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13宇宙の館「決断」

ヒカリ「地球で成功していないからか・・・。その通りだね。」

ヒカリは何をやっても、器用にこなせるタイプだった。それは仕事においてもそうで、どの部署へ出向いても、上司や仲間から褒められるタイプだった。だから仕事でも、成功していてもおかしくはなかったが、会社員という堅苦しさ、がんじがらめの常識という名の柵が嫌で、長く続かなかった。多忙の中でも、心の声を貫いた事を、今になって褒められた気がした。

当時は、せっかく就職した大企業を辞める事は、もったいないと多くの人に言われが、ヒカリには、ここでの未来には、自分の心が満足することはないと知っていた。

後悔しない生き方をする事が、ヒカリにとって大事だった。

おそらくあのまま会社員を続けていたら、ここには辿り着かなかったのだろう。

ヒカリ「だから私はここに辿り着いたのか・・・」

ここに辿り着いても、ゴールではなく、スタートであることが、ちょっと切なかった。ヒカリの人生は、まだまだ奥深い先に続いているようだ。

きっとゴールはない。

進めば進むほど、いろいろな答えを知る事が出来るけど、知り尽くすことはないと、感じている。

ヒカリ「どこまで進むのかな?行ける所まで・・・かな」ヒカリは、小さな声で呟いた。

行くしかない、進むしかないことは知っている。それが自分の運命であり、使命である。だけど、どこか孤独さを感じ、嬉しい気持ちにはなれなかった。

ヒカリは門番に尋ねた。

ヒカリ「この先進むには、孤独は付いて回るのかな?楽しいものではない?楽しんじゃいけないのかな?」

門番は、笑った。

門番「フン、楽しみたいなら、楽しめばいい。実に、お前らしいな。それは咎めない。好きにすればいい。しかし孤独は付いて回る。だが、孤独さえも楽しみに変えて進めばいい。お前にはそれが出来るだろう」

ヒカリは、本の少しだけど、前に一筋の光を感じた。

ヒカリ「そうだ。せっかくなら、楽しもう」ヒカリはまた、小さな声で呟いた。でも目は真っ直ぐ前を見据えていた。

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