽の道を歩みました。

それから数年後、僕が東京に住んでる時に、久しぶりにNと再会しました。当時僕はゲイとしての自分も受け入れ、友達や恋人にも恵まれゲイライフを謳歌していたので、自信をもってNに会うことができました。その時Nにカミングアウトをし、当時の思いや葛藤を、改めて話せることができました。僕の気持ちのせいで訳も分からなく色々不安にさせたり迷惑もかけたよね、、、ごめんね、、、と。でも彼は全く抵抗することなくいい意味で言及も肯定もせず、

僕にとってHIKOはHIKOだから。HIKOの星座を知ったくらいの事だよそれ。

と言ってくれました。この葛藤を星座と一緒にすなっ!!!!とは思いつつも、でも受け入れ方としては最高だな、、と思ったのを覚えています。

あああ、この人だからカミングアウトできたし、この人だから好きになったんだな。と、Nにも感謝だし、自分の好きにな人選びスキルにも感謝しました笑


東京の地で出会った京都出身イケメン

もう一人だけ紹介させてください笑 彼も大好きなので笑

先も少し触れましたが、僕は20歳から26歳まで、地元沖縄を離れ、東京に住んでいました。当時、下北沢でバイトしながら音楽活動をしていたのですが、その時恋をしたのが、バイト先が一緒だったA。年齢は5歳上で、長身小顔のひたすらイケメン。関西出身ということもあり?気さくでユーモア溢れ、かと言って遊び人ではなく律儀で男気もあり、とにかく皆からも大人気の人でした。最初は全く興味もなく気にもとめていなかったのですが、家が近く帰りが一緒だったり、関西特有の良い意味での軽やかなノリが僕にはとても居心地がよく、自然といつも一緒にいるようになりました。気持ちに気づいたのは仲良くなってきた当初、スタッフみんなが僕を苗字で呼ぶ中、Aだけがニックネームで呼び出したんです。ここでも発揮されたノンケ特有の無邪気さ、、、笑 罪だああああ。。。

お互いのシフトも把握して休みでも退勤に合わせて迎えに来てくれたり、休みの日はドライブしたり、お酒を片手に4時間かけて歩いて家まで帰ったり、同じタイミングで同じ最寄り駅に引っ越したり、周りから見てもカップルか!と言われるくらい、とにかく何をするにしても一緒で、あの時は本当に最高な日々をおくっていました。後から聞いた話ですが、共通の知り合いが、当時彼に『東京にきて一番大切な人は誰か?』というなんの意図か分からない質問を投げかけたら『確実にHIKOやな、最高の出会いになったわ!』と言ってくれたらしく、、、はい出たーーーその無邪気さっ!!!!笑

その後も楽しく過ごしていたんですがやはり辛いのは、叶うはずのない恋心と、彼の無邪気な友としての愛とのギャップ、、、学のない僕は、Nと時と同じように、理不尽な態度や不安を露わにして、Aに迷惑をかけていたと思います。

それから、僕は少しずつゲイの友達も増え、恋人になる人とも出会ったり、少しずつAに対する依存心が和らいでいきました。そんな中、久しぶりにNと宅飲みしているときに、ひょんなきっかけでカミングアウトと、好きだった気持ちを伝えることができました。Nの時と同様、Aはすぐに受け入れてくれて、

どんな形であれ人から好かれることは嬉しい事だし自信になるな、ましてや最高なHIKOだもんな!HIKOの理想の形で応えられないけどありがとうな!

、、、これまた、最高な奴、、、だから好きになったんだよな、、、、そしてそんな最高なやつに最高と思われる僕、すごいな、、、笑 と思えたんです。

その後、カムアして3年たった頃に、僕は沖縄に戻りました。そして沖縄に帰ってきて更に3年くらいたった時、Aが結婚式をするということで、余興で僕に歌ってほしいとお願いしてくれたんです。Aの人生の一大イベントで余興という貴重な枠で僕をチョイスしてくれたこと、そしてその気持ちに貢献できたことは、僕の人生にとっても大切な経験の一つとなりました。

こういう人だから、好きになったんだなーと、、、、笑


”人”を好きになっているだけのこと

他に好きになった親友にも、カミングアウトと気持ちを伝えた人もいて、彼はNとA同様、素敵な受け入れ方をしてくれました。

それぞれのストーリーにもあるように、僕は、彼らの価値観や人柄に惚れました。共通の趣味や時間を過ごせる価値観。カミングアウトしても、一人の人として受け入れてくれる感性や懐の深さ。物事の見方や捉え方。

趣味や嗜好、いろんなシーンを共有してきた時間もあると思いますが、他人を思いやり、尊重し、受け入れてくれる、人としての余裕さみたいなものを感じ、一緒に過ごしながら恋心が芽生えたのだと思います。それは恋愛に限らず、友人関係やビジネス関係、家族間でもいえると思います。

僕は当時、マイノリティーは確立しつつもゲイの友達やつながりもない中、ノンケの友達としか過ごせない環境の中で、その惹かれる要素にあった親友達に恋をしました。その後、ゲイの友達やつながりか増えて自分を取り巻く環境も代わり、またそこで惹かれる要素を持ち合わせた人達と出会い、色んな時間を共有し、恋をし、学び、気づき、少しずつ成長してこれたのだと思います。

”人”に惹かれる要素であって、その対象がたまたまノンケだっただけで、それが女性だったり、それが同性だったり、という違いなだけだったんです。


結局、ノンケに恋はタブーなの?

これはあくまで僕の経験からの延長での意見ですので、それぞれ捉え方は違うと思います。結論から言うと、

恋にタブーもクソも無くない???

です笑

今回紹介したストーリーは稀中の稀で、彼らの懐の深さがあってこその良い話になってるといっても過言ではありませんし、みんながみんな、こういった反応になるとは言い切れません。冒頭で紹介したゲイの友達の言葉通り、実際に恋としては実ってはいませんしね笑

ただこの経験を通して気づいたのが、

一人の”人”に惹かれてきたというのは実はお互いさまで、

ノンケの親友達が僕のカミングアウトを受け入れてくれたのも、

僕の人間性をしっかり見てくれていたからだと思うんです。

星座を知ったくらい、という反応からも分かるように、僕の一つの要素として受け入れてくれたのかなと。

僕は、ノンケへの恋だけでなく、一つ一つの恋からいろんなことを学びました。自分の価値観や求める価値観、今まで気づいてこれなかった自分の最悪な要素とか。。。笑 恋愛してる時って、結構自分のことを内省する時間が多くなるので、そこで気づけたことをしっかり自認していければ、成長する良いきっかけになると思います。ただ、恋をきっかけとして捉えるのではなく、その時に本気になるからこそ、改めて自分を知れるんですよね。

友人関係でも恋愛でもビジネスでも、素敵な人と巡り合うには、自分自身も素敵な人でいなければいけないと思います。そしてその素敵を共有していければ、より深い関係になっていけるのではないかなと、、、、


誰に恋したって全然良い。そこから自分を達観し成長できるか、

そしてそんな自分が、相手に何をしてあげられるか、

関わっていく人にどう向き合っていくか。

色んな恋、色んな出会いから、気づきをもらえたらいいですよね!


僕はノンケの親友達と向き合って、自分が求める理想の価値観、そして受け入れてもらえる自信、自分らしく生きていける確信を得ることができました。

決して実らなくたっていい。その時に幸せな時間がちゃんとそこにあったし、その思い出は一生忘れないし、その恋でたくさん成長できたから。


ノンケ(彼ら)に恋して、本当に良かった☆彡




僕の友人達がLGBTをテーマに活動している『やる気ありみ』という団体があります。

最高な団体です。LGBT関連の内容もそうですが、誰もが生きていく上での気づきを、LGBTの観点から色んな形で表現してくれています。是非のぞいて見てください。

その中のコンテンツの一つで、今回のノンケをテーマにした作品があります。ノンケに恋をしてきた僕にとっては、わかるううううう!という内容満載!!!是非いろんな方に見てもらいたいです。


長文、読んでくれてありがとうございました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?