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0から学ぶ、介護リーダー攻略法



1.この記事について

はじめに「どういった人間が記事を書いているか?」「何を経験した人の記事なのか?」この部分が不透明だと、記事の説得力が出ないので、自己紹介を簡単にさせていただきます。

私は介護未経験、資格は実務者研修修了(ホームヘルパー1級)という状態で、20代後半で介護老人保健施設に就職しました。更に言うならば、学歴は中卒、バイト経験しかなく、ひきこもり期間が1年以上ありました。

しかし、人事の関係からか、入職して1年半でフロア主任(フロアリーダー)に任命されました。経験も人格も全く伴っていない状態です。
ちなみに私が働く法人におけるフロア主任とは、介護リーダーの1つ下の役職で、文字通り一つの階(フロア)の介護業務全般を仕切る、支店長みたいな存在です。

能力が伴っていないながらも、上司や部下の助けを借りつつ実践で学び、何とか主任の業務をこなしていきます。

気づけば2つの施設で合計3間主任を務め、その後、介護リーダーに任命され約3年が経ち、今では施設管理者の補佐を兼務することになりましたが、施設が変わっても、役職が変わっても、根本的な考え方は同じだと気付きました。
その根本的な考え方に、今まで関わった介護リーダー、フロアリーダー20名以上の言動や働き方を分析して見つけたポイントを加えたものこそが、この『介護リーダーの攻略法』です。

2.介護リーダーとは何か

介護リーダーとは介護主任とも呼ばれ、高齢者介護施設における介護部門の長であり、施設内のケアの質を向上させるだけでなく、施設の方向性を決める重要ポジションです。
その役割は利用者様に「より良いケアを提供すること」で、介護リーダーの資質が施設の命運を左右するといっても過言ではありません。

そんな責任重大な役職ですが、実はリーダーとしての業務を上手くこなすコツがあります。

この記事は、私が介護リーダーとして働く中でたどり着いた、課題や問題を解決する方法、心構え、必須能力などをまとめた、言わば『介護リーダーの攻略法』をご紹介する記事です。
現場で働きながら模索したものなので、介護とはこうあるべきだ、リーダーとはこうあるべきだという、理想論だけを語ることなく、何をするべきか?どういう思考方法が良いか?といった実践を意識した内容になっています。

また、福祉業界で良く使われる横文字やアルファベットを並べたものをできるだけ排しました。これは福祉関係の本でよくある、「この知識を身に付けたい」と思ってその本を買ったのに、知らない言葉が出てきてその言葉の意味を調べるために、余計に時間がかかってしまう。という手間を省くためです。

攻略法を知ることで、現役職者の方は業務に活用を、役職者を目指される方は役職に必要な能力の把握をして頂けたら幸いです。

3.理想のリーダー像

まず初めに、介護リーダーに必要な能力は、課題に対しての正解を知っていることよりも、自分で考えて課題を解決しようとする力です。
介護で預かるのは人の命と人生、介護の業務とは日々の生活のお手伝い。そして介護士が関わるのは高齢者、人間です。

問題や課題は千差万別で、ひとつとして同じケースはありません。そのため「正解を知っている」と言っても所詮は一部分を知っているだけ。本当に必要なのは未経験、未知のケースに対応するための思考力なのです。

ここで、介護現場における理想のリーダー像について掘り下げていきます。
今から3つの質問を二択でするので、自分の心の中で、どちらか一方を選択してください。

①介護リーダーの立場はどっち?
A. 一般職員の上に立つ存在
B. 一般職員と同列、並んでいる

②介護リーダーの役割はどっち?
A. 監督やコーチのような指示出し
B. 指示出しも介助もする選手権監督

③介護リーダーの業務範囲はどっち?
A. すべての重要業務は自分でこなす
B. 重要業務も一般職員と分担する

どちらか答えは決まったでしょうか?
正解は全部Bです。割とわかりやすい問題だったかもしれませんね。

① について、リーダーは役職的にも給料的にも、一般職よりも上になるのでついつい勘違いしがちですが、あくまでも現場の代表。責任が大きくなっているだけで他の職員と立ち位置は同じ。
そのくらいのスタンスでないと、現場の職員にそっぽを向かれてしまいます。偉そうにしていてはダメということですね。

② について、①で言った通り介護リーダーは現場代表です。現場に立たずに事務仕事や命令ばかりしていると、現場の意見、現状とどんどん乖離していき、現場に寄り添えないリーダーが出来上がります。現場の意見を代弁できない人間はリーダー失格です。
どんなに忙しくても1日数回は現場を回る、緊急で欠員が生じた際は、自分がフォローに入れるだけの知識と経験を維持する。これくらいは最低限しておきたいところです。

③について、介護現場で起こることに責任を負うからと言って、重要な業務のすべてを行う必要はありません。部下に業務を分担することも人材育成ですし、全部自分でしようとすると自分がつぶれてしまいます。
「全部あの人がやってくれる」ではなく「自分たちのことは自分たちでする」という自立心溢れたチームを目指しましょう。

以上のことからもわかるように、理想の介護リーダーとは、現場に寄り添いながらも現場の将来のことを見据えたリーダー。「目線の高さは同じだけど視野は広い」そんなリーダーのことです。

現場の将来のことを考えるためには、大前提として『自分の介護観』をしっかり持っている必要がありますが、それについてはこの記事の後ろの方でお話します。

4.リーダーシップのスタイル

介護リーダーに必要な能力は数多くありますが、なんといっても最初に挙げられるのがリーダーシップです。

リーダーシップつまり「指導力」「統率力」は、目標に向かってチームをまとめる力や手段のことです。
リーダーシップが備わっているリーダーの下では、職員が最大限のパフォーマンスを発揮し、高い成果を上げることができるでしょう。

リーダーシップにはスタイルがあります。媒体や発信者によってその数は3種類、6種類、10種類など様々ですが、ここでは一番シンプルな3種類と仮定して話を進めていきます。
この3種類のリーダーシップはアメリカの心理学者クルト・レヴィンが分類したものです。

その名をとって「レヴィンのリーダーシップ」と呼ばれるこの分類。それぞれ専制型、民主型、放任型に分けられます。
この下に3つのリーダーシップの説明を載せるので、自分がどのタイプなのか?考えてみて下さい。

●専制型:リーダーが方法、進め方などを1~10まで指示する。王や皇帝のようなイメージのタイプ。 部下の能力が未熟な場合や、迅速に動かないといけない場合に効果的なリーダーシップのスタイルだが、部下は管理されていると感じて、消極的、受動的な働き方になるデメリットがある。

●民主型:リーダーはサポートをする側に回り、目標やそれぞれの役割など、何かを決める際はチーム全体で決定する。縁の下の力持ち的なイメージのタイプ。チームワークや部下の積極性が高まる反面、意思決定までのスピードが遅くなるとか、チームメンバーのパワーバランスによって、この人の意見は通りやすいのに、あの人の意見は通りにくい。みたいな不公平が起こったりする。

●放任型:リーダーはほぼチームに関与せず、部下だけで意思決定、役割分担、計画の遂行など全てを行う。一見すると無責任なタイプのイメージ。部下の意欲低下や、パフォーマンスの低下などのデメリットはあるものの、場合によっては業務を委任された部下が育ち、大きく成長することがある。

あなたはどのタイプのリーダーでしたか?もしくはどのタイプを目指したいですか?

私は本来、専制型に近いのですが、現場ではそうはいきません。皆のモチベーションを上げるために民主型に切り替えることもあれば、フロアリーダーの育成のために、あえて放任型で接することもあります。大きな事故が起こった際には専制型で迅速に再発防止策をたてることもあります。
このことからもわかる通り、本当の介護リーダーとは状況によってスタイルを自在に変えることができるリーダー、いうならば万能型リーダーシップのことです。

5.リーダーに必須の能力

介護リーダーやフロアリーダーには経験や知識、頭の回転の速さが不可欠だと思われがちです。
確かに経験や知識があるに越したことはないですが、私はそれよりも介護の理想像を持っていることや、頭の柔らかさ・柔軟性、思考する頻度の多さの方が重要だと感じています。

言い方は悪いですが
・経験が長いだけで「良い介護」をしようとしない介護士
・介護の知識はいっぱいあるけど人のアドバイスに耳を貸さない、頭の固い介護士
・頭の回転は速いけど深く考察することのない、小手先だけの介護士
こういう人はリーダーに向いていません。

リーダーに必須の能力とは、万能型リーダーシップをもって、適切なポイント(課題や問題、伸びしろ)に適切なアイデアを適切なタイミングで実行することです。
ポイント、アイデア、タイミング…どれも『適切な』という単語が頭につくので、難しいとは思いますが、結局のところ考え方でカバーできます。

フロアを、もしくは施設を良い方向に導くための秘訣は『みんなのために考え続ける』ことです。この「みんな」とは利用者様、ご家族、職員、職員の家族などが含まれています。

みんなのために何かをし続けるには、自分へのメリットが必要です。
人は誰かのためにというだけで、自分に負荷をかけ続けることはできません。そのメリットは何でもよいです。
自己研鑽、お金、出世、憧れの人に近づく、趣味…
そこに貴賤はありません。メリットが何であろうとも、みんなのために実施することは素晴らしいのですから。

6.良いケアとは何か

介護リーダーの役割である「利用者様により良いケアを提供すること」その為に必要な業務は大きく4つに分けられます。

4つについてご説明する前に、そもそも『良いケア』とは何なのか?簡単に触れていきます。

介護の本分は「利用者優先」のケアを提供することです。真逆の言葉が「職員優先」一般的に悪いケアとされます。職員優先のケアは、利用者様の人権無視や虐待の温床となります。もちろん私も良くないケアだと思っています。
ただ、ここで考えてほしいのが、利用者優先のケアに傾きすぎるとどうなるか?です。
介護現場はまだまだ人手不足で、給料も低いです。しかし、人命を預かっているので責任はすごく重いです。

そういう現状を無視して利用者優先に偏重してしまえば、人員が少なかろうと、職員の疲労が限界だろうと、身体を痛める危険性が高かろうと、待遇が悪かろうと…
「利用者様のため」に毎日毎日、少しのミスも許されない中、高ストレスの状況で働かされるようになるでしょう。
ストレス過多は、虐待に直結します。最悪の場合は死亡事故が起こるかもしれません。
職員にフォーカスすると過労死、うつなどのリスクも高まります。

そうなると介護の担い手は減っていく一方で、残った介護士はより悪化した労働環境で働かされる。そんな無限ループに陥るでしょう。
人(利用者様)の権利の尊重を謳っている介護業界が、人(職員)の権利を軽視していたら話になりません。

利用者を優先しすぎて職員がストレス過多にならないように、職員を優先しすぎて不適切ケアが起こらないように。
目指すべきは「職員のこともしっかり考えた上での利用者優先のケア」で、これこそが真の良いケアです。

誤解を受けないように説明すると、良いケア以外がすべて『虐待』というわけではありません。順番としては、良い方から並べると、良いケア→適切なケア→不適切ケア→虐待という感じです。

良いケアと適切なケアの違いは、限界まで利用者優先に寄ったのが、良いケアなのに対して、
適切なケアは、上限は良いケアと同じで、下限が利用者軽視にならないギリギリまで職員優先に寄ったケアです。イメージとして良いケアは一つの点、適切なケアはその点も含んだ線みたいな感じでしょうか。

この『良いケア』ひとつひとつは点ですが、利用者様の日々の生活の中で、ケアを重ねるごとに点が増え、やがて一本の直線になります。それに比例して、適切なケアは面になります。
言い換えるならば「利用者様に良いケアを提供する」から「利用者様に良いケアを提供し続ける」への進化です。

少しポエムみたいな表現にはなりますが、美しいステンドグラスも一度砕けると元に戻せないように、傘をさすことを途中でやめると濡れてしまうように、良い介護も、やり続けないと意味がありません。一度でも虐待があれば信頼関係は崩れてしまいます。

『良いケアの直線』は施設で働く、能力も考え方も性格もバラバラな職員のケアの積み重ねでできるので、少し気を抜くと日々のケアがブレて、すぐにジグザグな線になってしまいます。下手をすると虐待までいってしまうこともあります。

良いケアから外れた、『適切なケア』ならば虐待と違い、信頼関係は崩れないかもしれませんが、「それまで積み上げたものを損なう」という部分は変わりません。
なので、介護リーダーの役割を正確に言うと「利用者様に良いケアを提供し続ける施設づくり」でしょうか。

7.リーダーに必須の四大業務

「利用者様に良いケアを提供し続ける施設づくり」のために介護リーダーが目指すべきことは4つだけです。
①具体的に何が良いケアなのかを周知すること
②事故や虐待が起こりにくい仕組みをつくること
③職員の働く意欲を高めること
④上記3つを継続すること

この4つを実現するために行う業務が『介護リーダーの四大業務』で、具体的には、
①職員にケアの方向性を示す
②リスクマネジメント
③職場環境の向上
④人材育成
以上になります。

4つめ人材育成は、役職者が代わっても良いケアを継続するために必要です。
そして、この4つはどれも同じくらい重要です。

8.ケアの方向性

良いケアを提供するには何が良いケアかを具体的に示す必要があります。
ただ、最初に言ったように、介護は人を相手にする仕事なので、何事にも当てはまるような共通の正解はありません。また、全く同じシチュエーションだったとしても、正解の選択肢が複数あるものです。
ではどうやって示せばよいのでしょうか?

その方法についてご説明する前に、ここでセルフチェックをひとつお願いします。
介護士として行うそれぞれの業務について、自分が「得意」か「不得意」か、を心の中で判定してください。

項目① 接遇
項目② レクリエーション
項目③ オムツ交換
項目④ 入浴介助
項目⑤ 食事介助
項目⑥ 人材育成
項目⑦ パソコン業務
項目⑧ 認知症ケア
項目⑨ トイレ掃除
項目⑩ 移乗介助

得意は何個ありましたか?
このチェックリストは誰がすごいか、すごくないか、を判定するためのものではありません。

おそらく多くの人は、良い接遇とは何ですか?と尋ねられて即座にはしっかり答えられないと思います。
一つの項目には答えられたとしても、良いレクリエーションは?オムツ交換は?入浴介助は?…こうやって順番に聞かれた際、深く悩む瞬間が来るはずです。

しかし不思議と得意か?不得意か?この二択で聞かれた場合、大体の人が答えられます。
これは一人一人の中で、良し悪しをはかる天秤があるからに他なりません。この天秤こそがケアの方向性を示すための手掛かりになります。

ただこのままの段階だと、各項目にある業務それぞれの良し悪しを、別々の天秤ではかっているだけです。
それでも天秤を使う前に比べたらジグザグの線は「良いケアの直線」に近づけます。
しかし、直線にするためにはもうひとつの要素が必須です。
もうひとつの要素が欠けた状態、天秤を使うだけのケアを例に出すと理解しやすいと思います。

オムツ交換の技術が優れ、利用者様に負荷をかけない。さらに交換のタイミングも抜群で、利用者様を不快にしない。という『良いケア』があるとします。
一方で利用者様を楽しませ、活動量も上がりリハビリにもなる、素晴らしいレクリエーションがあったとします。これも『良いケア』です。

しかし、別々に見たら良いケアですが、合わせて見ると別の側面が浮かび上がります。

このケアを提供した相手、利用者様が、「リハビリをして家に帰る予定のない、施設生活を楽しみたい人」だった場合は理想のケアだと言えますが、「少し頑張ればトイレ誘導ができる、家に帰ることを目指している人」だった場合はどうでしょうか?

「頑張ってトイレ誘導する必要はない。レクリエーションで十分リハビリはできている。無理せず現状を楽しむことこそ良いケアだ。」という意見と、「トイレ動作もリハビリのひとつ。トイレの際に立ち上がりの練習をすることで、少しでも早く家に帰れるようにすることが良いケアだ」という意見に分かれるのではないでしょうか。

意見が真二つに分かれるように、正解は複数。どちらも良いケアです。
どちらかを採るためには、最後は会社の方針、施設の方針に基づいた介護リーダーの方針が必要です。
仮に全く同じケースが何回かあったとして、そのたびに違う選択を採っていたら、職員は方向性を見失い、ケアの線はジグザグになるでしょう。

直線を保つためには、介護リーダーとして何を重視するかという方針、一種の旗印が必要なのです。副次的な効果として方針があることで、自分の発言に一貫性ができ、周囲からの信頼を得やすくなります。
ケアの方向性を示すためには、天秤(業務そのものの良し悪しの判断)と旗印(介護部門としての重視するもの)の両方が必要で、どちらかが欠けると成り立ちません。

旗印はわかりやすく覚えやすい、シンプルな方が良いです。ざっくりとしたもので良いので、できれば3つくらいまで。利用者様が笑顔で過ごすために何が必要か?で考えます。
介護の仕事のお客様は利用者様なので、利用者様のためという要素が絶対に要ります。介護リーダーは他の職員よりももう一歩、利用者優先に軸足を寄せて置きます。
私の場合は「効率重視」「レクリエーションの充実」「接遇の向上」この三本柱でした。

ケアの方向性は「ここからここの範囲までしか許さん!」みたいな、制限をかける物ではなく、「ここを目指していきましょう!」みたいな職員皆の目標になる物の方が、モチベーションも上がりますし、人材育成にもなります。

9.リスクマネジメント(ルールを守らなければいけない理由)

介護施設での大きなリスクは「虐待」「死亡事故」の二つです。どちらのリスクにも当てはまる初歩の対策は「ルールを守りましょう」ということです。
子供の頃に教わるようなことですが、意外に守れないものです。

施設のルールよりもフロアのルールを重要視するフロアリーダー、フロアのルールよりも自分のやり方を重要視するベテラン職員、フロアリーダーよりもベテラン職員の指導を聞く新人職員。介護業界あるあるではないでしょうか。

ルールでガチガチに縛ることは、決して良いとは思いません。
しかし、なぜルールを守らなければいけないのか?そこには当然理由があります。

視点を施設よりも上に持っていくと、施設のルールの上にあるのが会社のルールです。更にその上にあるのが自治体や国が決めたルール、いわゆる条例や法律です。

上から順に並べると
法律→法人のルール→施設のルール→フロアのルール→個人のルール
このようになり、フロアのルールを破ることは、突き詰めると法律をも破ることに繋がります。
大げさに聞こえるかもしれませんが、「これくらいなら良いだろう」の積み重ねが虐待や
死亡事故を生んでしまうのです。

また、介護業界でよくあることとして、利用者様本人やそのご家族から指摘されて、大事になってから初めて問題に気づく。ということがあります。
これは、端的にいうと施設内またはフロア内のルール自体がおかしいことが原因です。
ルール自体は上位のルールに照らし合わせ、その範囲からはみ出さないようにしていても、モラルの部分で常識を逸脱しているケースです。

正確にいうと、指摘があった時点で多くの場合は上位のルールの範囲からも外れているのですが、ルール設定時のチェックでは見逃されていたということです。
何故見逃したのか?それはチェックした人物が「その施設内、部署内の常識」で判断してしまったからに他なりません。
「介護の常識、世間の非常識」という言葉もあるように、ルールを設ける際は特に、自身の常識が世間とずれていないか、自問自答しつつチェックした方が良いです。

10.リスクマネジメント(ルール違反した職員への対応方法)

一見するとルールを破ったように見える状況でも、即断は禁物です。
なぜ禁物なのかを説明する前に、まず次の質問について考えてみて下さい。

次の内不適切なケアはどれでしょうか?
① 利用者様をあだ名で呼ぶ
② 利用者様同士の喧嘩を止めるために大声を出す
③ 取り込みのある利用者様の部屋をこっそり探し、他利用者様の物を回収する
④ 転倒する利用者様を止めるためにスピーチロックをする

いかがでしょうか?
正解は全部不適切!と言いたいところですが、果たして本当にそうでしょうか?

①の場合は昔そのあだ名で呼ばれていて、その呼び方以外は反応しない認知症のある利用者様で、本人が嫌がっておらず、ご家族の了承を得て、ケアプランに反映した場合は不適切とはされにくいです。

②は双方の利用者様が難聴で、「誤解ですよ。」ということを伝えたかった場合はどうでしょうか?

③は取り込まれたものが、取り込んだ利用者様が間違って飲むと重体になるような薬である。取り込んだ利用者様は、すぐ飲もうと机の上に薬を置いている。この場合だとどうでしょうか?

④は数分前に転倒して頭部から出血している利用者様で、もともと医者から「次転んだら、死亡する可能性が高い」と言われている場合はどうでしょうか?

厳密にいうと不適切な事ばかりかもしれませんが、利用者様の命と表面的な正しさを秤にかけた上で選択したその行動が、間違っているとは言い切れません。
どんなケアでもまずは「何故そうしたのか?」その理由を聞くべきだと私は思います。

結果として、明らかにルールを破っており、その行動が間違っている時は、その職員に対してリーダーとして指導しなければなりません。
ここでも気を付けるポイントがあります。

それは「悪意があるか?ないか?」それと「反省しているか?していないか?」です。
2×2で4タイプあり、それぞれ指導方法も変わります。

以下に各タイプの指導法を記載しました。
共通の対応として、破ったルールに対応した処罰、処遇はあるものと考えてください。
虐待の場合は当然、各自治体に設置されている専門部署に通報します。

タイプA 悪意がある×反省していない
行動の背景にあるストレスや問題を聞き取り、ストレスケアや問題解決方法を一緒に考える。不適切ケアは許容されないことを理由と共に伝える。

タイプB 悪意がある×反省している
行動の背景にあるストレスや問題を聞き取り、ストレスケアや問題解決方法を一緒に考える。助言やフォローを行いつつ、今後の本人のケアを見守る。

タイプC 悪意がない×反省していない
本人の持っている知識や技術が適切か確認し、何がダメなのかを理解できるまで説明する。その上でどうやって適切なケアを行うかを一緒に考える。

タイプD 悪意がない×反省している
本人の持っている知識や技術が適切か確認し、何について反省しており、今後はどうするのか確認する。助言やフォローを行いつつ、今後の本人のケアを見守る。

ルール違反をした職員には、毅然とした対応が必要と同時に、同じ施設で働く仲間として何ができるか?を考え、寄り添って指導にあたりましょう。

11.リスクマネジメント(リスク管理の仕組みづくり)

リスクを回避する仕組み、それはリスクを早く発見し、有効な対応をするシステムを構築することでもあります。
そこで推奨したいのがSTPDサイクルです。このサイクルはPDCAサイクルと同じく業務改善に用いる思考方法の一つです。
PDCAよりも迅速な対応ができ、リスクマネジメントに優れているとされます。

STPDの内訳は
See(事実を見る)→Think(分析する)→Plan(計画を立てる)→Do(実行する)
介護に落とし込むとこんな感じでしょうか。
施設の観察(S)→発見したことの分析(T)→対策の立案(P)→周知と実施(D)→施設の観察(S)…

このサイクルを回すことで、職場のあらゆるリスクを洗い出し、重大事故の回避やダメージ軽減ができます。

それぞれ詳しくご説明していきます。

●S:施設の観察

分析の前に情報の収集が必要です。先入観を持たず、ただ情報を集めていきましょう。情報の取捨選択は次の工程(分析)に任せます。

ではどうやって情報を集めれば良いのでしょうか?

各部署の中心人物と良好な関係を築くことが何より大切です。現場からの生の声、それも現場をしっかり見ている人の声には比重を置きましょう。
ただ、限られたメンバーからのみ情報を集めていれば、どうしても偏りが出ます。

そこで欲しいのが
・ケアの実施内容が具体的にわかる
・時系列がわかりやすい
・情報が集約されている
そんな情報ツールです。

実はそのツールはどの介護施設にも既にあります。それが、『介護記録』です。
現場で耳にタコができるくらい聞く「記録は大事!」こういう裏側があるから言われています。サービスを提供した証明のためや、訴訟時の対策など、記録をする意味は他にもありますが、今回は割愛します。

介護記録以外にも業務の流れの中にチェックの項目を入れ込むことも効果的です。
排泄のチェックリストや、申し送り用紙も有効活用しましょう。

●T:発見したことの分析

分析するにあたって、してはいけない思考、NG思考があります。
代表的なものは4つ。
①「今余裕があるから大丈夫」
②「個人が失敗した/課題がある」
③「たまたま悪い結果になっただけ」
④「職員の意識の問題」
具体的になにがNGなのか?見ていきましょう。

①「今余裕があるから大丈夫」の思考は「現状は人手が多いから、こういうサービスができる。」「利用者様が少ないから、ここまで掃除ができる。」のような一見すると、できる限りのサービスを提供する素晴らしい考え方です。
この考え方が素晴らしいことは私も同意しますが、問題は「今余裕があるから〇〇ができる」よりも前にあります。
それは、その業務が本当に必要か?不必要か?検討していないこと。

皆さんご存じのように、時間も人も無限ではないです。つまり提供できるサービスには常に
限界があるということです。
限られた資源をどう有効に使うか?
優秀な介護リーダーは切迫感にも似た真剣さを持って決断します。

②の思考、「個人が失敗した/課題がある」について。
とんでもなく仕事のできない人間、悪意があって足を引っ張る人間は確かに存在します。
その人を責めたくなる気持ちはわかりますが、チームのリーダーとしてやるべきことは真逆です。

サービスを受ける利用者様にとっては誰の責任かは関係ありません。
個人の問題=個人の責任ではなく、個人の問題=チームの責任です。チームで何とかするという思考が大切です。
能力が低い職員の能力をどう上げるか?もしくはどうカバーするか?その部分を考えるのもチームワークではないでしょうか。

カバー方法の一例としては、怒りのコントロールが苦手な職員に対して、接し方に苦労している利用者様の接し方を周囲がアドバイスしたり、心に余裕がなさそうな時は業務を周囲が多く負担したり、アンガーマネジメントの外部研修に行ってもらったり、という方法があります。

③「たまたま悪い結果になっただけ」は悪い結果になった原因究明を放棄する考え方です。
本当は「たまたま」のタイミングは、チーム全体の総合力が低下したタイミングと同じです。
多い業務量が、マニュアルの不備が、伝達不足が、ゆるい雰囲気が、職員間の仲の悪さが、備品の老朽化が、高いストレスが、これらの複合が様々な要素はチームの力を低下させ、悪い結果を引き起こします。

分析の際は徹底的に偶然を排除して下さい。改善すべき要因を見つけるためには、多角的な視点が必要なので複数の職員と分析しましょう。その要因に至った根本的な理由を見つけるためには、いわゆる『なぜなぜ分析』一つの要因に対して「なぜそうしたのか?」を繰り返すことが有効です。

④「職員の意識の問題」この思考に至った際、その対策として頻繁にあがるのが、「職員の意識を上げる」というもの。意識改革には時間も労力もかかります。リーダーも含めたチームの全員が変わらなくてはいけません。
多くの場合は、改革終了まで問題や課題に待ってもらうわけにはいきません。

理想は全員が無意識でこなせるように、業務の流れの中に組み込むことです。もしくは厭でも全員が意識するように仕向けることです。

例えば、寝坊が多い人の対策として、ベッドから離れた所に目覚まし時計を置くというのがあります。
これは朝目覚ましを消すために歩くうちに、覚醒をするという効果を狙ったものですが、「朝起きなきゃだめだ!」と言い続けるのと比べた場合、どちらの方が効果あるかは一目瞭然ですよね。

●P:対策の立案

計画を成功させるためには3つの鉄則と3つのコツがあります。ここで言う鉄則は
「これを欠かしたら計画が失敗する」というもので、コツは「これがあれば計画の質があがる」という意味で使っています。

鉄則1は、いつでも実施できるか?です。
どんな素晴らしいケアでも、暇な時にならできる、人がいる時にできる。そんな、実施したりしなかったりするようなケアは、「やらなくてもよいケア」だと職員に認知されます。
やらなくてよいケアをやる余裕はないので、自然とその素晴らしいケアは消滅してしまうでしょう。

それに日によって、時間によってサービスが変動するような店は、商売が成り立ちません。『忙しいとおつりをくれないコンビニ』なんて最悪ですよね?とは言っても、24時間365日同じサービスを提供することは不可能です。
いつでもとは忙しさと人員充足度の平均値で「ほどほどに人がいる」
「ほどほどに時間がある」このくらいで考えましょう。

鉄則2は長期的に実施できるか?です。
これは鉄則1と似ていますが、鉄則1が守れていたとしても、職員が1日10分ずつサービス残業しないといけない。みたいな負荷がかかる業務だと、いつか破綻してしまいます。
必要なケアが業務の流れに組み込まれていることと、時間や労力が大き過ぎないことが、長期的に継続するポイントになります。

鉄則3は誰でも実施できるか?です。
鉄則1、2が継続を意識したものであることに対し、この鉄則3はケアの品質を意識したものです。
誰でもとは「一人立ちした新人」や「一番能力が低い職員」など、課題に関わる職員の能力の下限に合わせますが、誰がやっても均質のサービスを提供できる。というのは、サービスの基本ではないでしょうか。

3つのコツの1つ目はゴールが定めにくいもの(情報収集や試行錯誤が必要なもの)は、期限を決めて期間の終わりをゴールとすることです。
これは、目途をしっかり立て、計画がどこまで進んでいるか曖昧にせず、誰も計画の現状を把握していないという状態を避けるための処置です。

2つ目はゴールまでの大まかなイメージができること。
「大まかなイメージ」という言葉をより詳しくすると、要所ごとにどうなるかの予想が立てられるということになります。

出たとこ勝負の思い切りが大事とか、物事は予想通りにいかないからその場に合わせた柔軟な対応が大事とか、そんな考え方もあります。
リスクマネジメントにおいても一部同意できるところもありますが、利用者様の命と人生を預かる介護の仕事だけに、行き当たりばったりではなく、あらゆる事態を想定した計画を練ることが理想です。

3つ目は、過去の似たような事例を把握し、上手くいった解決方法を真似ることです。
人が人を相手にする仕事なので、全く同じケースは1つとしてありません。
なので、個人に合わせての調整が必要ですが、先輩たちの努力と叡智が詰まった『過去の事例』を参考にした方が、課題解決への近道となる場合が多いです。

●D:周知と実施

DOは実施や実行という意味合いで使われることが多いですが、実行する前には計画を職員に『伝える』という動作が必ず入ります。この情報共有の部分の精度次第で結果は大きく変わります。
なので、私の場合はDの中に周知も入れています。少し強引ですが『Dentatsu』伝達のDと覚えてください。

ここで突然ですが、周知の大切さを知っていただくための二つの質問を、心の中で回答お願いします。

Q1 どちらが覚えやすいですか?
A ひなうおぎわしせ
B ここはにほんです

Q2 どちらの挨拶の効果が高いですか?
A「大きな声であいさつすると良い」と教わってからする挨拶
B「みんなに聞こえて、元気な印象を周囲に持ってもらうために大きな声であいさつすると良い」と教わってからする挨拶

どちらもBが正解です。
Q1は何かを伝えたいときに意味が伝わることの重要さを、Q2は何かを相手にしてもらう時にその理由を知ることの重要さを、それぞれ示しています。
意味や理由を伝えるためには、何度も立ち止まり、相手の理解度を確かめると良いです。
そして、備えあれば憂いなしの精神で、複数のルートを利用して、部署内に確実に周知できるようにしましょう。

周知した後も、周知内容を実施しているか?時間がたって内容がずれていないか?これらの確認をすると、STPDサイクルがスムーズに回ります。

情報伝達の際には職員たちに、「この人は自分のためにやろうとしているな。」そう思われてしまえば終わりです。協力が得られにくくなりますし、みんなのモチベーションも低下します。あくまでも利用者様のため、職員みんなのため。その気持ちが伝わるように話して下さい。

実施がうまくいかない場合に良く使われている言葉の一つとして、臨機応変という言葉があります。

これは本来、全て現場判断、自由というような判断した個人に結果の責任を負わせるものではなく、リーダーを中心にルールを具体的に決め、その中で動くという、ある程度結果が出せる状況を作った上で、通用する言葉です。
つまり、行動の責任を負うべきはリーダー。だからこそ、他人任せにしないように、STPDサイクルを主体的に回していきましょう。

メンバー全員に実施してもらうこと、その記録を残してもらうこと。当たり前のようですが、この二つを徹底することが、次のSTPDサイクルにつながります。
一回のサイクルで課題解決しなくても、次の、その次の、そのまた次の…成功するまでサイクルを回し続ける。そんな覚悟も必要です。

何かを変える時に反対意見は付き物です。良い変化でも悪い変化でも、今までのやり方を変えることは不安ですし、疲れるので当然の意見です。その気持ちを理解できないリーダーに人は付いてきません。
しかし、リーダーに関してはそれが良い変化だと思ったのならば、あらゆる手段を使ってでも、他の職員の協力を得て、現状に変化を起こしてください。

リスクマネジメントができず、死亡事故や虐待が起これば、困るのは自分だけではありません。利用者本人、そのご家族、他の利用者様、全職員、施設関係者、多くの人間が困ります。リーダーとして、みんなのために頑張っていきましょう!

12.職場環境の向上(モチベーションを高める方法)

職場環境とは、シンプルに言うとみんなが働きやすいと思っていること。
待遇や人間関係、役割、チームの目標などが大きく関係します。
職場環境の改善は、リスクマネジメントと違い、不適切ケアの数や事故件数など、今の状態が数値で出しにくいです。そのため、現状の職場環境が良いか?悪いか?は、『何人の職員が現状をどう感じているか?』をメインの判断材料にします。

職員が働きやすいと感じるために、最も手っ取り早いのは、給料を上げることですが、その給料に慣れてしまうのも早く持続性がありません。なので、将来性を考えるとモチベーションの向上が、一番効果があります。
モチベーションを上げるには、職員一人ひとりに役割を持ってもらうことが良いです。
敎育担当、力仕事、事務作業、飲み会の幹事…内容は何でも良く、重要なのは『期待される』ことです。

期待されることは、その人の実力を認めた上で、チームに欠かせない人物であることを、示すことになるので、承認欲求や所属の欲求が満たされるでしょう。
また、役割を上手く果たすことは、自己実現にも繋がります。福祉業界で言わずと知れた、マズローの欲求5段階説です。

ただし、この『役割』注意しなくてはいけない点が3つあります。
・キャパを大きく越えた役割を振らないこと
・仲間はずれを作らないこと
・上の役職ほど大きな役割を持つこと
この3つです。

キャパオーバーは自信喪失に、不公平感は不信に、それぞれ繋がり、モチベーション低下を引き起こします。

また、モチベーションが上がっても、ずっとそのままの状態を保つことはできません。
職員の変動、業務の変更、人間関係の悪化など、職場では常に様々な変化が起こるからです。その変化をいち早く感じ、手を打つために、介護リーダーはアンテナを張り続ける必要があります。それは、職員一人ひとりの話をよく聞き、心身の状態に気を配ることです。
そうやってキャッチしたトラブルの種や問題を解決していくことが、高いレベルでの職場環境の維持に直結するのです。

13.職場環境の向上(問題解決の優先順位)

問題解決時にも押さえておきたいポイントがあります。ポイントの説明の前に、問題の種類についてご説明します。

問題には四種類あります。
①重要度が高く、解決への労力が大きい
②重要度が高く、解決への労力が小さい
③重要度が低く、解決への労力が大きい
④重要度が低く、解決への労力が小さい
この四つです。

当然、①②はリーダーとしていち早く解決するべきで、解決をすることが信頼に直結します。
ただ実は、①②は失敗してもリーダーの評価が下がらないこともあります。
それは、「問題が大きすぎるからしょうがない、もっと上の人間が解決するべきだ。」とか「あの人は私たちの為にすごく頑張ってくれた。」のように、他の職員たちが感じる場合です。

その反面③と④については、重要度が低いが故に「これくらいリーダーならできて当たり前。」そう思われるので、失敗すると大きなマイナスイメージを周囲に与えてしまいます。
特に④については、解決してもイメージが下がることもあります。解決への労力が小さいだけに、解決が遅くなれば、「自分はほっとかれた。」と相手に思われてしまうからです。
このため、状況によっては①②より③や④の問題解決を急がなければいけない場合もあります。

14.職場環境の向上(変革に立ちはだかる大きな壁)

職場環境の向上に取り組む中で、必ず介護施設に存在する壁に当たります。壁とは何かを変革する際に言われる言葉、職員からの意見のことで、職場環境を良くするためには真正面から向き合うべき問題です。
必ず存在する壁、それは「時間がない」「人がいない」この二つの壁です。

結論から言うと、この二つは永久に足りません。一人の利用者様の要望にすぐ対応しようとすれば、最低でも一人の職員が常に横についている必要があります。
それが24時間、仮に休憩を取らなかったとしても、一人の利用者様に対して一日三人の職員が要る計算になります。

国が決めた介護施設の人員配置基準は3対1。利用者様三人に対して職員一人…真逆ですね。その上、条件付きですが国は人員配置基準を4対1にしようとしているくらいです。永久に足りません。
その足りない中でも、優先順位をつけたり、業務改善したり、機器などを導入したりして、何とか『良いケア』を提供しているのが、ストレスの低い施設です。

時間があれば、人がいれば…そう嘆き続ける施設は、ストレスが高くなります。
何かをやる時に「〇〇だからできない。」という、自分たちではコントロールできない要素のせいにするのか、「〇〇だけど△△すればできる。」という、自分たちでコントロールできる要素に置き換えるのかは、ストレスの有無に大きく影響します。

介護リーダーは、自分の施設を嘆く施設にしないために、諦めず挑戦する姿勢、豊富な解決策、周囲の鼓舞など、多くの能力を求められるでしょう。

15.職場環境の向上(具体的な不満とその解決方法)

職場環境改善において、介護リーダーに求められるものが、トラブル時の対応、解決です。
上司は部下の話に耳を傾けるのが大切だという言葉をそのまま受けて、ただ話を聞くだけで「自分は部下に寄り添っている」満足して、解決に取り組まない上司もいますが、要注意です。

話しを聞くことは大切ですが、対応すること、解決することはもっと大切で、「何かあればリーダーが動いてくれる。」そう職員に感じてもらうことは安心に通じます。
安心の逆は不安。ストレスがかかる職場へまっしぐらです。行動に移すことを意識してください。

ここでは、よく起きるトラブルとその解決策についてご紹介します。

まずは、職場での二大不満。
・業務(仕事)がしんどい
・人間関係が悪い(いじめ、ハラスメント含む)
この2つについてです。

職員に業務がしんどい。そう言われた時の解決方法は、
①業務を他の職員に振る
②業務自体を削減する
③その職員に頑張ってもらう
これら3つしかありません。

どの手段を選ぶかは、以下のことを考慮しつつ決めます。
成長に伴い解決する問題か?苦手な業務があるのか?体調、年齢、疾病などが原因か?モチベーションが低下しているのか?

成長に伴って解決するなら③の手段をとる。苦手な業務なら、これを良い機会として、その職員の育成をする③を選ぶか、今は時期尚早と②の手段をとるか、個人の今の状態、部署の状態を見て選択しましょう。

また、業務がしんどいという、不満の声が上がった時に、その業務を負いがちなリーダーもいます。一時的になら良いのですが、ずっと続けるかどうかは、その業務は本当に必要か?リーダー以外にはこなせないのか?そこら辺を考えておかないと、誰でもできる業務でキャパオーバーなリーダーが誕生してしまいます。
これは、リーダー業務をこなす余裕がないくらい頑張っているのに結果が出ない。できないリーダーの典型例です。リーダーもチームの一員なので、負担はチーム全体で分けましょう。

人間関係が悪いという不満が職員から上がった場合は、「よ・い・か・い・ご・し」で対応します。
この言葉は介護施設での、人間関係改善の心得6個それぞれの頭文字を取ったものです。

り良いケアのためにどうするか
※最終判断は利用者様の為に何が良いかを基準とする

っぽう(一方)の話だけ聞かない
※必ず双方の言い分を聞く

いけつ(解決)できなくても改善する
※解決しない問題でも改善の取組みを行う

っかん(一貫)した考え方で対応する
※人によって言う事を変えない

めんなさいはお互いに言う
※基本は喧嘩両成敗、疑わしきは罰せず

てはいけないことを明確にする
※差別やハラスメントに対しては上長の指示を仰ぎつつ、毅然と対応する

以上の心得に沿った対応を心掛け、指針として示すと、大概の人間関係のトラブルは解決します。

もちろんですが、二大不満以外にもよく出る不満はあります。それは、部署間のトラブルについてで、施設では結構よく聞きます。

施設にもよりますが、ほとんどの施設には介護士以外の職種の職員も働いています。看護師、リハビリ、介護、事務職など。それぞれ視点が違うので、衝突は避けられません。
また、同じ介護士同士でもフロアやユニットが違えば対立することも多くあります。
下手をすれば、話は平行線を辿り解決しないまま終わる場合も珍しくないので、ポイントを押さえた対応が大事です。

ポイントを押さえた対応とは介護部門の代表としての『立場』を明確にし、利用者様のためであるという『大義』を持って、部署間の交渉にあたることです。
ただし、施設介護は部署同士の協力がなければ成り立ちません。一つの部署の意見だけを一方的に押し通すのではなく、相手の言い分に耳を貸し、妥協点、いわゆる落としどころを見つけてください。

また、不満の中には、どう対応して良いか分からないものもあります。
・入社以前に分かっていた事(給料や勤務時間など)
・明らかに不平等な事(夜勤を自分だけ多くしてほしい、あの職員辞めさせてなど)
・運営が成り立たなくなる事(人員配置基準を大幅に越える職員を配置してほしいなど)

これらの不満はそれ自体を解決するのは困難ですが、「できない」と切り捨てるのではなく、その裏にある職員のストレスをくみ取って、できる限り気持ちに寄り添いましょう。

16.人材育成

人材育成の目的は2つに分類できます。職場全体のレベルアップを意図したものと、次の役職者を育成するためのものです。

職場全体のレベルアップと聞くと、介護施設では、施設職員に集まってもらい内部研修を行うイメージがあるのでは無いでしょうか?
無論効果はありますが、24時間稼働している老健や特養、グループホームなどの施設で、全員が集まることは不可能です。
なので、何日間に研修を分けるか?出られる人だけ参加してもらうか?になりがちです。

また、全体を対象にすると生じるデメリットとして、教える内容が出席者の能力に合わせられないことが上げられます。合わせられない理由は、出席する職員の能力がそれぞれ違うからに他なりません。

これらのことから、職場全体のレベルアップを考えた時に有効なのは、能力が低い職員に対象を絞った研修や指導です。指導は座学よりも体験型の方が良いとか、ものによっては座学の方が良いとかはありますが、それよりも前の段階、どの能力が足りておらず、原因は何か?この部分の分析をしっかり行うことの方が指導の成否に深く関わります。

知識はあるがやる気がないのか?技術が足りていないだけなのか?人間性に課題があるのか?
個別ケアは介護でよく言われる、利用者様一人ひとりを尊重したケアのことですが、職員への個別ケア、一人ひとりに重点をおいた分析と指導が重要です。普段の関わりの中での指導プラス研修のような形が理想的です。

指導方法も、注意ばかり行う。完璧にならないと合格させない。正解はひとつだけ。のような、職員を萎縮させ、考える力を奪う指導ではなく、相手を褒めて認める。失敗も勉強のひとつ。正解は色々ある。のような、自分で考えて動ける。そういう職員を育てられる指導を多く用いましょう。
厳しく指導しなくてはいけない場合は、利用者様の命に関わる場合と虐待の恐れがある場合のみです。

2つの分類のもう一方、次の役職者を育てるための指導ですが、その職員が今どの段階にいるかによって、大きく指導内容が変わります。
また、大前提として、リーダーに向いている人。芯がある、忍耐力がある、人を慮れる、責任感がある、決断力がある、視野が広いなど…
これらの要素がある。もしくは、指導次第では伸びる見込みがある職員に対象を絞ることにはなります。

介護歴が浅い職員の場合は、まずは基礎体力向上。この基礎体力とは自分で考えて答えを出す力をつけることです。極論ですが基礎体力さえ身につけばあとは何とでもなります。

自分で考えるためには、①介護の知識②自分への信頼③考える癖が必要なので、
①には、現状のケアの方法は、どんな理由でその方法をとっているのか?その細かな説明。
②には、対象の職員の強みを褒め、出した答えを否定しない。
③には、対象職員の言動について、何故そうしたのかの理由を頻繁に訊く。
これらのアプローチを行うと効果があります。

中堅職員の場合は、得意種目を作るそして伸ばすことです。得意種目は、排泄介助、認知症ケア、入浴介助、他部署との話し合いなど、そのフロアやユニットで重視されている分野であれば、どれでも良いです。
その分野のスペシャリストになることで、他の職員への指導力向上や部署内での信頼度アップを狙います。

また、この分野では部署内で一番だ!そんな自信を対象職員に持ってもらえると、意見を積極的に出してもらったりとか、責任感を持ってもらったりとか、リーダーに必要な能力を獲得できる、リーダー研修のような役割が果たせます。

ベテラン職員の場合は、どれだけ多くの得意種目を作るか?この一点です。
介護リーダーは現場の代表。介護に関する全ての事柄に自分の意見を持っていなければいけません。
介護以外にもリスク管理能力、人材マネジメント、労務管理など、施設によって、あらゆるジャンルの能力が求められます。『得意』をどれだけ増やしていくかが、リーダーに相応しいかを決める基準となります。

ここまで話すと、能力が高くもなく低くもない、中間的な職員はどう指導するのか?疑問に持たれる方もおられると思います。施設全体の研修に全く意味がないとは言いません。
ただ、それよりも能力が低い職員を育てて、その部署内のケアの最低基準を底上げし、能力が高い職員を育てて、部署内の中間的な職員への指導を能力の高い職員にしてもらった方が、遥かに効果があります。

人材育成の最後に、育成をより効果的に行う考え方をご紹介します。

育成というと相手に何を経験してもらうか?学んでもらうか?という『相手にどう動いてもらうか?』に目が行きがちです。
しかし本来、相手に動いてもらうためには、まず『自分が何をするか?』が大事です。

人材育成の場合、学習の流れ(相手の動き)が
①自身の能力を知る
②学ぶ意欲を持つ
③学習する
④学習内容が記憶に残る
⑤学んだことを実践する
⑥学んだことが習慣になる
こうだったとすると、

自分の動きは、
❶求める基準を示す
❷期待をかける
❸機会や役割を与える
❹相手が覚えた範囲を把握する
❺相手の動きを観察する
❻相手の動きを認める、褒める
こうなります。

相手ではなく、自分が何をするか?が人材育成の核となる考え方だと私は思います。

色々と方法論を話しましたが、真に大切なことは、指導対象から信頼されることなので、介護リーダーとしての自分はどうなのか?何を成して、どう人と接しているのか?この部分は普段から意識してください。

17.『適切』を見つける方法

この記事の序盤で、介護リーダーに必須なのは、適切なポイント(課題や問題、伸びしろ)に適切なアイデアを、適切なタイミングで実行する。ことだと言いました。
また、同じ話の中で介護リーダーには経験、知識、頭の回転の早さよりも、介護の理想像を持っていること、頭の柔らかさ、思考する頻度の多さの方が重要だとも言いました。ポイント、アイデア、タイミングは、介護の理想像、頭の柔らかさ、思考頻度の多さと、深い関係があります。それぞれの関係について、もう少し掘り下げてみましょう。

介護の理想像とは、目標と介護観のことです。フロアリーダーならフロアの目標を、介護リーダーなら施設の目標を明確にすることが大切です。
これらはケアの方向性とほぼ同義で、目標を決めるには、利用者様が笑顔で過ごすためには何が重要か?に加えて、職員が笑顔で過ごすためには何が重要か?も考えることが不可欠です。

そして、出た答えをもとに目標を定めます。
また、介護観を磨くためには、小さな決まり事も何故そう決まっているのか理由を考える。 フロアや介護部門内にある主な業務をできるようになり、基準を掴む。これらの努力を積むと良いでしょう。

そうして具体化した理想像をもって、本来あるべき姿と現在の姿のギャップ、 良いケアと最低ラインとのギャップを見つけます。 そのギャップこそが、介護リーダーが介入すべきポイントです。

頭の柔らかさとは違う価値観を受け入れることです。
自分の考えが正しいというような、安っぽいプライドではなく、フロアのためになるなら恥をかいても良い、悪者になっても良いというプライドを持ち、出た意見をまず試してみることで、柔軟性は養われます。

なりふり構わないというプライドを持ち、出た意見を否定せず試す姿勢や、失敗さえも経験ととらえて、受け入れる姿勢を貫いて下さい。これらの姿勢は多種多様で奇想天外なアイデアを生み出します。
そして、前向きで柔軟なリーダーの姿勢は他の職員に伝播し、やがては職場風土となるでしょう。

思考する頻度の多さとは「これで良いのか?」とケア方法や部署のあり方などを日々問い続けることです。

現状維持は前進し続けないとできません。リーダーには、自分が気を抜くと部署が崩れると言う危機感を持ち、勤務中はいつも『より良い職場』を目指す責任があります。
部署内で出来ていない部分=リーダーの意識が甘い部分です。
そうして抱いた危機感と責任感が油断をなくして、可能な限り早く出来ることを行うという姿勢に繋がります。適切なタイミングというのは、最速の対応に他なりません。

この説明からもわかるように、ポイントもアイデアもタイミングも、理想像、柔らかい頭、思考頻度の多さを意識すると、すべて『適切』が見つけられるようになります。
これら3つを用い、介護リーダーに必要なケアの方向性を示す、リスクマネジメント、職場環境向上、人材育成。いわゆる四大業務を行うことで、介護リーダーとして成功するでしょう。

18.隠れた第五の業務

介護リーダーとしての役割、四大業務をこの記事ではご紹介してきました。しかし、実は四大業務が占める時間は労働時間の3割程度で『介護リーダー』と言っても、実際の仕事の7割くらいは裏方的な作業です。

その裏方的な作業とは現場の職員も出来るけど介護リーダーがやるべき業務。言うならば四大業務プラス1です。

具体的に裏方的な作業のひとつとして施設の備品や設備の修理、修理業者との日程調整や工事の立会い、物品の買い替えなどの営繕のようなこともします。

介護リーダーがこの業務をする理由は、介護の仕事と直接は関係ない仕事で専門的な知識も必要ない。本来は誰でもできる仕事なのですが、現場には修理をしている余裕がなく介護リーダーがやるしかないからです。

数分間の修理時間で済むならばフロアでも可能なものの、数時間単位ともなると人員配置基準ギリギリで働く現場の介護士には時間が作れません。 
かといって介護リーダーに時間的余裕があるわけでもないのですが、そこは何とか作ります。

他にも職員たちの愚痴聞き屋みたいな業務もあります。
聞いているだけだと「あの人は何もしてくれない。」と職員に思われてしまうため、迅速な対応を心掛けてはいますが、それでも批判されることは多いです。

あちらを立てればこちらが立たずで、常にどこかの部署からは嫌われていたりもします。施設のため、利用者様のため、職員のために、時には施設の管理者側から話し、時には一つのフロアの味方をし、時には全員に良い顔をしなければいけません。

私も「自分は何をしているんだろう?」「これは介護リーダーの仕事ではないんじゃないか?」「もう介護士とは名乗れないかもしれないな。」
 そういう、やるせない気持ちを抱えていた時期もありました。正直に白状すると今でもちょっと思う時もあります。

ただ、介護リーダーがそういう誰もやらない仕事をすることで、部署間、フロア間、職員間の潤滑油的な役割を果たし、施設運営が上手くいくことも事実です。
上の役職の人間がクッション役にならないと、軋轢が生じた時に溜まったストレスは弱い立場の職員や利用者様に集中するでしょう。

先程の営繕と愚痴聞き屋も同様です。
施設の大きな営繕をフロアに任せると業務超過や残業超過に繋がります。かといって設備が壊れたままだと事故リスクが上がりますし、現場が仕事をやりにくくなります。

愚痴を放置していると、モチベーションの低下やストレスの増大を引き起こし、虐待、集団退職、いじめなどに繋がります。

他にも、職員の手が足りない時に現場にヘルプに入ることも潤滑油としての業務のひとつです。

理想を言うならば、職員を『家族』施設を『家』だと思えば、地味で時間を取られる業務もあまり苦になりません。

少し綺麗事にはなりますが、家のため、家族のための大きな愛のような心が求められます。100%はそう思えないまでも、4〜6割くらい愛情を持つことができれば、かなり気持ちも楽になりモチベーションも上がってきます。

また、裏方的な業務でも絶対に必要な仕事。そういう目立たない部分こそ見てくれる職員が何人かは居るもので、地味な仕事をコツコツと確実にする人が本当の意味で信頼されます。

反対に「誰でもできる業務はしない」と派手で目立つような仕事ばかりする人は、「偉そう」「現場のことを考えていない」「人間が薄っぺらい」そんな風に思われ信頼度が低くなりがちです。

ただし、注意点が一つ。地味な仕事を介護リーダーが一人で全部すると、介護リーダーの残業が超過しますし、四大業務に手が回らなくなります。
一から十まで一人ですると、他の誰も同じ業務のやり方が分からなくなるため、後進育成のことを考えても良くないです。

なので、現場の余力を正確に把握し現場で出来ることはしてもらいましょう。
介護リーダーはあくまでも過剰な負担を請け負う潤滑油です。施設や事業所によって業務内容に差異はあれどこの地味な作業、潤滑油的役割を果たすことは介護リーダー共通の役割です。

「これもみんなのため。」そう言い聞かせて働きましょう。

19.最後に…

介護リーダーは現場と管理者側の橋渡し、調整役です。ストレスが溜まりますし、時には上からも下からも嫌われることをしなければいけません。
そんな中でも意識しておきたいのが、施設の皆は仲間だということです。

介護部門を守るのが介護リーダーの仕事、施設を守るのが管理者の仕事、利用者様のケアを行うのが一般職員の仕事なので、意見が衝突することはあるでしょう。
しかし、上司や部下の事を好きでも嫌いでも、協力を得ないといけないタイミングがあることも事実です。

介護部門を守るために、時には上司に逆らうこともありますが、最大の防御は攻撃されない事です。
部門全体を守るために、一部の職員に厳しく指導することがあっても、嫌われ過ぎれば、受け入れられません。

もちろん、職員に媚びる必要はありませんが、あえて嫌われる必要はないのです。心情的にも、業務的にも多くの職員に好かれていた方が働きやすい。
そうなると求められるのが『愛をもって接する』こと。仲間意識を持ち、施設全体のために働くことです。施設の皆は、決して敵ではありません。

最後になりますが、この記事を読んで頂いた方の中には、介護リーダーに求められるハードルの高さを感じて、憂鬱になったり、不安になったりした方もおられるかもしれません。

しかし、介護リーダーだけではなく、役職者に指名された時点で、その人は『必要な要素を持っている』もしくは『今後獲得できる』と上司に見込まれた人です。

選ばれたという自信を持って、あまり思いつめずに自分のメリットをしっかりと意識しながらリーダー業務に臨んでください。
介護業界をもっとよくするために、一緒に頑張っていきましょう!

20.おまけ

この記事を読んでくださった方に感謝を込めて。

介護リーダーとして、職員から認められるために重要なのがリーダーに成り立ての時の立ち振る舞い。第一歩目を踏み外さないことです。

一歩目を外さない秘訣はとにかく現場をよく観察すること。1、2ヶ月くらいかけてじっくり見ることが良いです。

課題を見つけるとすぐに改善したくなるかもしれませんが、全てを受け入れるくらいの気持ちでまずは観察を優先します。

月単位での業務の流れを把握せずに、一つひとつの業務だけを見て「ここを改善すべきだ。」と言って業務のやり方を変えても全体で見ると流れが悪くなり、逆効果になることもあります。なので、虐待などの大きな問題は別ですが最初は見に徹しましょう。 

時間をかけて観察することで、現場の職員も「あの人は理解しようとしてくれる。」と協力的になってくれる可能性も高まります。

観察の際は職員同士の関係性、力関係もよく見ておき、課題解決のためには誰に?どのような言い方で?何をしてもらいたいか?といったアプローチ方法を把握しておくと介護リーダーの業務が更にやりやすくなります。

ゆっくりじっくり働いていくことが、みんなから認められる一番の近道です。「急がば回れ」昔の人は良いことを言いますね。

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