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21.アイスのきせつ

アイス1

アイス2

アイス3

これは2018年に制作した「アイアイアイス」という3つで1つの作品です。

この作品は2018年の東京で開催した個展「めめしかしまし」で発表しました。

この東京での個展はわたしにとってとても大切な展示会でした。初めての東京であり、ずっとそれまでやってきた「生きづらさ」というテーマの集大成を発表機会でした。わたしには30歳までにやることリストがあって、東京での個展はそのひとつでもありました。正確にはこの「生きづらさ」という問題に対して30歳までに答えを見つけたいと思っていて、どれが見つかったと思えたからこそ踏み切ることができた展示です。

ずっと悲しそうだったり、笑顔がなかったり難しい表情をしていたわたしの作品たちですが、この作品の子たちは少し違います。この作品のテーマは自分を愛する(アイスる?)女の子を描くことでした。

この絵を描いた頃スノウというアプリをみんなが当たり前に使っていて、自撮りやインスタ映えなど、いい写真を撮るということにみんな夢中でした。わたしはそれをいいことだなぁ〜と少し羨ましく思っていました。ずっと自分の容姿があまり好きではなく10代の頃に写真をほとんど撮らなかったわたしにはなかった習慣です。今でこそそれなりに自分を写真に残すようにしていますが、それができているのは自分が好きだと胸を張って言えるようになったせいだと思っています。

この子たちはカラフルで映えるアイスを食べているようで、自分を可愛く見せるということに余念がありません。髪型や仕草、メイク、アクセサリーなどフレームに収まるもの全てがかわいいのために意図して配置されたものであり、すべてが自分が可愛く見えるためにあるものと言えます。自分のことをゆるぎなく可愛いと思えることはそれだけで美徳です。他人の言葉で否定されることのないそれぞれの可愛いの信念を持って自分を愛している女の子を表現したいと思いました。

この展示会までの十年ほどはずっと「生きづらい」少女たちを描いていましたが、この展示以降は「自分を愛する」少女たちを描くことが課題となっています。

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