ヒールカツコツ系OLになりたい 

今年の4月になると「学生」から「社会人」に変身できるらしい。

もしかすると就職活動のときから夢見ていた「ヒールカツコツ系お姉さん」になれるのかもしれない。


唐突だが「5時から9時まで私に恋するお坊さん」を皆さんは見ていただろうか。
そう、山Pと石原さとみの月9である。
英会話教室に勤めているOL姿の石原さとみに憧れて、私はダニエルウェリントンの丸いフェイスが特徴の腕時計を速攻で買った。
形から入るタイプである。

だが、大変なことに月9のさとみと現在の私の差が開きすぎているのだ。

1パンプスが死ぬほど苦手

まず「歩行」自体が苦手なのだ。
高校生の頃からチャリ通学ガチ勢の帰宅部だったことから、雪の降っていない時期は自転車が私の足になったも同然の状態となる。
私の下半身は歩行よりペダルを回すことの方が長けている。
そのため、久しぶりに歩くと土踏まずに靴擦れができる。
普通踏まないはずの土を踏んで歩くほどわたしの足裏は歩行に向いていないのだ。

こんな状態でパンプスも履けるわけがなく、就活の時に散々足をいじめてくれたパンプスは捨てた。

就活バッグに収められるような薄いフラットシューズは、台湾旅行の時に買った派手な赤いチャイナシューズしか持ち合わせておらず真っ黒い就活スーツに真っ赤なチャイナシューズという何とも陽気な就活生が出来上がる日もあった。

さらに私の親指の爪は結構な巻きづめなのである。
中学生の頃習っていたバレエのトゥシューズのせいで巻き爪なのかと思ったが、辞めてからの人生もずっと巻き続けている。

以前皮膚科に手術の相談に行ったが
お年を召した男性医師に

「このままで良いね」

と言われてしまった。

良いわけがないのである。

このまま爪が巻き続けていったら嫌だから病院に行ったのに、医者に親指を虫眼鏡で凝視される謎イベントに800円払って帰ってきた。
屈辱である。別の皮膚科を探そうと思う。

そこでヒールカツコツ系OLは諦めた。
ローヒールの音の出ない爪に優しそうな素敵な靴を買おうと思う。

2 大変な虫歯がある

セラミックにすると6万かかる歯が2個くらいある。合計12万なのである。
小さな町のヤブ医者に「虫歯は無いね」と言われ放置育成されていた虫歯が、セカンドオピニオン歯医者を受診したことであらわになった。
つくづく医者に恵まれない人生である。
るんるんで社会人になれたところで、新卒手取りが虫歯治療だけで吹き飛ぶ。
ヤクルトを毎日飲んで歯をいじめていた頃の私をしばきたい。

みんなは定期的に歯医者に行くことをおすすめする。

3 英語が話せない

石原さとみは英語が話せる。
私は全く話せない。
外国の方に話しかけられた時、咄嗟に出てくる単語がインドネシア語なのである。
半年間の留学の成果が出なくて良いところで出てしまう。英語で話しかけられたのにインドネシア語で返すトンデモ人間の出来上がりである。

そんなわけでさとみになるのはもう少し後になる。大学生のうちに虫歯を治療して巻き爪も治したい。

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