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おもしろがる視点

ラジオを聴くのが、趣味のひとつである。

イヤフォンから聴こえてくるパーソナリティーの声に耳を傾けるのは至福の時間だ。

ラジオというメディアは、ほかのメディアに比べて、その人の温度が伝わりやすく、距離感が近い。なんとなくだが、本音に限りなく近く、人間性が如実にあらわれる印象。

毎週欠かさず聴いているのは、「ハライチのターン」と「おぎやはぎのメガネびいき」「バナナマンのバナナムーンゴールド」「オードリーのオールナイトニッポン」の4番組。

どの番組も深夜のファミレスで友達とグダグダと話している、あの雰囲気が感じられてとても心地よい。

で、毎回、聴いてて不思議に思うことがあるというか、感心することがある。

それは、よくもまぁ、おもしろい話がポンポンと出てくるなぁということだ。それがプロだと言ってしまえばそれまでなんだけど。

ラジオは週に一回の放送。

普通に一週間をぼんやりと過ごしていたら、おもしろいことって、そうそう起きない。どこかに旅行に行ったとか、特別なことがあれば、話もありそうだけど、ほとんどは平凡な日常の連続だ。

そんなことを考えていたら、ある本(アイデアの出し方についての本)に載っていた言葉を思い出した。

うろ覚えで、申し訳ないが、ある作家が、小説を書く方法について語った文章だった。

街に出て、1人のタクシー運転手をつかまえる。その男は、ほかのどの運転手と比べても、特段変わったところなどないように見える。しかし、君の描写によって、その男が世界中のどの運転手よりも違った人物に見えるまで、君はその男を観察しなければならない。

確かこんな感じ。大まかには合っていると思う。

世の中、わかりやすくおもしろいことは転がっていない。そのなんの変哲もない、他人が通り過ぎてしまう、現象や人物をおもしろがれるか。そういう視点を持つことができるか。

観察力の優れた人なら、人が気付かないおもしろポイントを、ごく普通のタクシー運転手にもすぐ見出せるのだろう。

ぼくは、まだまだ修行が足りないらしい。

相手に伝わるように話したり、書いたりすることには、もちろん構成力や間、言葉選び、比喩などが必要になってくるが、おおもとはたぶんこの日常に潜むおもしろさを感じ取れるかどうかにかかっている気がする。

気付いてないだけなのだ。

こんなふうな視点で世界をのぞけば、日常にもおもしろいことは転がってるはずだ。

#エッセイ #コラム #日記

Twitter:@hijikatakata21

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