引地川原落書

引地川原落書

最近の記事

河瀬直美の東大祝辞と坪井直のことば

河瀬直美の東大入学式での祝辞に物議 映画作家の河瀬直美氏が、4月12日に行われた東京大学入学式で祝辞を述べ、その内容に波紋が広がっている。河瀬氏といえば、昨夏開催された東京五輪の公式映画の総監督であるが、その撮影の様子を密着取材し、昨年末に放送されたNHKの番組が虚偽字幕問題で批判の的となり、また河瀬氏自身もそれらを巡る言動に疑問の声が向けられていた。  そんな河瀬氏が東京大学でスピーチを行うとあって全国的な注目が集まるのは必至であったが、そのなかで物議を呼んでいるのは、2月

    • 風前の灯

       今日(2021年12月8日)の朝日新聞朝刊、1面カタではアメリカ・バイデン政権による北京五輪に対する「外交ボイコット」の表明が扱われた。新疆ウイグル自治区における「ジェノサイド」など、中国当局による人権侵害行為への抗議が目的であると伝えている。驚いたのはその発信元であるサキ大統領報道官の「人権を守ることは米国人のDNAだ」との発言である。  普段ならよくある誇大表現と受け流すところだが、そうさせなかったのが同1面トップ「監視塔、日系人というだけで 真珠湾攻撃後、始まった強制

      • 「未来選択選挙」ならば

         衆議院が解散され、これから選挙戦が始まる。首相はこの選挙を「未来選択選挙」と名付けた。過去のどの選挙をとってもそれは未来を選択するべく行われたものであるとは思いつつ、そこに過去の政権の負債から有権者の目を逸らしたいという意図が込められていることは明白だ。  だが過去の論点を置き去りにして、あるいは「終わったこと」と勝手に片付けて、聴こえのいいことだけを語るのは未来を担う姿勢ではない。未来は誰にもわからない。だからこそ、過去の出来事とそれが現在に残す課題を直視し、望ましい未

        • その特技、大丈夫?

          「私の特技は人の話をよく聞くということです。」  高校入試の面接ではない。公党の総裁の就任挨拶だ。そのような場で誇らしげに言ってのけること、それすらできていない現政権、背筋がうすら寒くなる。言うまでもなく、人の話を聞くことは代議士である以上欠かせない能力だし、それがあっての今の地位だろう。  問われるのは、その能力がどう使われるかだ。携帯電話料金、ワクチン、五輪など、一時的な評価を得ることばかりにとらわれ、批判には耳を貸さなかった結果が現政権の末路である。もっとも、官房長