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映画 「スパイダー・フォレスト ~懺悔~」(2005年公開)

個人的所感によるあらすじ

顔の見えない誰かに襲われ、あげく交通事故に遭って、ぼろぼろになりながら二週間後に意識を取り戻したテレビプロデューサー、カン・ミン。混乱した記憶の中で、「蜘蛛の森」の別荘でふたつの死体を見たことだけが頭から離れない。さらにその惨殺死体はカンの恋人と上司。疑われる彼は自分を取り戻すために、なんとかバラバラの記憶を繋ぎあわせようとあがくのだが。

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ちょっとネタバレな感想

知らない男から「蜘蛛の森」へ行くよう指示されたこと。
飛行機事故で死んだ亡き妻と現在の婚約者。
深夜のテレビ局と取材依頼の手紙。
亡き妻にそっくりの女性。田舎の町の片隅の写真館。
残酷な伝説が眠る深い森とそこにいた少女。

ひとことで言ってしまえば、よく考えられたパズルのような映画。静かで、悲しくて、ノスタルジックで、美しい。まるで誰かの記憶の中にうっかり入り込んだみたいに。

時間軸が進んだり戻ったり、見れば見るほど謎が深まる。けれどその時間軸のずれをうまく使い、最後には集約させる手腕はなかなか。
実はとてもシンプルなのに、それがあまりにも複雑に見えるところに、この映画の醍醐味がある。

人の思いは、一途な故に残酷で、記憶はいつも甘くて切ない。そして限りなく自分勝手だ。

ラストは賛否両論あると思うが、見ればタイトルに「懺悔」とついている意味が、きっとわかるだろう。

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