久しぶりに感動した飲み会の話

インドで新規事業開発部門の所長をされている方と食事にご一緒させてもらう機会があり、久しぶりの感動するぐらいの学びがあったので、そこでの議論を抽象化してメモしておきます。(若干私の受取りニュアンスが加わってるかもです)

メモの要点
・組織は戦略に従う。戦略は環境に従う
・新日本的経営的な話
・あえて、議論に負ける
・まとめ

組織は戦略に従う。戦略は環境に従う。

 MBAや経営学を勉強したことがある人なら、環境分析→経営戦略→各種戦略(HR戦略、財務戦略、オペレーション戦略、マーケ戦略...などなど)→詳細な打ち手、といった基本的な流れは何度も聞いている話だと思います。
 ただ、目の前の実務の話になると
 「世間でslackはやってるから導入したほうがいいぞー」
 「1on1とかOKRとかいいっぽいぞ」
 「これからはカスタマーサクセス部門を設けないと」
みたいな、流行とかを気にした自部門の打ち手ありきの議論が多くなる気がします。組織は戦略に従うが、戦略は環境に従う。○○な環境だから□□の戦略を立て、それに従いこの打ち手を打つという基本的な流れがないと人は動かないし、動いても整合性がないのでうまくいかない。
 MBAに通っている際に、講師から口をすっぱく言われたことですが、改めて、自分が提案する内容の、環境分析から打ち手までの整合性を突き詰めることが大事。

新日本的経営的な話

 今日お話させて頂いた方は、インドという異国の地で新規事業部門の責任者となるにあたって、徹底的に「インドにおけるイノベーションの手法」とは?の仮説検証を行い、自分の中で自信のもてる型を見つけたとおっしゃっていました。インドにおけるという部分が重要で、シリコンバレー的なイノベーション手法をそのまま持ってきてもコンテキストが違う環境では全く機能しない。
 この話は日本企業で今行われている新規事業にもそのまま当てはまりそうだと感じました。リーンスタートアップやデザインシンキング等、参考にする部分はありそうですが、アメリカとは歴史も文化も政治も違う日本で、同じ手法がそのまま当てはめられるとは考えてはだめ。日本という国の歴史的背景や、日本的企業の特徴(組合、終身雇用、年功序列)にリスペクトした上で、日本的な手法の仮説をつくっていく必要がある。
 この話も、結局は環境分析から打ち手の策定までの基本を徹底的におさえることが重要だと感じました。なんとなくわかっている気になって、最近本気で日本市場の分析ってできてないな、反省しました。

あえて、議論に負ける

 新規事業部門の責任者となり、今まで以上に自分が評価されたいというよりも、部下や周囲の人間を立てることに意識がいくようになったと聞きました。例えば、自分の中である程度自身のあるアイデアや意見があっても、組織の人間が気分よく働けるように、相手の意見を尊重し、褒めることを徹底していたとのこと。インドという異国の地では、1つの自分の意見が通ることよりも、現地のメンバーがモチベーションを高めて活躍してくれる方が最終的には組織として成果が出る。そのために、あえて議論に負ける。
 私も部門を統括する部署にいる中で、組織全体視点でのなすべきことよりも、自身の評価をあげるための方向に行動しがちなので、こういった思考を徹底しなければと思いました。統括部門は組織の成功がミッションなので、1つの自身の評価upよりも、地味でも成すべき仕事を選ぶようにしていきたいです。

まとめ

 抽象化すると、わりと当たり前のことを書いている感じになりますが、実際に日本とは全く環境や文化も違う中で、成果を上げている方の口から聞くことで深みが全く違いました。本当に成果を上げている人は、私欲を捨て、当たり前のこと、理論どおりのことを、忠実に実行しているイメージ。
 また、日本や世界各国の文化、歴史、政治等の深い理解が、事業に活きるというのを実体験をもって聞くことができ、そういった分野を学ぶことの意義を手触り感がある形で感じることができました。



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