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新生児で死んだ娘の弔い方

娘が亡くなって、二ヶ月が経った。 前回のnoteを書いてからいろいろなことがあった。 大ニュースの一つは、母乳の搾乳をやめたこと。 まだ、マッサージをすればほんの少しにじみ出てはくるが、一日の決まった時間に搾乳をするのはやめた。 ついては、母乳バンクに母乳を送るのも、やめた。 私の母乳はほんの少しでも誰かの口に入ったのだろうか。入っているといいな。 三ヶ月ほども習慣にしていた搾乳をやめて、少し寂しくもあるが、やりきったという充実感もある。 娘の四十九日までは出し続けて、お

    • 娘にやってあげてよかったこと、後悔していること

      今日(もう、昨日)は娘の月命日だった。 だからといって、何があったわけでもない。 ここ最近の日々と同じように、一日はおだやかに過ぎていった。 最近、本当に心おだやかだ。 風呂にスマートフォンを持ち込み、シャンプーをしながら濡れた手で画面を撫でて、着信履歴がないことに安堵して、頭を流している最中に、今大事な連絡を見逃しているのではないかと血眼になるような… 娘の面会時間に1分でも遅れたくなくて、在宅勤務の夫が業務終了時間ギリギリに始めた長電話が終わるのを焦りながら待ち、出発

      • 涙と母乳は同じ血液からできているんだ。

        充血する目を鏡で見て、そう思った。 母乳は、血液からできている。 乳房に血液が集まり、なんやかんやあって、母乳になる。母乳が盛んに作られている時乳房を触ると張っているのは、そこに血がたくさん集まっているからなのだ。 涙もきっと、目に血液が集まり、なんやかんやあって、涙になっているのだろう。 母乳が作られるとき、胸が硬くなり、涙が作られるとき、目が赤くなる。このせいで何度か、泣いているのが夫にばれた。 ここ一週間、また一段と母乳の産出量が減った。 エースと準エース(私の両乳

        • 乳房に、娘が死んだことをそろそろ教えてやらなければいけないと思った。

          母乳バンクに送るとはいえ、一日4時間ごとに搾乳するのにはそろそろ疲れてきた。 4時間ごとに搾乳とはいえ、睡眠は6時間くらいとっているが、 その時に母乳パッドがうまく当たっていなくて、ブラジャーが母乳でぐっしょりになって目覚めるのとか、 友だちと会っていても、途中で搾乳のため30分くらい席を外さなければならないのとか、 毎日搾乳を中心に生活を組み立てなければいけないのとかにも疲れたし、 何より、搾乳しているときはやっぱり娘のことを考える。 手術の前日、 死ぬ気で絞り出した初

        新生児で死んだ娘の弔い方

        • 娘にやってあげてよかったこと、後悔していること

        • 涙と母乳は同じ血液からできているんだ。

        • 乳房に、娘が死んだことをそろそろ教えてやらなければいけないと思った。

          娘が死んだ。この張った乳をどうしよう。

          しかし実は、考えるまでもない。 もうすでに決めているから。 母乳バンクに送るのである。 この世の中には、母乳が出なかったり、なんらかの理由があって母乳を自分の子に与えられなかったりするお母さんがいる。 たいていの場合、粉ミルクを使えば解決するのだが、一部の赤ちゃんはどうしても母乳が必要だ。 たとえば早産の子、低体重で生まれた子は腸が発達していないため、粉ミルクを消化吸収できず、腸が壊死してしまうことがある。 そうした赤ちゃんに飲ませるため、ある人格者の医師が『母乳

          娘が死んだ。この張った乳をどうしよう。