CINK MEMBERS SESSION②
2021/10/23 21時~
皆さんこんにちは、ひかるです。
今回のCINK MEMBERS 限定のオンラインセッションでは、CINKメンバーで9月末にデロイトによって発表されたJリーグマネジメントカップについて議論しました。
Jリーグマネジメントカップとはというと、
①マーケティング
②経営効率
③経営戦略
④財務状況
以上の観点から総合的にJクラブを経営面で順位付けしている。
1位になったクラブは一番経営バランスが良いということになる。
この公表されたデータからどのようにデータを読み解き、解釈したかを共有した。今回はその中でも②、③の経営効率と経営戦略に重点を置きCINK MEMBERSで内容を紐解いた。
Jリーグマネジメントカップ(https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/consumer-and-industrial-products/articles/sb/j-league-management-cup.html)
②経営効率
②の経営効率に含まれているのは、
・勝ち点1あたりのチーム人件費
・入場者収入
いかに少ないお金で勝つことができているか、どれほど多く、観客が来場しお金を落としているか。
ここで問題となる事は、果たして経営効率がすべてなのかということ。バルセロナやレアルマドリードといったチームのように莫大な人件費をかけて有名選手を獲得しチャンピオンズリーグやリーグで勝つチーム、または経営効率が非常に良いが結果は良くも悪くもないチーム。どちらがサポーターが好まれるかといったところに議論の余地があるため、Jリーグマネジメントカップの結果が必ずしもクラブの良し悪しを決めるわけではないのだ。
③経営戦略
③の経営戦略に含まれるのは
・チーム人件費/売上高
・SNSフォロワー増減率
特に今回はSNSに関して話し合った。
コロナウイルスの影響もあり流行当初はリーグの開催も延期され、SNS上で選手の様子を伝えるような機会も以前よりも増えたため、クラブがInstagarm、Twitter、Facebookなどのソーシャルメディアのコンテンツを充実させる動きがみられた。このSNSの項目で驚くべき数字をたたき出したいるのはセレッソ大阪で、圧倒的にSNSのフォロワー、特にFacabookのフォロワー数が多くなっている。セレッソといえばピンクのチームカラーで女性を取り込みやすく、彼女らは「セレ女」と呼ばれるほどである。しかし、Facabookのフォロワー数が多いのはそれが理由なのではなく、他国からの注目が高いのである。
ベトナム代表ゴールキーパーのダンバンラム選手。ベトナム国内での注目も高い。彼がスタメンとして出場した天皇杯の試合は、YouTubeでベトナム国内にも配信されたが、コメント欄のほとんどはベトナム語だったという。自分たちがDAZNなどで海外で活躍している日本人選手を応援しているのと気持ちは同じだろう。
こういったSNSによる海外展開で恐れなければならないのは「諸刃の剣」であるということ。海外からのフォロワー数は増えるが、一方でその選手がいなくなってしまうと、その国のフォロワーも一瞬でいなくなってしまうということ。
そのため、今はフォロワーが多いセレッソでSNSフォロワー数の項目で圧倒的1位であるが、必ずしもそれがいい結果であるとは限らない。
~Jリーグマネジメントカップの注意点~
全体を通してみると、このデータには欠点や盲点が多い。
1つは、何か新しいことを始めたチームはその年だけポイントが上昇し、経営がうまくできていると捉えられてしまうということ。
例えば、他チームは以前からSNS戦略に力を入れていたが、ベガルタ仙台は近年SNSを活性化させ、フォロワー数が伸びた。③の経営戦略の枠にはフォロワーの増減率の項目もあるため、仙台はポイントが非常に高い結果となったが、言い方を変えれば周りのやっていることに追いついただけで経営がうまくいっているということは示さない。
2つ目は客単価に関して。一般的に客単価というとチケット収入÷入場者数で求められると解釈するが、デロイトのこの調査ではチケット収入にグッズ収入も含まれる。そのためチケット収入があるクラブであってもグッズ収入が無い場合、この項目でのランクに影響する。
3つ目は総合的な評価で1位になり経営が上手だといっても、リーグでそこそこの結果しか出せていないと、果たしてその結果がサポーターが求めているものなのか疑問であるということ。リーグで勝てるクラブだが経営がうまくいってないというデータが出ているチーム、または経営は上手とされているがリーグで結果が出せないチーム。サポーターが求めているのはどちらかというと前者である気がする。そのため、経営効率がいいことが必ずしもいいとは限らないといえるのではないだろうか。経営効率と試合結果にものすごく強い相関関係があるのであれば問題ないだろうが。
~今回のセッションで感じたこと~
デロイトによるJリーグマネジメントカップによってそれぞれのJクラブが経営がうまくできているかを”おおよそ”見ることができる。上記したように盲点や欠点があるためこの数字だけを信じることにはリスクがある。
ただ、これらのデータが各クラブの中身を知る第一歩にはなり得ると感じた。例えばセレッソ大阪のSNS事情、ベトナムへの進出という狙いを圧倒的なフォロワー数というデータをきっかけに知ることができた。データという数字を数字だけで見ただけで終わらせず、ある数字に着目して中身を探ることで正しい情報やその数字の背景を知ることができる。
さらに、データ上の変化に着目することも重要であると感じた。
チーム人件費が一気に増加したとき、そのチームにだれが加入したのか、いったいどんな意図があってその選手を呼んだのか、などが見えてくるようになる。数字の変化には理由があり、その理由を追及するとクラブの”狙い”にたどり着く。
---------最後に---------
最後までご覧くださった皆さん、大変ありがとうございました。
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