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水の中をめぐる旅【3】ー2022年9月 伊戸シャークスクランブル

2022年の夏の終わり、関東のダイビング仲間たちから誘いがあり、房総半島先端の伊戸へ行ってきました。
ここは、世界的にも知られている、ドチザメが集まるポイントです。

※ 以下、数ヶ月前の記憶を辿りながら書きますので、多少勘違い・記憶違いがあるかもしれません。何卒ご容赦ください。

◆ 館山へ

9月2日(金)、溜まっている代休をとって、昼過ぎに伊丹から雨の羽田空港着。
京都からならば新幹線で来るほうが速いのですが、旅費を節約するため、片道はマイル利用しました。さらに、東京都内での後泊は、旅のサブスクHafHで安く上げます。

▼ HafH(ハフ)

羽田空港から館山行きのバスも出ているのも好都合。
雨と靄に煙るアクアラインを渡り、道々乗客を降ろしながら、16時過ぎに着いた館山駅前も雨。
しかし、駅前のホテルにチェックインして旅装を解いているうちに雨は止み、海辺へ散歩に出てみると、水平線は明るくなっていました。

館山へは、関東に住んでいた頃、何回かロードバイクで走りに来ました。特に冬、上州のからっ風に耐えながら走るより、温暖な房総へ陽光を求めて来ていたものです。
多くの場合は、五井あたりまで輪行してきて、房総半島を横断し、外房を走って野島崎や洲崎を回って館山へ至るルートでしたが、転職して京都へ引越す前に、川越から210キロを走り、館山で一夜を過ごしたこともありました。

晩ご飯は、その時に地元の方に教えてもらった駅近くの寿司屋を再訪することに。

18時半、浜松から来た友人と合流して、キップのいい年配の大将と奥さんが経営している小ぢんまりとした店に腰を落ち着け、南総の海の幸を堪能しました。
「ウニとトロ炙りが神」とは、同行の友人の感想。

▼ 光ずし


◆ ダイビングサービスへ/潮流が…

翌朝、天候は回復し、爽やかな晩夏の陽気になりました。
ショップからの迎えの車に揺られること約20分、伊戸に到着。

房総半島の先端というと、緯度は大阪あたりとあまり変わらないはずなのですが、海流の影響などもあるのでしょうか、植生も少し南国的な印象。

ここは外洋に面した小さな漁港。DSは、休憩室、洗い場、シャワーいずれも広々として、とても使いやすい。
個人のダイバー以外に、ショップツアーも多く、大賑わい。

▲ レストスペースと器材干し場

▼ 伊戸ダイビングサービスBOMMIE

東京近郊からの友人4人は、既に到着して器材を広げていました。

底の方は水温が20℃前後とのこと。
私たちは、かつて東南アジアの某国に駐在中、ダイビングを通じて知り合った仲間でありまして、熱帯の暖かな水にすっかり慣らされてしまっています。
「今日のゲストの中では、このグループが一番屈強そうですけど」とガイドのGさんに言われますが、恐らくは一番寒さに弱いグループ。
ある者はウェットスーツの中に発泡性の入浴剤を入れ、また私ほか数名は体幹にホットジェルを塗りたくり、出発に備えます。

しかしながら問題発生。潮流が強すぎて、エントリーできないとのこと。
セッティングした器材を埠頭に置いて待つこと1時間半、ようやく出発できることになりました。

▲ 埠頭でのセッティング

ここのタンクは、スチール12リットルという、これまでお目にかかったことがないもの。一般にスチール製は10リットルが多く、12リットルと言えばアルミ製。
これは、かなり重いです。中には背負って立ちあがろうとして、仰向けに転んでしまう人も。
海底の水温が20℃とのことで、真夏の陽気なのに5mmツーピースとフードベストを着込んでいます。この格好だと、普段はウェイト4Kgのところ、タンクの重量を考慮して3kgに減らしましたが、水中ではそれでも少しオーバーウェイト感がありました。

◆ 1本目 西前根

平均水深 15.5m
最大水深 20.4m
潜水時間 37分
透明度 25m
水温 20℃

漁船に乗って、ポイントまでは5分弱。
少し収まったとはいえ依然強い潮に流されぬよう、船腹に張られたロープを伝ってブイへ、さらにブイロープを伝って潜降します。
表層は手を離したらたちまち持って行かれてしまいそうな激しい流れ。
しかし、潜降していくとサーモクラインがあり、その下は流れがほぼなくなり、透明度もぐっと良くなりました。水温もグッと下がりました。

ガイドロープの先に、数多くの魚影が集まっています。
ドチザメだけではありません。巨大なクエ、アカエイ、コブダイまで。
いきなり圧倒されました。

黄色のカゴの中に、エサ(売り物にならない魚)が入っており、ガイド達がそれをサメ達に与えています。
潜る前に、私たちのグループ担当のガイドが「たまに『齧られてみたい』というゲストがいるんですよ」と笑っていました。本当に齧られたら大変でしょうが、自分で餌をやることも可能。ただ、最初はやはり自重。

今回は、荷物を減らすためGoProのみ持参。
静止画は友人たちが撮影したものを拝借しました。

▲ 安全停止

1本目は、ひたすらこの魚群の中を堪能。

◆ 2本目 西前根

平均水深 15.6m
最大水深 20.1m
潜水時間 37分
透明度 25m
水温 20℃

2本目も同じポイントですが、今度は、ブイを起点にして、尾根状の根を周回。
ここは、根付きのカサゴや、中層を悠々と泳ぐマダイなどもいて、サメ一辺倒の1本目とは目先が変わり、楽しめました。

サメを見ているだけというのも飽きてきたので、カゴの中から餌を取って、自分でサメに与えてみました。指ごとガブリとやられぬよう、馬に人参を丸ごと与える要領で、握った状態でサメが寄ってくるのを待ちます。やがてやってきたサメが引ったくるように餌を持っていくパワーは、想像以上に強力でした。

▲ 根に群れる魚群
▲ ミノカサゴ
▲ フチカサゴ

浮上すると、船の上は南総の陽光が燦々と降り注ぎ、ポカポカ陽気。
水温が20℃を下回ることもあるとのことで、ドライスーツ持参も真剣に考えたのですが、水中は良くても陸上が地獄だったことでしょう。

◆ アフターダイブ

港へ戻ると、最初の潮待ちで時間を要したため、もう14時半近く。DSに隣接する人気の店で、海鮮料理に舌鼓を打ちました。この店では地元の定置網で取れた魚を頂くことができる評判の店。週末は大変混雑するそうで、ショップが事前に予約してくださっていました。

▼ 漁港食堂だいぼ

伊戸シャークスクランブルは、良い意味で予想を大きく裏切るポイントでした。
京都からだと気軽に来られないのが残念。
ただ、当初、金曜に代休を取れるかどうか不透明な状況で交通手段を調べたところ、終業後に新幹線に乗っても、その夜のうちに館山へ着くことができます。

しかし、大都市近郊の行楽地の宿命で、帰路の渋滞が大変。
都内まで友人の車に便乗させて貰ったのですが、アクアラインで事故が発生。私は後部座席で眠りこけていましたが、運転していた友人は、さぞ疲れたことでしょう。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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