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のんびりと進んでいく

 久しぶりに、1日殆ど家から出ずに過ごした。午前中は何もやる気が起きなくて、ずっとぼうっとしていた。午後になって食事を作ったり(もちろん自分の分だけだ)、部屋の掃除をしているうちに、とりあえず生活を回している感触を得た。

 昨日はよく動き回る1日だった。午前のうちにジョギングをし、昼食後に仮眠をとった後、夕方から実家に帰って母の誕生日祝いで食事に出掛けた。実家に帰る直前に父から電話が掛かって来て、いきなりケーキを買う役まで任された(お店と買うものは指定してもらったけれど)。じっくり振り返ればキリがないほど、濃密な1日だった。その反動で、今日がのんびりした1日になったのかもしれない。

 もっとも、自分がドロドロ溶け出してベッドとひとつになりそうなくらいのんびりした日だって、たまには必要だ。来週はとあるマラソン大会に参加し、10km走る。泊りがけで出掛けるので、土日はずっとアクティブモードだ。それを思っても、今日はやはり休むに限った。

 そういえば、会場の町へ行くための切符は、今日予約を取ったのだった。その移動中にプチ観光するためのカーシェアの予約も今日取ったのだった。どちらも大して時間のかかることではないが、ちゃんと手続きをして物事を前に進めるのは気持ちの良いことだ。

 やりたいことをやるためには、事前準備が要る。当たり前のことだけど、僕はその準備を後回しにしがちだ。ちょっとしたことでも、「やるぞ!」と気合いを入れないと取り掛かれない。その癖して、やらなきゃいけないことはわかっているから、手つかずのまま放置していると、ずっと気になってしまう。我ながら面倒くさい性分である。

 そうしてみると、今日は単にのんびりだらだらした1日ではなく、ずっと心のどこかに引っ掛かっていたことがキレイサッパリした1日でもあったといえる。なるほど、だからこそ、僕は今こうして筆を執ろうという気になったのだろう。

(第222回 2024.05.12)

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