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「とって、食う」がある暮らし。

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とって食(く)う。ー こんなにたのしい自然との関わりって、なかなかないよなあと思う。

季節を食す

春から梅雨にかけて、うみのこの子どもたちの毎日は「とること、食べること」から、はじまっていました。

海でとったハゼとエビに片栗粉をまぶして唐揚げにし、拾ったわかめは茹でて食べる。

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山を歩くと、こちらがびっくりするくらい上手に野いちごや桑の実を見つけ、口いっぱいに頬張るし、木に登っては枇杷をとり、野草を摘んで帰っては天ぷらにする。

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嬉しくて、誇らしげな、日々の暮らしの中にある「とって食う」。

日常の中でそんな姿がたくさん見られるようになったのは、うみのこでの暮らしを1年、2年と重ねた子どもたちの中に「この季節、ここではこんなおいしいものが食べられるんだよ」という知識と感覚が、経験を通して根付いてきていることが大きいなと感じています。

「山のここを探すといい。」
「赤くなったら食べ頃だから、もうちょっと待った方がおいしいよ。」
「この実は食べてもおいしくないんだよねぇ。」
「テトラポットにガッガッて網をやるとよくとれるからやってごらん!」
「カニは人の影で穴から出てこなくなるからちょっと影をつくっちゃダメ。」

これらは子どもたち同士の会話の一部。こんなにもたくさんのことが、大人が教えなくても、子どもたちの中に積み重なっているのです。

育てて食す

「とって、食う」は、うみのじどうかん(うみのこの園舎)にある畑でも。

春に自分たちの手で植えた、野菜の種や苗。毎日、水やりをし、今か今かと楽しみに待っていた実りが、ここ数週間であちらでもこちらでも。

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朝登園してくると、真っ先に畑へ行き、トマトを収穫して、その場でぱくり。野菜が苦手な子も、うみのこの畑でとれた野菜は食べられるから不思議。

ナスやピーマンもその場で丸かじりしてみたけれど、さすがに「にがい〜!」という声に、朝からデッキに中華鍋が出る日も(笑)。

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「畑で素材(原料)になるような食物とも出会えるといいな」という、うみのこ食堂(給食をつくるメンバー)の願いから始まった小麦づくりも、収穫、脱穀、製粉という長いながい工程を経て、一から手作りしたうどんとドーナツになりました。

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海でも、山でも、園舎でも。「とって、食う」がある暮らしは、自然の移ろいへの気づき、実りや作り手への感謝、そして、おいしい幸せを子どもたちに運んでくれ、保育園という子どもたちにとっての生活の場をとても豊かにしてくれる一つだなと、日々感じます。

そうそう、この前海の図鑑を眺めながらこんなことを言っている子がいたんです。

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「この魚って食べたらおいしい?」って。

・・・最高!!!

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