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インドア派の人をハイキングに誘ったら…。

天気の良い祝日。最近仲良くなったママ友家族を誘ってハイキングに行くことになった。

ハイキングといっても小一時間で登って降りれる気軽な山で、広場には大きな公園とBBQ広場、サッカーやバスケットゴールのある、誰もが集える憩いの場みたいな場所だ。

偶然私達の後ろに彼女の車が並んで、駐車場で顔を合わせることになったが、車窓から見える彼女の服装が花柄だった。ワンピースを思わせるその姿に、ちょっとガッカリした。そして本当にワンピースを着てた。足元はかろうじてスニーカーだったけど。

ハイキングって言ったはずやけど。すぐに脳内でワンピース姿でも行けそうな、ゆるやかな散歩道をシュミレーションする。ちょっと傾斜キツめの山道は無理そう。ハイキングはしないで、公園内の散歩道を歩こう。途中にカフェもあるしね。

そんな事を考えながらパパと男の子達をサッカー場に見送り、女達は散歩に行く事にした。その日は初夏を思わせる程気温が高く、人も多かった。

彼女の娘さんは、こういう自然環境になれていないのか、蜂や蝿が飛んでいるのが見えると、声を上げて怖がった。踏まれて道で死んでる昆虫も気持ち悪がって、いちいち声を上げた。

この家族って都会の人達なんだなぁ。あんまりアウトドア活動しない人達なんだわと歩きながら思った。

前方にカフェが見えた。彼女は暑いし、冷たいものでも飲もうと言い、娘さんも疲れたから座りたいと言った。

カフェのテラスで冷たいノンアルコールビールを飲むのは気持ち良かった。娘さんはジュースが冷えていないと文句を言ってた。

娘さんがリュックを開け取り出したのは、本、スケッチブック、色鉛筆のセット。めっちゃ重たそう。絵を描くのかと思いきや、携帯でSNSチェック。終始つまらなさそうだったので、学校生活どう?と話しかけてみた。

こちらの学校は制服もないし、学校終わりに友達と遊んでも行く所がなくてつまらないそう。友達とKpopアイドルの話しをしたり、カラオケに行ったりしたいらしい。

ここは欧州。そんなエンターテイメントはない。学生はお金がないから、学校終わったら公園のベンチでお喋りしてるよ…つまら…ない?よね、きっと。

しばらくして、時間も結構経ったからパパ達の所に戻ることにした。私が予定していた行程の三分の一も歩かなかった。

そして結局、やることないから先に帰ると行って先に帰って行った。我が子とパパはまだサッカーに夢中だ。そして私は1人でハイキングコースへ向かった。

彼女達がインドア派だと分からず誘った私が悪かった。ただそれだけのこと。