ムニア(新大久保のための下書き)
いいか、ムニア。俺たちみたいな流れ者には、本当に物事を見極める力が必要なんだ。鍵のさび。動く泉水。棘と掌。こんな言葉たちの事をどう思う?こんな言葉遊びをする大人たちの事をどう思う?言葉一つで嫉妬深くなっていたであろう、万葉集とか戦中戦後あたりの奴らの事をどう思う?
もう一度言おう。ムニア。そんな嫉妬深い俺たちの事を蹴っ飛ばしてほしいんだ。思いっきりキックしてほしいんだ。
【例】
ムニアはタピオカを5リットル溢した幼児のような格好で外に出ていった。そしてそれはやっぱり例えば、小太鼓のお祭りで上昇仕切った熊谷を、マスコミが買い占めるような体臭騒ぎになってしまった。私は熱帯に行ったことは無いが熱帯産の霜降り肉はきっと美味だ。ベットリと舌に吸い付くクリーム状のムニア。
【例】
悲しみはいつも忘れて、変わらぬ愛が好き。愛の込められたアルコールは時代を超え、私を夢見る生徒に戻してくれる。正確な目盛りはわからないけれど、とにかく4分の1を残して寝てたんだ。ありったけ飲みながら健康診断も近いのに、悪意のインプレッションを夢と、星に例えてた。きっとまだ愛しているから。変わらぬ覚悟できるのなら、新大久保の住宅街でVtuberと会おうね。百人町7丁目5の6、フロムハウス202号室。
目覚めた。トイレにいくのは間に合わなかった。そのへんのビニール袋に一通りおしっこして、その代わりに便器で吐いた。こんなのは本当に目覚めたとは言わないんじゃないかとか、こんな空っぽのお昼にするアレはどんなんなのかとか思いつつ、ビニール袋の隣でうつ伏せになった。
ちょっと残りが床にこぼれちゃったけど、誰も気にしちゃいない。私はいつの間にか裸になっていた。貧しい鼓動が床を叩き続けた。そのうち痛くなって仰向けになった。階下の住人にバレやしないかーーーいや、もういっそのこと全部バラして、私を救急搬送してくれとか、この生活の終わりを、火傷をかきむしるみたいに考えていた。水ぶくれとかが意外と好き。非現実的だけど、見方を変えればまたこれも資本なのだ。
文章は他の創作物に比べ、古都のようなもので、お金を頂くのはもう粋じゃないのかもしれません。 ただ、あなたのサポートで、私が未来の古都づくりに少しでも参加できるのなら、こんなに嬉しい事はありません。私は文章の住人であり続けたいのです。 あたたかなご支援の程、よろしくお願い致します。