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二十四煎目:琉装とは


琉装は、沖縄独自の伝統衣装であり、特有の文化や歴史を色濃く反映した衣服です。その鮮やかな色彩と独特のデザインは、沖縄の自然と人々の暮らしを象徴するものです。琉装の歴史、種類や特徴について紹介します。

琉装の歴史と起源

琉装の起源は、琉球王国時代にさかのぼります。その時代は、中国や東南アジアなどとの交易を通じて、多様な文化や技術が沖縄に伝わりました。
琉装は王族や貴族から民間に至るまで、琉球王国の歴史の中で、身分や場面に応じた様々な形で発展しました。特に、正式なものは色彩や柄にそれぞれ意味が込められ、沖縄の豊かな自然や神話を象徴するものが多くあります。

現代においては、琉装は沖縄の文化や伝統を象徴する重要な要素として、主に三線や踊りなどの舞台で使われています。さらには、伝統的な祭事や結婚式などでも着用されており、リゾートウェディングなどの観光客にも人気です。

琉装の種類と特徴

男性用琉装

男性用の琉装は、和装とほとんど変わらない形です。特徴としては、腰のあたりを太めの帯で固定し、複雑な結び目を前に見せるようにします。
頭に被っている「ハチマチ」という帽子は身分を表し、一番上の位が黄色、次に紫、水色、藍色と色によって身分を見分けられるようになっていました。このハチマチは昔は布を巻いて使用していた為、後頭部がターバンのような形になっているのはその名残とも言われています。

女性用琉装

女性用の琉装は、腰のあたりに細帯を締め、その上から着物を着て、腰の部分で上に着た着物をつまんで細帯に挟み込む「ウチンシー」という着付け方法を用います。和服のようにおはしょりは作らず、対丈で仕立てます。
女性の王族は紅型の衣装を主に着用しており、色にも厳密な決まりがありました。黄色が最上位で、水色、薄紅色とされており、現代で琉装と一般的にイメージされる黄色系の衣装は、実はかなり高位のものでした。
髪形もからじ結いという、頭の上にお団子を載せたような形に結い上げます。よく見られる「花笠」は踊りの際に用います。

琉装は、沖縄の豊かな自然と文化を反映し、沖縄独自の発展をした美しい伝統衣装です。しかし、身分制度がしっかりしていた沖縄では、色鮮やかな衣装は王族だけのものだったのです。

多様な染織物文化

沖縄では、本島をはじめ、久米島、宮古島、八重山諸島の各離島で独自の織物技術を発展させてきました。
伝統的な模様やデザインだけでなく、ミンサー織や紅型、首里織や芭蕉布、琉球絣や花織、宮古上布など、地域ごとに特徴ある染織物が存在しています。
特に近年では、民芸などの分野で高い評価を受けています。

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