華氏451度
みなさんはNHKの『100分で名著』という番組はご存知でしょうか?
今月の課題図書はタイトルのとおり、『華氏451度』(ブラッドベリ著)である。
この番組では名著をとても端的にわかりやすく再構成して、視聴者に本を紹介してくれる。本を読んで得る情報を、専門家の見解をふくめ、手っ取り早く得られる番組だ。
小難しい本を読むのが苦手なわたしにとって、この番組はとっつきやすくてとても大好きである。
“端的に”
“要約して”
“手っ取り早く”
伝えてくれる媒体。
「良い番組だなぁ」としか思ってなかったけど、ここに集約されるすべてに対し、とても考えさせられる内容がどうやら『華氏451度』には書いてるらしい。気になる人は本書か、番組を見てください。
わたしは世間の流行にすぐ飛びつく方ではない。一足遅れて使い始めることのほうが多いと思う。
流行遅れでバカにされたことはないけど、する人が世の中にはいることもわかっているし、現にじぶんの親や祖母がスマホを使いこなせないとイライラしたこともある。
でも、人間の生活を楽にしようとどんどん技術の進歩と消費社会の加速した結果、どんどん余暇がなくなるという矛盾。
それが本を読むこと習慣や、作品の質にも関わってくるなんて思ってもなかった。
わたしが今書いているエッセイ。無名の作者のエッセイの読者を増やすには、どうやら、“文章ではなく漫画にするといいらしい”ということ皆さんは知っていただろうか?
たしかにわたしもnoteでとっつきやすいのは断然漫画のほうである。
この平易なかたちに表現を変えていくことも、『華氏451度』では消費社会の加速化の影響だという。漫画もじぶんで熟考する時間をどんどん削ぎ落としていったかたちなんだろう。
では文章なら違うかというと、文章でも表面的なこと、わかりやすい話しかしなくなったり、そういう本しか売れなくなったり、検閲的な影響から極端なことをいうような本もなくなった世の中に既になっているとのこと。
わたし自身に対してうすうす感じてたけど、
“考えることがめんどくさい”
“はやく正解にたどり着きたい”
“お金にならない(職)ものはしない”
そういうの意識が、進歩が早すぎる社会のなかでしらない間に染みついてしまっていて怖くなった。
お金にならない哲学、文学、答えのない社会学という考える学問の人気がどんどん落ちているらしい。
考えることをわたしたちはもうずっと前に放棄しているらしい。
なにかここで一度立ち止って考えなければ、変えなければじぶんの習慣を、本を読んで思考して、、、と何となく怖さを感じた。
本日『華氏451度』最終回ですので、ぜひご覧ください。
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