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映画「アイランド」(2005年公開)

個人的所感によるあらすじ

大気汚染から救出され、管理の行き届いた安全で快適なコミュニティで暮らすリンカーン。ここのの住人にとっての夢は、地上で唯一汚染されていないといわれる「最後の楽園」“アイランド”へ行くこと。その抽選会の結果に一喜一憂する日々。

だがある日、リンカーンは換気口から入ってきた一匹の蛾を発見してしまう。外部は汚染され命は絶滅したのではないのか?
やがて独自に調査を進めるうち驚くべき事実に気づいた彼は、「アイランド行き」が決定したジョーダンと共にコミュニティから逃亡するのだが。

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ちょっとネタバレな感想

”クローン”という重いテーマを見応えのあるエンターティメントにした手腕は認めるし、よくできた作品ではあるのだが、やはりテーマがテーマなだけに、この結末でいいのかという疑問は残る。

コピーであるリンカーン達の側から描かれているせいもあるけれど、「オリジナル=強者、コピー=弱者」的な視点が貫かれているので、”オリジナル”である自分は観ていてどうも心許ないような落ち着かないような気分にさせられるのだ。

強者VS弱者という描き方になった時点で結末は予想できたけれど、実際にそれを目にしてしまうと・・・この辺の捉え方は人によるかもしれないが、どこかすっきりしない。


ジャイモン・フンスー演じるローレントがショーン・ビーン演じるメリックに「神様になりたいんだろ?」と問うシーン。

字幕では「命を作る」となっていたが、実際には「give life」と言っていたのが耳に残った。

「give life」命を与える。命を与えることができる。

こんな考えを持った時点で、確かにオリジナルである私たちは滅ぶのかもしれない。

それにしても生き延びるためとはいえ、建物は壊すわ看板は落っことすわ交通事故は起こすわ店に突っ込むわ、超メーワクな主人公二人。ユアン・マクレガーとスカーレットヨハンソンという、アクションもばっち来いなキャストの意味が分かるような気がする。
彼らが生き延びる為にいったい何人死んだか指を折るだけで、命というテーマからのあまりにかけ離れていることに呆れつつ、その矛盾にほんの少しだけ救われた気分になる。

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