見出し画像

大匙一杯の軽蔑

結構楽しみにしていた、宅飲みが、ドタキャンされた。

その人は、私の以前好きだった人だった。今は友達として、2日に1度のペースで連絡をする仲だった。

久しぶりに、直接話をできることを、私は、とても楽しみにしていた。家の掃除もしたし、家での過ごす時間が快適になるために、fire TV stickを何度もカートに入れたり、解除したり、ずっと買うかどうかを悩んでいた。(結局、推しのライブに行くお金が足りなかったので買わなかった)

集合時間は、お互いのバイトが終わってから。私たちは、19時までバイトだったため、20時頃から集まるイメージだった。

当日、「バイトが長引く可能性があって、21時過ぎに終わるかも」と連絡が来た。

私は、21時から、飲むなんて思ってもいなかった。別に、飲めるのであれば、時間が遅くなることは我慢できた。ただ、それでも、21時スタートであるのであれば、もっと前に教えてほしかった。

バイトが終わり、飲むために必要なものを買いに行く。
今日はメイクをしていなかったので、メイクをもう一度する。準備が終わり、ゆっくりとテレビを見て待っていた。おなかがすいていたけど、何も食べずに待っていた。

そんな最中、私に1本のラインが入る。
「おばあちゃんの体が悪くなったから、実家帰らなくちゃいけない。また今度でもいい?」

時間が止まった。思考停止とはこのことを言うのだろう。
私は、このとき、思考が1秒でも止まると、2秒後から急速に思考が開始されることを知った。
「本当におばあちゃん具合悪いのかな?」
「私と会いたくなかったからなのか?」
「ドタキャンされるような軽い女として見られていたのかな。」
私の頭は、ぐるぐる考えていた。ふつふつと出てきた考えは、私に、『怒り』と『虚しさ』を与えた。

嘘をつかれていると思って、
「え?がち、、、?」と聞いてみた。

どうやら、本当らしかった。

すると、私の体には、『申し訳なさ』という感情が沸き上がった。
1つの出来事に対して、寛大に優しく、おばあちゃんを心配できないことに申し訳なく感じたのだ。私は、彼の前では、優しい人でありたかったのだろう。ただ、私自身、かなり楽しみにしていた出来事だったので、おばあちゃんを心配する気持ちなんて、あの時は一切出てこなかった。

あの夜から、1日が経った。
私には、複数のの感情が湧きたっている。

自分の運のなさを悔やむ『悔しさ』や、
この出来事を肯定的に捉え。最悪なケースを防ぐために、起きた出来事なのかもしれない。なにかを”守る”ために起きた出来事なのかもしれない。そう考えると、『安堵』の感情がでてきた。

そして、大匙一杯の『軽蔑』。
バイトの終わりの時間を事前に伝えない、貴方の適当な部分。行けなくなってしまったときの、誠実さが感じられないメッセージ。次回の日程を、自ら提案してこない主体性のなさ。などなど、

私は、彼のことを好きだったけど、精一杯『軽蔑』したい。


それでも、彼にも理由があり、生きてきた経験の中で、今の考え方や伝え方がある。私の価値観を押し付けてはいけないから、この感情をむき出しにすることはないだろう。

ただ、このように思った感情たちを、なかったものにしたくはなかった。

私の中で、これらの感情を思い出す、『栞』として、この出来事を書き留めておこう。

この記事が参加している募集

#振り返りnote

85,089件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?