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ふくろうが来そう

梟の来そうな夜の7並べ  笠井亞子(『はがきハイク22』)

7並べっておもしろいなあと思うのが、7からつなげられる手持ちのトランプを並べてゆくので、私の心や意志なんかちょっとどうでもいいところがあるところだ。

それは絵本の世界にも似ている。
北風と太陽が旅人の服を着せたり脱がしたりするが、旅人の意志は、と今思う。金の鵞鳥にくっついて並んで歩いていったひとたちの意志は、とも。犬猿雉の意志は(あった)。

いってみれば、世界のルールにとってこのわたしの運命なんてちょっとどうでもいいところがあって、だからふくろうは、来る。
ふくろうっていつも、私の意志とは無関係に来るんだろうから。

でもそれは7並べをやっていれば納得ができる。その7並べにたぶん季語並べのようなところがある俳句も似ている。

俳句をやっているひとがフクロウが飛び交っていたときも、なんでもない顔をしていたのはそのせいだったんじゃないだろうか。なんでもないです。ひからびたひと。こんなことは。あります。わたしはすごくゆびをさしていた。

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