初めて飼ったハムスターが死んだ
8月31日、夏の終わりとともにわたしのハムスターが天国へ旅立った。
初めてのハムスターだった。というか、ペットとして飼う初めての哺乳類だった。
仕事帰りの初台で、どうにもムシャクシャして、寂しさが胸に押し寄せてきて、誰も待ってない部屋にひとりで帰るのが嫌で、本屋に寄った。
「ハムスターの飼い方」という本をじっくり立ち読みし、「うん、いける」と謎の自信を胸に、都会のせっまいペットショップの扉を開けた。
そこでやつに出会ってしまった。
白とグレーの毛色が可愛くて抱っこさせてもらった(ハムスターを手に乗せることを「抱っこ」と表現するのは正しいのか?)そのジャンガリアンハムスターは、上目遣いのキュルン顔でこちらを見つめてきた。
「か…かわいい」
一目惚れだった。
ケージに戻すと、さっきまで一緒にくっついて寝ていたハムに「ジー」と威嚇していて、威勢が良くていいなと思って「この子ください」と即決した。
やつは980円だった。
ケージや餌なども一式購入して、小鳥用の小さな箱に入れられたハムスターはそっとカバンに入れた。
「わたし今カバンにハムスターが入ってるんです」と全然知らない人に話しかけたくなる気持ちを抑えながら電車に揺られ、万が一落とすようなことがあってはいけないと、小雨の中をロボットみたいにぎこちない歩きで帰った。
そんな思い出の日から11ヵ月。やつは逝ってしまった。
初対面のキュルン顔は何だったんだと思うほどワイルドなやつだった。
殺し屋のような目つき、いつまでもなつく事なく、おやつをあげるとき以外は手に噛み付いてくる…。
わたしがハムスターに持っていたイメージをことごとく覆してくるやつだった。
↑殺し屋のような目つきでアーモンドを食べています。
でも、大好きだったよ。
とっても幸せだった。
今頃ハムランドで回し車爆走してるかな。(ハム飼いさんの多くはハムスターが行く天国のことをハムランドと言います。)
てかハムスターってあんなに早く走れるんですね。
たくさん新しいことを知れたな。
わたしはきっとまたハムスターを飼うでしょう。
でもずっと忘れないよ。
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