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移り変わる「きーめた!」を楽しめる日々を。

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「なるべくルールは作りたくないよね」
そう思いながら日々子どもたちと生活をする、逗子うみのこ。

でもそうすると、まあ大変なこともある。今保育者はこうしたいけど、あの子はそれはしたくない。これ終わるまでは、なにがなんでもやめないよ、なんてこともしょっちゅうある。

だからその都度「私はさあ〜」とこちらの思いを伝えたり、お願いしたり。時には「まあいっか」って大人のこうしたかったを手放しながら、(うまくいかない時もあるけれど)“一人ひとりのわたし”を大事にしながら、“みんなでの暮らし”をしています。

そんなこともあって、うみのこで生活をする人たちは、子どもも大人も「自分で決める」が上手な方だと思う。

もちろんその「〜したい」や「〜する」は移り変わっていくけれど、でもその時の自分の基準にまっすぐに行動することは、その人のエネルギーをたっぷりと「今」に注ぎ込む一歩になるなぁと、日々感じています。

今日はどこで何をして過ごしたい?

例えば、毎朝見られるこの風景。

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うみのこの朝の集いでは、ほぼ毎回「今日はどこで何をして過ごしたい?」という問いを子どもたちに向けます。

そうすると「けたろう(森のなかにつくった秘密基地)いきたい」「おにごっこしたい」「ねぇねぇ、ユウくんはどこいく?」と、それぞれに自分の気持ちを喋りはじめる。

・この場所で遊びたい ー【ばしょ】
・昨日のつづき。○○したい ー【こと】
・○○と一緒がいい ー【ひと】
 何を基準にして選ぶのかは、その日のその子次第。

昨日は場所で選んでいたけど、今日はやりたいことで選ぶんだ。あ、最近このふたり、よく同じところに行ってるな。ー 小さな選択だけど、自分で決める。その選択から、その子のいまや状態が見えてくると思います。

森へ野いちご摘みに

今だけの森のご馳走「野いちご」。
うみのこのそばにある森でもこの時期、「草苺」という種類のとっても甘くて美味しい野いちごを収穫することができます。

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その日は「のいちご、とりにいきたい!」とセン・ユリ・ユウタの3人が、森の野いちごスポットに出かけることにしました。

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「あ、みつけた!」と道なき道をどんどん進む、ユリ。

葉が伸び、小さな野いちごが隠れてしまい見つけるのに苦労していると、「めをほそくすると、みつけやすいんだよ」とセン。

「このちいさいのは、むしがたべるんだよ。とらないでね」と、ユウタ。

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必ず採れるとは限らない。いくつ採れるかはわからない。だからこそ、見つけ方、採る基準、今食べるのかおみやげにするのか、人によって違ってくる。

移りゆく自然との関わりのなかにいると、一人ひとりの「わたし/ぼくはこうしたい」が色濃く見える気がしています。

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「あー、しあわせだなあー」

夏のような気候が続いているここ数日。水遊びをしよう!と、近所の公園で「竹の水鉄砲」をした日があります。

着いたらすぐにもくもくと水鉄砲づくりに励む子、つくることよりもまずは保育者が試作していた水鉄砲で遊ぶことから始める子もいれば、他の自分のやりたい遊びを楽しむ子。ここでも本当、それぞれです。

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たっぷり遊んでお腹がすいた。少しずつみんなが集まってお弁当を食べている時に、あるひとりの子がこんなことを呟いていました。

「あー、しあわせだなあー」

そうだよね、こういう時間を幸せっていうのかもしれない。

おなかも満たされたところで、また水鉄砲!をする人のすぐそばでは、シートの上でごろごろする人も。

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彼の目線を追うと、揺れる緑とそのあいだに覘く空。

移り変わる一人ひとりの「きーめた!」を楽しめる日々を、これからも過ごしたいね。

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