アートにみる子供の個性
自分の感情や体験や想像を表現する。自分らしく自分を表現するということが大人になるとなかなか難しくなってきます。評価を気にしたり、褒められることに期待したり、認められたいという気持ちがあって、自由に表現することをためらってしまいます。他人と自分を比較して、落ち込んでしまう必要はありません。
「子どもアート」のクラスでは、みんな、のびのびと自由に、自分の世界を表現しています。『作りたいものを作る』というのが大事なのです。
臨床美術は独自のアートプログラムを用いて、子どもの感性教育、心の解放や意欲の向上を目指します。絵が好きな人だけではなく、誰もが楽しめるアートです。
臨床美術士の先生が、その日の「テーマ」と、それをさらにイメージさせる話からスタートさせます。子供たちは話に引きこまれていきます。
プログラムは、「きゅうりの量感画」。
みずみずしいきゅうりをたっぷりと感じて描きます。ただ、きゅうりを写すのではなく、形や色、その瑞々しさまでも描いていきます。
また、色粘土も使って、表現していきます。
プログラム「色粘土で描こう」では、粘土でお絵描きする新しい感覚。 使っている粘土はKクレイ粘土と言われる軽量紙粘土で、粘土に絵の具を混ぜればカラー粘土としても使え、芯材にピッタリくいつく 優れものです。とにかくビョーーンと伸びる。手触り感が子供達には大人気です。 みんな思い思いに形を作り、色粘土を混ぜながらいろんな色を作り出しています。あえてマーブルにして、板に貼り付けていきます。 最後に白い絵の具を塗って完成です。精巧な作りに脱帽です。
プログラム;お絵かき昆虫採集では、昆虫の姿を様々な形や模様で表現します。イメージをふくらませながら、楽しい昆虫採集をします。
ユニークな昆虫がたくさん現れました。
また、プログラム「さつまいもの量感画」では、実際にサツマイモを手に取り、でこぼこしたり、ゴツゴツした形や、根っこや傷まで観察し、それを色を使って描きます。割り箸を使って線や根っこを描き、指で伸ばしてパウダーで質感を出して、サツマイモの形を切ったら出来上がりです。
描いたものを切ったり、オイルやパウダーを上から塗ったり、擦ったりと想像力を働かせて作品を作って行きます。
プログラム:「シャボン玉飛んだ」では、最初にシャボン玉を飛ばしてよく観察しました。キラキラと光が映り、ふわふわと飛んで、パッと消えて壊れる様子を感じて描きました。
臨床美術は自分の仕上げたい形では終わりません。先生から示されるステップに合わせて、自分の作品がどんどん変わって行くので、その仕上がりに本人が一番ビックリしています。最後の鑑賞会では、それぞれの作品への想いを聞いて、その仕上がりに対し先生が感じたことを伝えます。
「感性」が豊かになり、描くこと、作ることが楽しく身近になります。作品づくりはコミュニケーションをとる1つのきっかけになります。