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雑司が谷にある、大工ゴシックの洋館

目的地の旧マッケーブ邸は、雑司が谷駅から歩いて10〜15分程。これが結構複雑な道が続くので、方向音痴の私は何回も迷いそうになった。というのも雑司が谷は戦火を逃れたということもあり、細い路地が数多く残っている。静かな住宅街の中をくねくねと歩いて行く。

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なんだかいいなあ。私が方向音痴というのもあるが、このすぐ行けない感じが逆に記憶に残る。地図なんてざっくりでいいのかもしれない。時間に余裕がある人はぜひ、少し迷いながら、寄り道しながら行ってほしい。

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(足元にきゅん。きっともうすぐなんだね。)

じんわり汗をかいたところで旧マッケーレブ邸 雑司が谷宣教師館に到着。

背の高い木の隙間から、ちらっと見えるグリーン×ホワイトの建物。

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ベイウィンドウの窓に、壁の裾がスカートのように広がっているところなど外観はときめくポイント多し。

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「あ、絶対反対側からの感じも素敵だ」というにおいがプンプンする。

でも我慢。

楽しみは取っておくことにしよう。

まずは、事務棟へ行き、写真撮影の申請を。
(結局、事務棟へ行くのに楽しみ部分見てしまった。誘惑に負けた。)

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写真を見てわかるが、本当に窓が多い。

旧マッケーブ邸 雑司が谷宣教師館は、明治40年にアメリカ人宣教師のマッケーレブが自らの居宅として建て、昭和16年(1941)に帰国するまでの34年間この家で生活をしていた。

細部のデザインにはカーペーンターゴシック様式が用いられている。大工ゴシックとも呼ばれ、木材や手に入りやすいもので大工さんがゴシック風に作ったというこの旧マッケーレブ邸。

ちょと素朴な感じが良い。

カーペンターと聞いたら、最初はカーペーンターズの曲しか浮かばなかったけど、次カーペンターと聞いたら「大工ゴシック」も仲間入りするだろう。完全に親しみをもってしまった。

いざ、内部へ。とてもシンプル。

一歩入っただけで、風通しがいい建物だというのはわかる。なんとなくそういう雰囲気なんだ。簡素のなかに、ちょとしたクラシカルさがある。そして暮らしを感じる。

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玄関すぐ、真っ白な壁に茶色い階段。(写真は2階から)

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1階居間の暖炉、アールヌーボー風でお花モチーフのタイルがかわいらしい。

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暖炉も多い。

煙突をひとつにするように設計されていて、間取り図を見るとよくわかる。効率的。考えられている。

暖炉がある生活に憧れている身としては羨ましい限り。けれどお掃除や薪の準備を考えたら、暖炉はやっぱり洋館で眺めるのが一番かもしれない。まだまだな私。

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2階には寝室、書斎などがある。浴室も2階だった。天井を見上げたら、おおお!竹!!意外な組み合わせ。ジャパニーズ TAKE。

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もうひとつの少し狭めな階段で1階へ。

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位置的には建物奥にいる。

降りると、そこにはたくさんの窓ガラスが。

陽が入ると、ガラスがゆらゆら揺れているみたい。自分しか知らない、「いいところ」見つけた気分になる。陽の入りかたは時間、季節によっても違うだろうし、次に訪れた時には何を思うのだろう…と、つい入り込んでしまう。あまりに静かな時間が流れるので、ぼーっとそんな事を考えてしまう。

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なんて爽やかなんだろう。お昼間は電気いらずだ。

シンプルな中にあるからこそ、引き出せられるタイルや窓、照明のデザイン。

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無理のないデザインって大事だなあ。自分が家を建てるなら…の、参考にしたり様々な事を感じた場所だった。

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帰りは、私の大好きな竹久夢二が眠る雑司ヶ谷霊園へちょっと行ってみることにした。とても広い。竹久夢二伊香保記念館、文京区の弥生美術館&竹久夢二美術館。


そして、今回の雑司が谷霊園。雑司が谷霊園には夏目漱石など多くの著名人が眠っている。

公式のマップにも雑司ヶ谷霊園の正しい歩き方、そして著名人のお墓がイラスト付きで記載されている。すごい。


洋館に夢二。そのあとに池袋サンシャインでプラネタリウムへ。(上映の時間までサンシャイン60を建物見学として巡る。アニメイト側の広場みたいなところの一面タイル空間を見たり、階段を見たり…結構楽しい。)

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素敵な休みの過ごし方、良い流れだったなあ〜〜。

おわり

■雑司が谷旧宣教師館
(旧マッケーレブ邸)
■明治40年(1907)建築
■東京都豊島区
■東京都有形文化財
■木造2階建

※写真を撮る際は事務棟で申請が必要。現在臨時休館中。

※こちらの内容は2020年以前のものです。

▽ おまけの近くの喫茶店


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