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カルマの結果

「まあ 返さないだろうな…。」 私は幼い頃から、学校中の全員としゃべるけどひとりも友達じゃない というタイプなので、そんな私に金を借りにくる人間など誰もいなかった。 もちろん借りたことも一度もない。ぼちぼち計算して生きているからだ。

しかし、私は人に金を貸すのは初めてではない。 というか、けっこう慣れている。 何度も何度も借りに来る人がすぐ側にいたからだ。 父親だ。

私の父親の口ぐせは、「今度、一千万円入る。」 夢のようなことを言い、一攫千金を狙って、そして蒸発した。私は父に90万円貸していた。
「ありがとう!1000倍にして返すから!!」 私から金を受け取り、そう言って帰っていく父の背中を見ながら、「絶対無理だろ…。」 そう思いつつも、息子としては応援していたのだが…。 

過ちは人の常、赦すは神の業。 一度たくわんになった大根は、もう大根には戻れない。 

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