わたしたちの運動会。
「子どもの気持ちや姿が真ん中にある、運動会をしよう」という想いから、子どもたちと種目を決め、遊びの中で経験をし、当日を迎える運動会も、今年で3度目の開催になりました。
年に一度のことではあるけれど、子どもたちの中にも積み重ねてきたからこそのイメージや思いがあるようで、「今年もうんどうかいしようと思っているのだけど…」と相談をすると、「やろうよ!!」「こんなことしたい!」「これはどう?」と前向きなさまざまな提案がありました。
〈やってみたい事はある?〉
・鬼ごっこ
・リレー
・ボールを使って何かをする
・誰がいっぱい魚を釣れるのか対決
・障害物競争
・パン食い競争
・ビーチフラッグス
・竹のぼり
・ちょっと恥ずかしいけどチアをやってみたい
・折り紙で何かつくってプレゼント
「楽しかったから」
「もっとできるようになったから」
「〇〇がしていて素敵だったから」
そんな憧れや経験から出てくる競技もあれば、「わたしのパパがパンをつくるの得意なの!」と、うみのこの運動会では初となる競技も候補にあがってきました。
そこから数週間、海で運動会遊びができるような環境を用意しました。かけっこに縄跳び、ビーチフラッグス、サッカー、綱引き・・・思い思いにやりたいことを試し、遊ぶ、子どもたち。
やってみない?と声をかけることもありますが、練習ではないので全員が必ず参加しなくてはいけないわけではありません。砂遊びをしている人の横で、綱引きをしている人もいれば、コーンやハードルを使って何か面白い障害物レースができないか考えている人もいる。同じ空間のなかで緩やかにつながり、互いを感じ合うことで、それぞれのペースで自分にとっての運動会の面白さやチャレンジポイントを見つけられるといいなと願いながら、運動会までの日々も“日常”として過ごせるように心がけました。
(とは言っても、大人が運動会に気持ちが向きすぎることも。「今日は久しぶりに山行こうよ」「じどうかん(園舎)でゆっくりしたい」という子どもの声にハッと気づかされ、反省もしました)
パン食い競争のパンは、パン作りが得意だというお父さんと食堂(給食)のスタッフさわちゃんに教えてもらいながら、自分たちでつくりました。小麦は園庭の畑で育てたものをつかって、石臼でゴリゴリ挽いて粉にするところから。
パンづくり以外にも、メダルづくりや旗づくり、チアで使うポンポンづくり、当日お揃いのTシャツを着ようと染めをするなど、身体を動かす、競技に参加するだけではなく、自分なりのやり方で運動会へ関わります。
ちなみに、プログラム作成や竹の切り出し、当日の写真撮影、保護者競技の運営などなど、さまざまな場面で保護者のみなさんもつくり手として運動会に参加してくれました。
そして気持ちの良い秋晴れで迎えた、運動会当日。
どの子どもも、大人も、ほんとうにいい顔をしていました。
特に、一人ひとりが今好きなこと、挑戦したいことなどに取り組む「チャレンジ」という種目では、本人の真剣な眼差しや楽しそうにする笑顔、そして周りのあたたかな声援にグッとくるものも。
整列もなければ、お遊戯や組体操などの仕込みもない運動会ですが、たくさんの人にとって“わたしたち(自分ごと)”の運動会になったはず。とても幸せな時間と空間でした。
来年は来年でまた、積み重ねてきた文化や経験からうまれるものと、その子どもたちと大人たちだからこそうまれるものの両方が重なり合って、今年とは異なる運動会になるだろう。でも、「わたしたちの運動会だったね」と思えるような、そんな運動会になるといいなぁと思っています。
【おまけ】
競技前、なまえを呼ばれたときの返事の仕方が最高!!
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