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自分を呼びにゆく
たすけてくださいと自分を呼びにゆく 佐藤みさ子(『呼びにゆく』)
佐藤みさ子さんが、長く川柳を続けてゆくうちに川柳というものがますますわからなくなってしまった、今私にとって川柳はまったくわからないものとなっている、というふうなことを書いていて、でもそれが本当なのかも知れないなあとも思った。
わかる、って多分自分がそうしようと思えばいつでも利用できてしまうような感覚で、でもどこまで行っても、わからない、私はずっとそれに翻弄され続ける、というようなものがあるんだと思う。それは自分がずっと続けているものとか、自分がどうしても惹かれるものとか、理由もわからず好きで仕方がないひととか。
翻弄されよう、運命としてゆだねようという感覚。
私はずっと頷いているが、あなたの話がわからない、違う星のことばのようにも聞こえる、でもあなたの話はとても大事なような気がして、土曜日の春の公園でドーナツを手に持ったまま、ずっと頷いている。このときの雰囲気がこれから何度もよみがえるような気がして、わからないことを大切なものとして。そういう日があったこと。
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