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3年半やったバーを潰す話


お疲れ様でした。3年半やったバーBarFlappy。2023年3月をもって閉店の運びとなりました。まず感想から言うと、すげー楽しかったです。

自分のアイディアで人が来るのはすごく嬉しいし、お客さんとクソどうでもいいことをだらだら話すのもめちゃめちゃ楽しいし、お客さんをボドゲでボコボコにするのもめちゃめちゃ楽しかったです。

来てくれた皆さんありがとうございました。こんな僕とダラダラ喋るか、ボドゲやるかぐらいしか魅力のない店に多くの人が来てくれて心から感謝しています。

やめる理由としてはいくつかあるんですが、端的に言えば

・モチベーションの低下
・結婚による引っ越し

この二点ですかね。あ、1月に結婚しました。サポートからご祝儀ください。

さて、このnoteでは、せっかくなのでBarFlappyの3年間の軌跡、売り上げなどの収支報告も含めて書こうと思います。三年間やった結論を先にお知らせしましょう。なぜ店が潰れて、なぜ店が続けられるのか。その答えがわかりました。結論から言いましょう。答えは「モチベーション管理」と「愛想」これだけです。

多分ですが、うちレベルの小さな店なら、モチベーションさえ続けばいくらでも続けられます。集客も別に大して大変じゃないです。愛想良くしとけば割と継続的にお客さんが来てくれます。つまり。いろんな店が当たり前にやってることを当たり前にやれば店は成り立ちます。

店をきれいに掃除して、近隣の店に笑顔で挨拶して仲良くして、どんなお客さんにも愛想良く接して、他のお店が普通にやってる程度のクオリティのものを出して、そういう当たり前のことをちゃんとやれば意外とお客さんは来ます。

ただ、その、大して大変じゃないことをずーーーっと続けるのはめちゃくそに大変です。モチベーションが続かんです。オープン当初のモチベーションをずっと持っていたらまだやってました。でも、無理だなと思いました。なのでやめます。それでは、ちょっと長いですが色々書いていきます。最後無料です。面白かったらサポートください。

3年間半の履歴

簡単にこの3年半にあったこと及び売上報告でも覚えている範囲で書いていこうと思います。なお、売り上げに関しては諸事情によりかなりアバウトです。ご了承ください。

開店理由

当店、2021年の8月10日に埼玉県上福岡という東上線沿いの急行が止まらない廃れた街でスタートしました。店を始めた理由ですが、ネットでえらいてんちょうさんのネット記事を読んだことがきっかけでした。

ちょうど前の会社を上司とバチくそに喧嘩して辞め、やることなくて暇な中で、なんかやんなきゃな〜と思っていたところで上記の記事を読みました。

上記の記事では店に住めと書いてありますが、僕が埼玉県比企郡の武蔵嵐山駅の近くに、父親の持ち物件だけど誰も住んでなかった家があったので、「あ、そこに住みながら店やれば、店に住まずとも家の家賃分で店始められるじゃーん!」と非常に浅はかな理由で店やろうかな〜と考えてました。

なぜ埼玉県の片田舎である上福岡で始めたのかというと、こちらもまたバチくそに浅い理由です。バーでもやっかな〜ぐらいの気持ちで、なんとなく東上線沿いの居抜きで安く開店できそうな店を内見してました。ぶっちゃけこの時は本気度も大してなく、暇つぶしがてら内見してたぐらいの感じです。

物件は、池袋などでも8万前後の家賃でできるところもあり、良いなーと思ったんですが、僕が東上線の一番端っこの一個隣に住んでいることもあり、現実的に通えて23時まで営業できると言うことで、「川越らへんならそれなりに人いるやろ!」というのと、「なんか!おしゃれっぽい店や!」という馬鹿みたいに浅い理由で上福岡の店にしました。

始めるときには上福岡という町のことなどほぼ知らず、後で聞くと、昔暴力団がいたらしく、治安が悪いことで有名でした。僕が始めたときにはもういなかったらしいんですが、いまだに「治安が悪い街」というイメージだけはあったようで、近場の人の中には「上福岡はちょっと…」という人もいました。リサーチは大事ですね。

なお、物件契約する直前まで、「まぁバーでもやっかな〜」ぐらいの気持ちのままです。大して本気度もなく、「内見した中ではまぁ悪くないし…やるとしたらここかな〜。」ぐらい。究極言えば「暇だったから」です。アホです。そんな気持ちで、駅前を見て「え〜いい感じに栄えてるじゃ〜ん。これなら人も来そうじゃ〜ん。」という程度で完全に勢いで始めました。何もかも浅く、はっきりいって物件選びは大失敗の一言です。

内見時の写真
2階もある

失敗と言い切れる理由は、マジで栄えてるのは駅前50m範囲のみで、そこから先はジジババしかいない、廃れた街だったからです。3.4回通って適当な店に入ってれば気づけたことでした。アホです。せめて急行が止まる駅だったらまだマシだった気がします。家賃が7万だったのでまぁしゃーない。

なんか一応エンゼル通りって商店街の一角だったので、「商店街なら人来るやろ!」と思ってましたけど、商店街の中でも端の端なため、普通にしてたら商店街の飲み屋のどこにも居場所のないヤバい人しか来ませんでした。すでにベロンベロンでヨダレ垂らしてるおじさまとか、誰彼構わず「みんな私のことエロい目で見てくる!」と騒いでるおばさまとか。

店の前の通り

この写真だと花とか飾ってあっていい感じに見えますが、それも僕が内見したタイミングが地域のお祭りの直前だっただけです。まぁそんなこんなでお店をスタートしたわけです。

開店初期

さて、いよいよ開店しました。
開店当初の設備は、まぁ基本的なビールとカクテルと僕の夕食となるご飯をそのまま「今日のご飯」というメニューで出してました。酒は全て近所のスーパーで買ったものです。カウンターの真ん中にクソ雑なお菓子を置いて。ナメてますね。客を呼ぶ気がないです。

開店当初
開店当初メニュー

どう考えても舐めたオープンなんですが、それもそのはず、オープン当初から客なんか来ないと思ってたんですよね。だから徐々に良くしていけばいいだろうと、初めて3ヶ月はまぁ客が来たらラッキー。来なくて当たり前という感じで進めていました。

ところが、意外と来てくれるもんなんですね。開店初日から2組ほど客が来ました。ろくに宣伝もしていないのに。集客なんてマジでTwitterで#上福岡 #バーってつけて開店しました!って言ってただけなのに。謎に酒持ってきてくれる人がいたり、謎にキウイくれる人がいたり、謎にゲームをくれる人がいたり。

どこでうちの店を知ったのか聞いてみると、ちょうど店のオープンの一週間前に上福岡でお祭りがありまして、そのタイミングでまだ当店保健所の営業許可が降りていなかったために、無料の休憩所として開けてたんですよね。

このツイートで「お金も取らずにすごい!めちゃめちゃいい店!」と思ってくれた人がいたらしく、それで店を知ってくれたみたいです。営業許可が下りてないから仕方なく休憩所にしただけなんですけどね‥。

そんな感じでオープン初月は大体5万ぐらいの売り上げがありました。これは割と衝撃でした。だって、その街に縁もゆかりもなく、知り合いも一人もいない状態ですよ。しかもまじで人通りのない場所で。1万も売れりゃあ上出来と思ってたのが5倍です。

そこから徐々に立て看板を作ったり、LEDライトをつけてみたり、ちょっとずつバー感を出していきます。

さらに、オープンから2ヶ月の2019年11月。昼に間借りでカレー屋をやりたいという意味不明な人が現れて、木金土日の週四日、昼にカレー屋「スパイスカレーフラッピー」がスタートします。これによって謎に僕がいない時間も売上が出るという意味不明な状況が始まります。

集客に関しても、近所のバーに挨拶に回るようになりました。

謎に開催したたこ焼きパーティー

その甲斐もあり9月はおおよそ10万の売上、10月は12万、11月は13万、12月は15万と、想像を遥かに超えて順調にお客さんが来てくれるようになり、順調に売り上げが伸びていました。(売上はかなりアバウトです)

なお、店は家賃おおよそ7万と、その他光熱費及び仕入れで大体10〜12万ぐらいかかっていたのでギリギリ黒字って感じです。もちろん、この頃は店の売り上げだけではどうしようもないので、他に個人でデザインの仕事なんかをやってなんとかやってました。バイトもやりましたが、川越の駅前のカフェでバイトしたら辛すぎて1ヶ月でやめました。

カフェのバイトはダメです。あれは「なんかおしゃれ」というイメージで安い給料でも働きたい人が集まるので労働と対価が合ってない。(個人の見解)

コロナ期

さて、2020年に入り、ここまで割と順調に進んでいた店ですが、1月から中国でコロナウイルスが悪さをしている噂が流れ出します。1月の段階ではまだ大したことはありませんでした。1月は大体15万程度の売り上げと、大きな問題もなかったです。しかも今見返してびっくりしたんですが、この頃1ヶ月通してお客さんが一人も来ないって日がほとんどなかったです。1万2万売り上げる日もちょくちょくあり、すげーちゃんとやってるやんとびっくりしました。まぁ一人しか来ない日はしょっちゅうありましたが、謎に常連さんもでき始めます。

2020年1月、喫茶店「日曜日の猫」が月火の昼に入ってくれました。この時点で月火の昼は喫茶店、木金土日の昼はカレー屋、夜はバーという意味不明な店舗形態となっていきます。

間貸しの形態としては、ノルマなしで売り上げの一部を頂くという感じでした。

2020年2月ごろの営業形態

2月も大きな問題がなく一月とほとんど変わらずに大体15万程度の売り上げ。「なーんかコロナ流行ってるらしいからコロナビールを飲んで、やっつけよー!」とか言って、やたらコロナビールが売れた覚えがあります。気のせいかもしれないです。

ただ、3月から日本でもコロナが広まり始め、外出自粛要請も始まり、この辺から徐々にお客さんが減っていきます。3月は12万ぐらいの売り上げで終わりました。ただ、昼の間貸しの分がプラスで4.5万ぐらい入ってました。

そして4月に入り、休業要請が始まります。この辺でやばくね?と思ってラブホで夜勤のバイトを始めます。結果的にラブホのバイトは約2年続けました。深夜のラブホのフロント業はバチくそに暇で、別の仕事をしながら時給をもらうという最高の場所でした。

5月に入り、営業は再開するも、世間的に外出自粛の流れが強かったからか、それともシンプルに店に来たい人が少なかったのか、徐々に売り上げは減り出します。5月の売上は10万。ノーゲスの日も目立ち始めます。

ここで唯一空いていた水曜日の昼にも謎に「和菓子屋喫茶をやりたい」という人が現れ、ついに週を通して昼夜ずっと何かしらの店がやってる店となりました。もはや何屋?と聞かれたら店主の僕ですら「よーわからん」って感じです。

4月に休業した分で補助金が出るということになり、そのお金を使って店を大改革を始めました。天井からちょうちんを吊し、カウンターに猫瓶につめた駄菓子を並べ、ボドゲを大量に購入し、最後まで続いた「なんちゃって駄菓子バー」の完成です。

この改変はかなり良かったと思っています。それまでの「ただ雑なショボいバー」から、「駄菓子食いながらボドゲができるバー」にレベルアップ。この雰囲気のおかげでTwitterからも「この上福岡にこんな変わったお店が!」とかなりお客さんが来てくれたり、近隣のお店がお客さんに当店を紹介してくれたり。

このおかげで毎晩来てくれるお客さんがいたり、徐々にお客さんは回復しだし、コロナ禍で自粛要請が続く中、2020年12月には20万以上の売上が出るようになり、これならいい感じだなーと思っていたんですが…

空白の2021年

翌年2021年1月から休業要請が始まり、2021年はずーっと休業か時短で、ほとんど営業できず。

休業の延長延長で、たまに再開しても営業時間は21時まで。それも一ヶ月足らずでまた休業って感じでした。そのため、開店からここまでに掴んだ常連さんはほぼ壊滅。

さらに、いやらしい話ですが、補助金も頂けてしまったために金銭的な心配もほとんどなくなり、一気にモチベーションが消滅していきます。暇すぎて一人旅をしたりしました。

静岡

観光地に一人で行っても別に楽しくないという知見を得ました。

モチベーションのない2022年

2022年3月まで休業は続き、3月末から営業が再開します。
じゃあここから再起に向けて常連を掴みに行くぞ!というモチベーションがあればいいんですが、まるまる一年近くまともな営業をしていない店です。前述の通り、元々いた常連さんはほとんど離れてしまいました。

それでも、1年ぶりに来てくれる常連さんはいたんですが、なんというか、感覚的にはほぼ0からのスタートなんですよね。もう一度集客から何から全てやり直し。しかも良くも悪くも補助金のおかげで金銭的な不安はほぼありません。Twitterを見てきてくれる人もちょこちょこはいたんですが、この辺からの営業ははっきり言ってマジで惰性です。

ここで「よっしゃ!もう一回やり直すぞ!」って気持ちがあれば良かったんですよね。僕もしばらくやってればモチベーションが生まれてくるだろうと思ってたんですが、全く生まれませんでした。だって、またいつ休業になるかわかんないんですもん。新しく常連作ってもまた0からってなったらやってられません。

ここからはずっと週3営業で客が来ればラッキー。来なければ僕が別の仕事をする事務所として活用していくことになります。そのため、月の売上は10万もあればいいレベルです。

2022年の8月が賃貸更新月だったんですが、このタイミングでやめるのがベストだったなーと今考えれば思います。ただ、なんですかね?少なからず常連さんが来てくれるということと、片付けるのめんどくさいな…という点。マジでろくに考えずに契約更新してしまいました。アホです。

後述しますが、「店というのはどうなったらやめるか」を決めておくのはとても大事だと思いました。決めないとダラダラ続けてしまい、出費を増やすだけです。僕の場合、2022年8月から2023年3月までの期間はマジで無駄な出費です。毎月10万ろくにやる気のない店の維持に払ってました。辞めるならとっととやめろ。

そして2023年1月。いよいよモチベーションが完全に消滅し、やる意義が見つからなくなって閉店しようと決めました。始めた時と同様、辞めるのも非常にあっさりしたものでした。「最近売り上げないなー。何のためにやるんだろ。結婚したし、都内に引っ越すし…うーーん、やめっか!」って感じです。何事も勢いが大事ですね。

こんな感じで3年半の履歴を書かせていただきました。3年半とは言いますが、おおよそ1年半ぐらいは時短やら休業でまともに営業していないために、実質的には2年程度だと思います。

来てくれた方は本当にありがとうございました。少なからず常連さんがいたことはとても嬉しいことでした。我ながら何でこんなショボい店に来る人がいるんだろうと今でも疑問です。以下は僕が店をやって学んだことを書いていこうと思います。今後店をやろうという人などの少しでも参考になれば。

学んだ教訓

人が来る理由と来なくなる理由

人が来る理由は派手なこと、来なくなる理由は些細なことです。まぁいいかな積み重ねで人は来なくなります。これはすっごく大事なことな気がします。

人が来る理由はいつだってわかりやすく派手なことなんですよね。当店の場合では駄菓子を大量に並べて、ボードゲームを大量に並べて、天井から提灯を垂らして写真をきれいに撮って、こう言った「なんかおしゃれ」とか「なんか楽しそう」という、わかりやすいイメージに惹かれて人は来ます。

イメージというのは要するに「ここに来ると何が楽しいのか?どう楽しいのか?」をお客さんにどれだけイメージさせられるかの勝負って感じです。全てはイメージです。お店で笑ってる自分をお客さんの頭にイメージさせることで人は来ます。

では逆に来なくなる理由は全く逆です。本当に些細なこと。例えば、たまにお店に行くと、帰る時にスタッフが出口まで見送ってくれることあるじゃないですか。

アレを見ていつも「そこまでしなくてもいいよ。送ったからってまた来ようと思わないから」って思ってたんですけど、違うんですよね。また来てもらうためじゃなくて、来なくなる理由を減らしてるんです。

帰る時にカウンターから「ありがとうございました!」だけだと、もしかしたらお客さんは「あれ?あんまり来てほしくなかったかな?」と不安になるかもしれません。「あれ?迷惑かけちゃったかな?」と不安になるかもしれません。「なんか愛想悪いな」と思うかもしれません。

そういったネガティブな印象を10人に1人でも持ったらその人は来なくなります。それはつまり、10回来店して1回思ったらそれ以降来なくなるってことです。

本当にこのちょっとした「あれ?」で人は来なくなります。例えばトイレットペーパーが切れかけてたとか、テーブルに髪の毛が落ちてたとか、
床がちょっと濡れてたとか、椅子が低いなとか、マジでそのレベルです。こう言った些細な不快感というか、不安感ですかね?「もしこの店でトイレした後にトイレットペーパー切れてたらどうするん?」みたいなことを想像されたらもう来なくなります。髪の毛一本テーブルにあっただけで、人は「ろくに掃除してない汚い店」と思い込みます。

「いやいやそんなもんちゃんと当たり前に掃除すりゃいいじゃん。」
それぐらいできるだろって思うじゃないですか。おっしゃる通りなんですよ。やればいいんです。

毎日丁寧に掃除して、丁寧に準備して、丁寧にやればそんなに人は離れません。でもね、困ったことに、1人でやってる店の場合、やらなくても誰も怒らないんですよね。

お客さんは文句一つ言いません。無言で来なくなるだけです。だから僕も気づけません。「あの人最近来ないなー、忙しいのかなー。」って感じです。来たくないから来ないのに。僕はどこまでも能天気です。

逆に言えば、普通のことを普通にちゃんとやれば、何も突飛なことをやらなくても割と人は来ます。他のお店を見て、他のお店が当たり前にやってることをやれば意外と人は来ます。

モチベーション管理

これはすごく大事なことだと思うんですが、普通のことを普通にちゃんとやれば人は来るんですが、「普通のことを普通にちゃんとやる」は大変モチベーションが必要なことなんですよね。

サラリーマンはこの「モチベーション管理」を上司による「やる気あんのか!」とか、「しっかりやれ」と怒ったり、たまに褒めたり、飲みに連れて行ったり、給料を上げたりとさまざまな方法で部下のモチベーションを管理します。つまり、サラリーマンは自分のモチベーション管理を会社に任せられるんですよね。

ただ、個人でやってる場合は誰もモチベーション管理してくれません。当たり前です。全部自分でやるしかありません。自分はどうしたらモチベーションが生まれるのかをちゃんと理解してちゃんとやるしかありません。

たまに旅行行くとか、サウナ行くとか、ボケーっとするとか。

誰だって始める時はモチベーションが高いです。「店始めるぞ!やっぞ!俺やっぞ!!」って感じです。ですが、一度軌道に乗れば乗るほど「あれ?そんながんばんなくても何とかなんじゃん」となってきます。

軌道に乗ってる時はいいんですが、どこかで必ず落ち目になります。何だってそうです。そうなったときに、開店時の「やっぞ!俺やっぞ!!」を出せるかどうかですね。僕は出せませんでした。「やるぐらいならやめっか〜」って感じです。

行きます!という人は来ない

行きます!という人は来ないです。ここは数字で現しましょうか。体感としてはこんな感じです。

機会があったら行きます! 来店確率2%
今度行きます!   来店確率10%
○月○日行きます! 来店確率20%
明日行きます!   来店確率30%
これから行きます! 来店確率50%

あくまで体感なんですけど、すごくないですか?今から行きますという人ですら、来ない可能性が結構あるんです。もしかしたら店の前まで来て、なんか思ってたんと違うと思って帰っちゃうのかもしれません。

ずーっと思ってたんですけど、これ、なんでわざわざ言うんですかね?行くと言って来ない人、ちょっと嫌いになります。わざわざ言わなければ行かなくても嫌われないのに、なんでわざわざ言うんです…?

辞めるタイミング決めとけ

さて、これからもしお店やらなんやらやりたいと考えてる方に一つ僕からアドバイスです。個人的には一番大事なことな気がします。それは辞めるタイミングです。

お店とか、なんでもそうですが、始めるときは勢いで始めるんです。そんでもってその時はもちろん辞めることなんて考えません。ただ、辞めるのって難しいんですよね。僕はその判断ができておらず、7ヶ月も無駄に続けました。50万程度は無駄に家賃を払いました。

お店ってどうなったら潰れるのかって考えるとなんとなく、客が全然入らなくなり、お店が立ち行かなくなり最終的に誰も来ない店となり、どうにもならずに終わるみたいなのを想像するじゃないですか。

割とそんなことないんですよ。特に小さい店の場合。どうにもならなくならないんですよ。別にバイトしながらとか、他の仕事をちょろちょろやれば続けられる。僕の場合、最後1年ぐらいは店は赤字垂れ流しながらやってましたからね。でも、続けられるんですよ。近所のスナックのおばちゃんも「ずっと赤字でもうやりたくないんだけどね〜」と2年前から言ってますが、今でも営業しています。

しかもですね。どれだけ客が来なくなっても、少しは来るんです。常連さんなんかが来てくれて、「辞めたら悲しい」とか、「頑張れるように俺がいっぱい通うよ」とか言ってくれるんです。

そんで結構お金を落としてくれたりする。ただですね。当然と言えば当然、数人程度の頑張りは焼け石に水なわけです。ただ、辞めるということは、
そういう人の励ましを無下にする行為になります。

その人の数年続いた習慣となった飲み場を奪うことになります。一番良くしてくれた人を最後には裏切ることになるんですね。とても悲しいですね。

でも、そんなことを言ってたら一生やめられません。なので、どうなったら辞めるかを明確に決めておくことをお勧めします。

赤字が3ヶ月続いたら辞めるとか、客が来ない日が月何日あったら辞めるとか。なんでもそうですが、続けるのと辞めるのでは続ける方が楽です。小さい店なら他で稼げばやっていけちゃうんですもん。ただ、だらだら続けたところでどうせ最後には常連を裏切るんです。だったら早い方がいいです。

店やった感想

最後に、3年半店やった感想ですが、すげー楽しかったです。ただ、心から思ったことは「サラリーマンいいなぁ。」です。

例えば、店というのは、基本的に定休日以外どんな時でも開けていなければいけません。なぜなら店に行こうとわざわざ店の前まで来てやってないなんてなったら、わざわざ行ってまた休みだったら嫌なので、どんどん人は来なくなります。

一方サラリーマンには、謎に休みなのに給料が発生するという有給という仕組みがあります。休んでも問題ありません。意味不明です。なんで働いてないのに給料出るんですか?

例えば、自営業は集客のために何かやってみたり、設備を整えたり、リスクを負って何か挑戦したり、それらには全て費用がかかります。そんで、その結果収入が増える場合もありますが、もちろん減る場合もあります。客が増えると信じて高い金払ってやってみて、客が減ることもあります。

一方サラリーマンは、どんだけ馬鹿げた挑戦をしても、どれだけ大赤字を出しても基本的に給料は減りません。一番悪くてクビ程度でしょう。

例えば、自営業に基本的に休みはありません。誰と遊んでいても、何をしていても基本的に仕事のことを考えてます。お客さんから連絡が来たら返さないといけません。ところが、サラリーマンというものは、休みの日は休みです。サラリーマンの友達は、休みの日はとてもおおらかに過ごしています。こっちは仕事のことで頭がいっぱいです。

とまぁ自営業をディスってみましたが、やっぱり自分一人で作り上げたものを、誰かがやってきて、誰かが楽しんでくれるのは感慨深いものがあります。この大変はなかなかサラリーマンでは感じれないものな気がします。そのため僕も一旦サラリーマンやるかもしれませんが、いずれまた店やる気がします。それぐらい楽しかったです。

結局、店やりたいなーと思った人は、雑にやってみて良いと思います。小さな店で小さくやれば、失敗しても大したダメージはありません。最悪「ダメだった。サラリーマンやろ。」で良いんです。やっていて自分が向いてるのか、楽しめるのか、そういったことが分かれば良いんじゃないでしょうか。

今後について

店を辞めた今後ですが、ちょっと個人でデザイン関係の仕事をいろいろやろうか、就職しようか、成増らへんに引っ越すのでその辺でなんかしようか、色々考え中です。もし僕を雇いたい人いたら連絡ください。

グラフィックデザイン歴6年
WEBデザイン4年
飲食店経営3年半
動画編集やライターなんかもちょっとやってました。

ということで、長くなりましたので今回はこの辺で。最後に、「お疲れ様!」と思う人はご褒美。もしくは結婚したので「おめでとう!」の意味も含めてご祝儀ください。

コメントだけでも貰えるとモチベーションが湧いてきます。お疲れっした!

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