学士編入試験の概要

 こんにちはHikaruです。今回は医学部学士編入について、簡単に概要を説明する事でどういう試験なのかを理解していただけたらと思います。この記事は皆さんに幅広く読んでいただきたいので、無料とさせていただきます。

 また最後のパートに各大学の募集要項へ飛べるリンクを貼っておきます。是非ご活用ください。
(2021年度入学の募集要項が掲載されていない大学については、2019年度のURLを貼っておきます。)

それではいくつかのパートに分けて簡単に見ていきましょう。

※修正について
本記事は時々修正されますので、その度に下に何を修正したか記載しておきます。
2020/3/17:twitterで指摘していただいた島根大学についての修正。(画像内)
2020/4/2:大分大学の令和3年度募集要項、URL更新。
2020/4/3:大阪大学の令和3年度募集要項、URL更新。
2020/4/8:鳥取大学の令和3年度募集要項、URL更新。

先日よりブログでの更新をメインに行っています。
こちらの記事は最新でない可能性がありますので、ブログの方をご確認いただく方が良いかと思います。

1. 医学科学士編入とは

 学士編入試験とは、簡単に言えば大学卒業者を対象に医学部医学科に編入学させる制度です。端的に「大学卒業者」と言いましたが、四年制の大学卒業見込みも含まれます。下記はとある大学の募集要項に記載されていた受験資格から一部抜粋したものです。

(1)修業年限4年以上の大学を卒業した者(学士)又は 2020 年3月卒業見込みの者
 (ただし,医学を履修する課程を卒業した者又は在学中の者を除く。)
(2)学校教育法の規定により学士の学位を授与された者
(3 )外国において,学校教育における 16 年の課程を修了した者(学校教育における 15 年の課程を修了し,学士の学位に相当する学位を取得したと大学において認めた者を含む。)及び2020 年3 月修了見込みの者 修了し学士の学位に相当する学位を取得したと大学において認めた者を含む。)及び2020 年3 月修了見込みの者

受験資格について注意しなければならない点がいくつかあります。一つ目は要項の(1)より、「他大学の医学科に在籍している者、または卒業生は受験することはできない」ということです。これは編入試験の目的を考えると当然ですね。転学のような目的のためには使えない、ということです。
二つ目は「学士の資格がない中でも編入できる大学がいくつかある」ということです。学士の資格がなくても受験できる大学として、群馬大学、筑波大学、奈良県立医科大学が挙げられます。

・群馬大学 2019年度募集要項
・筑波大学 2019年度募集要項
・奈良県立医科大学 2019年度募集要項

 募集要項を見ると学士の資格を必要としない分、生命科学等の単位を必須としていたり幾つかの条件をクリアしなければならないようです。


2. 学士編入生の年間合格者数と倍率

 学士編入試験はおよそ30校の大学で実施されています。
(国公立28校、私立3校)
編入時期としては、二年次前期、三年次前期があり、ほぼ全ての大学で二年次前期への編入が採用されています。(現在では島根・名古屋のみが三年次編入)下記に国公立大学の募集人数、簡単な試験科目、編入年次をまとめました。

スクリーンショット 2020-03-17 16.00.08

 この図からわかるように、国公立大学では毎年約200人近くの編入生が合格していることがわかります。(正確には197人で、2019年度に限ると滋賀医科大学の試験が二度行われたので+15で212人。) 受験者数は大学ごとに異なりますので一概には言えませんが、倍率は10〜20倍になる大学もあります。しかしこれは見かけの倍率であり、実際の倍率ではないということを理解しておきましょう。

 ではここで実際の倍率とはどういう意味なのでしょうか。学士編入試験では大学ごとに求める学生像があります。例えば地域で活躍する医師を求めている大学などでは、当然ですが地域に残ってくれそうな方を合格させますよね。極端に言えばこのような大学では「卒後はすぐ東大や京大で博士課程に進学、留学してバリバリ研究したいです!」と言っている受験生を取る可能性はかなり低いと思います。このように大学の求めている学生像を全く考えずに受験校を選択されたり、実際には学力が全く足りていないのに記念受験のような形で受験される方もいらっしゃいます。このような方は除外すると、実際の倍率(受験生の中で合格枠を争っている人たちの数)はそれほど高くないでしょう

 また編入試験では多くの大学で追加合格が出ます。一人の受験生が「複数の最終合格を持っている」ということが結構あるためです。実際に私の友人でも3校受験して3校とも最終合格、6校受験して4校に最終合格、といった方々がいました。そういった方は進学予定以外の大学を辞退するため、追加合格が生じます。受験の戦略を決める上で重要になってくるので、知っておくようにしましょう。

3. 試験形態

 編入試験では主に生命科学、英語、物理、化学に関する出題が行われ、二科目型と四科目型と言われる出題形式になっています。
二科目型:生命科学、英語
四科目型:生命科学、英語、物理、化学


 これらの筆記試験を通過したら、多くの大学で二次試験として面接が行われます。中には二次試験で小論文を課す大学もあります。


 二科目型と四科目型でどっちにするべきか迷っている方は、是非私のnoteをご覧になってみてください。私が集めたデータに基づいて「二科目型か四科目型を選択すべきなのか」を記述しています。
「Hikaruの編入試験対策と考え方」 
https://note.com/hikaru_medistu/n/nd475ce5f1d4b

願書提出の際に書類審査を行なっている大学もあるため、筆記試験の勉強だけでなく書類作成にも時間を要する大学があります。(秋田、大分、金沢、岡山など) 
またそれ以外にも、募集要項に「提出した願書に基づく書類審査と筆記試験の成績を考慮して一次試験の合格者を決める」と謳っている大学もあります。前年度のものでも構いませんので、できる限り早期に確認し準備を始めるようにしましょう。


4. 各大学の募集要項URL

 ここでは各大学の募集要項を添付しておきます。掲載が追いついていない場合もあるかと思いますので、その場合はご連絡いただけましたら早期に対応させていただきます。2020年度の募集要項が掲載されていないものに関しては、2019年度のものを掲載させていただきますので受験予定校選定の参考にしてみてください。

2020年度版が出ているもの
・富山大学:
http://www.sugitani.u-toyama.ac.jp/nyuushi/gakubu/03gakushi-hennkou.pdf
(今年度はコロナウイルスの影響を受け、外部英語試験は必要なし)

・岡山大学:
https://www.okayama-u.ac.jp/user/med/tp/news/news_id9006.html

・香川大学:
https://www.med.kagawa-u.ac.jp/prospective_students/igaku/hennyu/

・琉球大学:
http://www.u-ryukyu.ac.jp/wp-content/uploads/2020/02/774f63bdb3d1f719c313db8aab5d36af.pdf

・大分大学:
https://www.oita-u.ac.jp/06nyushi/gakubu/gakubu-hennyugaku.html

・大阪大学:
http://www.med.osaka-u.ac.jp/wp-content/uploads/2020/04/R3gakushihennyu-1.pdf

・鳥取大学(二年次編入、三年次編入)
http://www.admissions.adm.tottori-u.ac.jp/transfer/3841


2019年度 実施版
・旭川医科大学:
http://www.asahikawa-med.ac.jp/bureau/nyusi/contents/pdf/appguide_2020_med_hennyu.pdf

・北海道大学:
https://www.med.hokudai.ac.jp/sch-med/admissions/doc/gakushi-boshu.r1.pdf

・弘前大学:
https://nyushi.hirosaki-u.ac.jp/wp-content/uploads/2019/07/r2i_hennyuyoukou.pdf

・秋田大学:
https://www.med.akita-u.ac.jp/selection/file/R1_selection.pdf

・群馬大学:
https://www.med.gunma-u.ac.jp/admissions/transfer/medR1.pdf

・筑波大学:https://www.tsukuba.ac.jp/admission/undergrad/pdf/2020hennyu-1.pdf

・東京医科歯科大学:
http://www.tmd.ac.jp/artis-cms/cms-files/20190408-104751-8773.pdf

・新潟大学:
https://www.med.niigata-u.ac.jp/contents/applicant/entrance_exam/documents/R02_gakushi.pdf

・金沢大学:
http://www.med.kanazawa-u.ac.jp/outline/docs/R2hennyu-yoko.pdf

・福井大学:
https://www.u-fukui.ac.jp/admission/admission_sect/pdf/2020med_trans.pdf

・浜松医科大学:
https://www.hama-med.ac.jp/admission/hamamed_2nen.pdf

・名古屋大学:
https://www.med.nagoya-u.ac.jp/medical_J/admission/pdf/e4449942a57da593b597b6c66a0e1cf8108fd913.pdf

・滋賀医科大学:
https://www.shiga-med.ac.jp/admission/undergraduate/requirements

・神戸大学:
https://www.med.kobe-u.ac.jp/education/sm/exam/docs/hen_2020.pdf

・奈良県立医科大学:
http://www.naramed-u.ac.jp/university/nyushijoho/igakuka/documents/2020hennyuu-boshuyoukou.pdf

・島根大学:
https://www.med.shimane-u.ac.jp/medicine/nyushi/


・山口大学:
http://www.med.yamaguchi-u.ac.jp/medicine/admission/incorporation.html

・愛媛大学:
https://www.ehime-u.ac.jp/wp-content/uploads/2019/04/R2_igaku_hennyu.pdf

・高知大学:
http://www.kochi-ms.ac.jp/~of_admss/nyushi-jisshi/2020gakusi-youko.pdf

・長崎大学:
http://www.med.nagasaki-u.ac.jp/med/documents/hennyu_youkou.html

・鹿児島大学:
https://www.kufm.kagoshima-u.ac.jp/~med/admission/exam/bachelor.html


5. 最後に

 できる限り早期に募集要項に目を通し、何が必要なのかを確認するようにしましょう。特に大半の大学では自己推薦書や推薦書を必要としており、中には小論文等を出願時に求めてくるところもあります。また外部試験(TOEICやTOEFLなど)を必須としている大学もありますので、出願時の必要書類には注意しましょう。

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