記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

HIJIKIが2024年に見た映画④(7本)


このシリーズにおいてヘッダーの写真は特に関係ありません。

今までの感想はこちら


※ネタバレあるかも〜




ジョジョ・ラビット

第二次世界大戦末期のドイツに住む少年のイマジナリーフレンドは……ヒトラーだった!?(屋根裏のヒトラー)

母親の足元を予め映してから、後半でぶら下がった足映すところが一番「キャーッ!」と「映画〜!!」という感情になった。
私の言う「映画〜」は「言葉で説明せず画でわからせる」「いい感じの伏線・描写回収」を褒める時に使う言葉。映画に限らんだろ。

ポップなノリで騙されていたが、あらゆる意味で戦争末期。安っぽい紙の軍服で戦い、自分の子どもすら特効に使う光景がグロテスクでない程度にさらっと描かれて、かえって底冷えするものがある。ただ辛い展開は多いものの、キャラクターの善性は基本的に揺るがないし、終わり方も素敵だった。靴(足)👞が紐を結べない/結ぶ(自立)→死体の示唆→踊りを踊るための器官……と色々な役割を担っているのがよかった。



ローマの休日

シナリオの教本でネタバレを食らうし(自業自得) 、擦られまくって筋は知っていたけど、実際に見ると発見があった。ヘプバーンがあの髪型になるのは途中からだし、そもそもアービングというカメラマンが常についているし(2人っきりじゃなかったんかい)川辺の乱闘もえ!?意外と雑な対処!?と驚いた。あと、アン王女は「自由のない生活って退屈だわ〜」程度のテンションで脱走したのかと思ったら結構ガチで追い詰められていた。

……しばらく考えたけど「普通に良い映画で特に言うことない」に落ち着いてる!!!! こう言う時ちゃんと初見の感想いうのが大事なんじゃないんかと思うけど本音これかも!!!! いや、でもいい映画ですよ。掛け値なしに。

序盤アン王女が「何も着ないで寝る人がいるんだって!(大意)」と言うのだが、おそらく寝る時の格好に対する質問に「シャネルの5番」と答えた(とされる)逸話があるモンローのことなのかな〜と。この二人が同時代で、イメージも対照的に捉えられることが多いので興味深い。



ファーゴ

映画のジャンル認識してから見ればよかった〜〜〜。

田舎町で狂言誘拐をしようとしたら下請けが大暴れしてとんでもねぇ殺人事件に……という話なのだが、そもそもコメディでもある故、ほとんどの登場人物が間抜けで緊張感がない。そのゆるさを楽しむべき映画なのだろうと今ならわかるが、視聴中は「何だこいつら……なんかひっくり返ったりするのかな……『変な顔』も伏線なのかな……?」と混乱していて30%くらいは物語に入り込めなかった。

しかし地平線もわからないほどの白から車がヌッと現れるオープニングや雪景色のショットは非常に美しいし、音楽も私好みの情緒的さで、かなり気に入っている。(このオープニングがめちゃくちゃシリアスに思えたのも原因ではあるかも……)

あとフィクションなんかい!!!! ポールバニヤン推しなのってそういうこと?



グッド・フェローズ

ギャングスタに憧れるようになったのだ!!……のその後のお話……。

ギャングに入った少年が成長し、ヤクに手を出し転落する話と書いてしまえばそうなのかもしれない。全編モノローグ+音楽を被せるという演習が多かったので一歩引いて出来事を見ることになり、仲間が死んでも捕まっても「あーあーあ。」と平熱で見れてしまったのが面白い。(逮捕=絶望って感じもないしな……)。

トニーに関してはこいつ殺した方が色々とスムーズだろ!と思ってしまうが、性分に問題がある奴もグッドフェローズとして受け入れるのが仁義なのかもしれないね……。
最後、命も生活も保障されてるんだからいいじゃん!と感じるが、ギャングスタの生き方に憧れていた主人公には死ぬのと同じくらい辛いのかもしれないですね。



ベイビーわるきゅーれ

工藤D!?!?(大迫茂生)
最初は気づいていなかったのだが、キレだしてから急に「あれこの人……?」と勘づき自分の記憶にウケてしまった。
サムネとあらすじから期待していたものを完璧にお出しされて大変満足。渡部好き。ちさと好き。

予想外だったのは意外とネットのあるあるネタが多かったことだが、これに関しては歯痒いというか「お前ならもっと深いネタを出せるだろ!! 浅いあるあるで済ましてるんじゃないよ!」とヤキモキしていた。映画はネタツイではない。ので、ある程度広い範囲に伝わるネタでは無いと……とは思うけど……もっといけるって! 明らかに製作陣の世代が近過ぎるの、バレバレ。ドラマ見たいね〜。



犬ヶ島

グランドブダペストホテルからのこれ。ストップモーションアニメと実写どっちもやる監督なんですねぇ。日本語吹替版を視聴。

ニンスレ的ファンタジージャパン描写はある程度あえてだろうな、と思うが、出てくる犬がすごく「「洋」」なのが妙におもしろい。なんかみんな毛並みが長く、柴犬やチワワ等がおらず、おじさんが軽トラの荷台に乗せてそうな雑種もいない。メガ崎市の犬は皆ああいう種類なのか……。

犬映画ではあるのだが、犬がすごくいい声で人間より流暢に喋るので(これは言語設定のややこしさのせい)、あまり犬という感じがしなかったなぁ。ロボ犬の方が「犬」的かも。猫も偉そうで最高でしたね。

https://www.museum.or.jp/event/110555

「この展覧会行ってる人ウェスアンダーソン観てないやろなぁ……じゃあ観よう!」という動機でグランド・ブダペストホテルを視聴したのだが(最悪のオタク)、まだ監督の特色を掴みきれてないというか、この人の作品はボーッとしてると本当にボーッとしたまま終わってしまう(?) のでちゃんと考えたい。



運命じゃない人

内田けんじっていま何してるの……。「鍵泥棒のメソッド」と「アフタースクール」は視聴済みなので、これでめぼしい作品は観たということになるはず。(更に前に世に出た作品はあるが)

マンション買った矢先にフラれた男性が、婚約者と別れた女性と出会っていい感じになってよかったね……では終わらない。同一時間軸の裏の出来事を別キャラの視点から描いて観客が気持ちよくなるやつです。

内田けんじらしく、違和感がある描写の種明かしをテンポよくやってくれるのでお〜笑みたいなテンションで最後まで見られる。最終パートが面白く、ほとんど出番がなかったヤクザの組長が一番味が出て良い。贋札を作る組長、贋札だとバレない為に一人で現場に出ざるを得ない組長、ラブシーンを見て気まずくなる組長……っっ。また、探偵が主人公をちゃんと親友として接しているのが一貫していてグッと来た。

面白いけどすっげー地味だな!?という思いもある。監督の作品ならアフタースクールかな〜とんでもないひっくり返しとオチが好きなので……。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?