別れ顔
「別れ顔」
なにも言わないまま一歩先をゆくキミ
気がつけばこの距離がいつものふたりになってた
繋ぎあった手と手 ぬぐいあった涙
よかった頃のふたりを遠目にボクは後をゆく
季節がめぐるたび キミが色づくのを
どこかで不安になってボクは目をそらした
言葉にしなくても伝わるふたりとか
仲間に聞かせて埋まらぬ距離をまぎらわせた
背中ばかりを向け合ってきたね
出会ったままの町と風のなかで
ほんとはずっと気がついていたんだ
ここからは ボクとキミ 別れ道
ボクの靴の紐がほどけていることも
ボクより先にいつもキミが気づいて振り返る
今キミが見てるのはボクには行けない場所だね
背中を押してやれなくて本当にごめんね
夢の話を遠ざけていたのは
ボクの弱さがキミの優しさを求めたから
遠回りして待っていてくれたんだ
この場所が ボクとキミの別れ道
茜の空に立ち向かうキミの姿が
とてもたくましく映えたから
「行っておいでよ」とようやく言えたんだ
振り返るキミは綺麗な別れ顔
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