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あなたのこと知らないけど、貴方は誰かの大切な人だから。


 私は、ある1冊の本を読んだ。この本は、大学の講義で参考文献として挙げられていた。いつもの私なら、参考文献には興味すら示さない。難しい言葉で書き綴られ、データでだけで根拠を示す、私にとって良いのか悪いのかわからない書籍であるからだ。しかし、この本は違う。素直な言葉が、真っ直ぐな言葉がデータも数値も使わずスッと入り込んでくる。そんな本を誰かに届けたくて、この文章を書く。

 今回、私が紹介する本は、セヴァン・カリス=スズキ(2020)の「あなたが世界を変える日 12歳の少女が環境サミットで語った伝説のスピーチ」である。
 

「オゾン層にあいた穴をどうやってふさぐのか、
 あなたは知らないでしょう。
 死んだ川にどうやってサケを呼びもどすのか、
 あなたは知らないでしょう。
 絶滅した動物をどうやって生きかえらせるのか、
 あなたは知らないでしょう。
 そして、今や砂漠となってしまった場所に
 どうやって森をよみがえらせるのか、
 あなたは知らないでしょう。
 どうやって直すのかわからないものを、
 こわしつづけるのはもうやめてください。」

 このフレーズは、私の中に印象深く残っているフレーズである。素直で真っ直ぐな言葉にも関わらず、私には少し難しくも感じとれたのであった。きっと、私は何も知らなかったから。「あなたは知らないでしょう。」という問いに対し完璧で完全な回答をすることが出来なかったから。

 この本には、さらに素晴らしいことが書かれている。だからこそ、あなたの手に取って自らで感じてほしい。あなたが何かを壊して生きていること、あなたに必要なものはすでにあなたのもとに在ること、あなたは誰かの大切な人であること、年齢も人種も関係ないこと、私たちには計り知れない希望と闇があるということ、私たちにはできることがあるということ。

 私にも、大切で守りたい人が、ものが在るから。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

【引用文献】
セヴァン・カリス=スズキ「あなたが世界を変える日 12歳の少女が環境サミットで語った伝説のスピーチ」(学陽書房、2020)

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