見出し画像

【ハビング】貧乏マインドが陥りがちな『まやかしの喜び』

ここ最近、パンは市販のものじゃなくて、

「お店で焼いている」パンがいい。

と思うようになった。
味わっている時の喜びの感覚が、明らかに違っているのを感じたからだった。

そして、最近お気に入りのパンを見つけた。
そのパンは私の家からはちょっと離れた場所にあるお店で売っている。

それでも私はあの喜びを感じたくて、その離れたお店にいそいそと通っていた。

そして、その度に葛藤していたことがあった。

それは、そのお店の片隅に置かれた

 「お買い得パン」コーナー

の誘惑だった。

お買い得パンは5つのパンが詰め合わせられ、約3~4つ分のパンの値段で売られている。
おそらく新しいパンが焼き上がった際に、残っていたものを詰め合わせたものなのだろう。

覗いてみると、私のお気に入りのパンも入っている。中にはそのお気に入りパンが2つも入っているものもあったし、他のパンも私が食べられそうなパンや、気になっていたパンも入っていた。

"気になっていた他のも試せるし、お買い得だから買ってみよう。"

と、一度はカートに入れる。
けれどなぜかもやもやした気持ちが残ってしまうのだ…。

賞味期限が切れているわけでもないし、味も大して変わらないだろう。
金銭的には得もするだろうし、得したことに喜びも感じるだろう。
けれど、

私は「新鮮なパンを買えなかった」
「新鮮なパンならもっと美味しく感じただろう」し、私には「新鮮なパンを買えるだけの豊かさがある」と、幸せを感じることができただろう…。

と、後悔の気持ちが起きることが想像されたのだ。

今までは、
「新鮮なものを買うことができる豊かさ」を味わう至福の感覚があまり感じられたことがなかった。
そんなことを意識したこともなかった。
逆に普通の値段で買わなければならなかったことを損したとさえ考えていた時期もあった。
得したこと、損しなかったことだけが、私の喜びになっていたのだ。

けれど、
『自分にある豊かさを感じることの喜び』は、

得したことや損しなかったことの喜びとは比較にならない。
私はそれを肌で体感できる様になってきた。

それは、
人が持っているから欲しいとか、自慢できるから欲しいという欲求と、
自分自身が心から欲しいと思うものを手に入れた時にも同じことが言えるのだと思う。

まやかしの喜びや欲求を見分けられるようになるのも、ハビングの効果ではないかと思う。

そして、
私が幸せなお金持ちなら、お買い得コーナーには見向きもせず、迷わず焼きたて正規価格のパンを喜んでカートに入れるだろう。

そう思い直し、私はお買い得パンをコーナーにそっと戻すのでした。


でもね、まだ毎回ちょっと悩むの(苦笑)
早く見向きもしない私になりたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?